1990年にホンダは長距離ツーリングバイクである「ホンダ パシフィックコースト」を製造開始した。おもに北米向けに製造された輸出仕様車であったが、1990年11月21日に日本国内でも発売された。水冷4サイクルV型2気筒で排気量800ccのエンジンを搭載し、低・中速域から高速域まで力強くスムーズに走れるような設計となっている。外観としては大型カウルにスクリーン、サイドカバーからリアトランクへと流れるようなデザインとなっており、前輪側のディスクにはカバーがされている。リアトランクは大容量で、ヘルメットが2個収納可能。シートも前後とも大型となっており、二人乗車でもゆったりと座ることができる。ウインカーにはオートキャンセル機能を装備している。カラーリングにはヘイジーグレイ・メタリックを設定。1993年にブラックZへカラー変更、1995年にヘイジーグレイメタリックへカラー変更されている。

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解説記事更新日：2021年07月30日

1990年にホンダから新発売されたパシフィックコーストの初期モデル。
当初は北米へ向けた輸出モデルとして開発されたが同年11月には日本国内での販売が開始。エンジンには同ホンダのアメリカンモデルであるNV750から流用しながら800ccまで大排気量化した水冷4ストロークSOHCV型2気筒3バルブを搭載、サイレントチェーンのカムシャフト駆動、油圧式オートバルブクリアランス・アジャスターを採用し、同時にエンジンをラバーマウントとするなど振動やノイズの低減が図られた。最高出力は56PS/6,500rpmを発揮した。
フレームにはダブルクレードル角型ツインチューブフレームを採用。足廻りにはフロントにテレスコピック式サスペンション、リアはスイングアーム式サスペンション、前後アルミホイールなどを搭載しいている。
ボディカラーはヘイジーグレイ・メタリックを設定。
新車販売価格は89.9万円だった。
リアにはトランクがついており、フルフェイスヘルメットが二つ入るという大容量に加えてガスダンパー付開閉機構を装備するなど使い勝手に配慮され、シートは合皮ながら天然シボ革をイメージし高級感を出すなど、クラシック×ゴージャスな雰囲気が特徴的な1台だ。
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解説記事更新日：2021年12月31日

カラーチェンジを受けて発売された1993年モデルのパシフィックコースト。
ボディカラーには新色のブラックZを設定。
新車販売価格は先代から据え置きの89.9万円(税抜)だった。
パシフィックコーストの発売は素敵なストーリーがある。レーサーレプリカブームが終焉を迎えたのち、新たなブームを起こすためホンダの担当者がアメリカに渡り現地のホンダディーラーを訪問した。すると過激なレプリカモデルについていけなかった多くのユーザーがバイク離れを起こしているという事態に直面。そこで主に海外に向け、クラシックで親みやすいスタイル、そして万人に運転を楽しんでもらえるモデルというコンセプトで開発されたのがこのパシフィックコーストだったのだ。
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解説記事更新日：2021年12月31日

カラーチェンジを受けて発売された1995年モデルのパシフィックコースト。
ボディカラーには1990年の初期モデルで採用されたヘイジーグレイメタリックを再採用しつつ、カラーリングを変更している。
新車販売価格は89.9万円だった。
実はホンダ初の国内向けオーバー750ccモデルであったパシフィックコースト。国内では評価を得ながらも難関とされた限定解除の自動二輪車免許を所有するライダー向けであったため90・93・95年の全モデルが200〜300台の限定販売となっており、この1995年モデルを最終型として生産を終了した。
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解説記事更新日：2021年12月31日

日本ではあまり聞きなれない車名ですが、【PC800 Pacific Coast】は1989年から1998年まで日本国内で初めて製造販売されたバイクです。
輸出先は主に北米で、「Pacific Coast」とは、アメリカの重要な高速道路の名前です。
日本国内発売の背景には、1990年の750cc超国内自主規制撤廃で、大型解禁前夜という雰囲気が盛り上がったことがあります。もっとも、PC800のメインは輸出でしたが。
89年、北米向けに輸出を開始。
PC800で非常に特徴的なのはフルカバードのスタイリングで、大型スクリーン、ボディ一体型の左右ケースなど、高速ロングツーリングを前提とした装備が備わっています。フロントブレーキ、エンジン～サイドカバー～リアカウル～サイドケースまで一体化したかのようなエアロフォルムは他に例のないものです。
ホンダ車では【ゴールドウイング】、【CBR1100XX Super Blackbird】【ST1300】もかなりカバーされたボディですが、PC800ではさらに徹底的にカバーされており、バイクらしいメカとして目に入るのは左右マフラーと後輪ディスクブレーキぐらいです。

搭載されたエンジンは、水冷4ストOHC型の45度Vツイン、気筒あたり3バルブ。ボア×ストロークは79.5mm×80.6mmのロングストロークタイプです。
最大出力は57馬力/6,500回転、最大トルクは65.7Nm/5,500回転の低速型エンジンです。
後輪駆動はシャフトドライブでミッションは5速、あまりよく見えないフロントフォークはΦ41mm、フロントブレーキは290mmのダブルディスク、リアは180mmドラム。
ホイールベースは1,554mmで、80年発売のSC01型【CB900F】が1,510mmですから、ツアラー寄りに長めにしていることが分かります。
ただしフルカバードボディのため、乾燥262kg、装備285kgと重量級です。

製造年ごとの特徴は、
○1989年式
カラーリングは《パールパシフィックホワイト×オーシャングレーメタリック》1色
車体番号はJH2RC340*KM000015～
○1990年型
カラーリングは《キャンディグローリーレッド×グリフィングレーメタリック》1色
スクリーンを高く変更
車体番号はJH2RC340*LM100001～
○1994年型
カラーリングは《ブラックZ》1色
車体番号はJH2RC340*RM200010～
○1995年型
カラーリングは《ブラックZ》1色
車体番号はJH2RC340*SM300001～
○1996年型
カラーリングは《マグナレッド》1色
車体番号はJH2RC340*TM400001～
○1997年式
カラーリングは《マグナレッド×オーストリッチブラック》1色
フロントディスクカバーを廃止、むきだしになる
ウインカーのキャンセル方式がプッシュからセルフキャンセルに変更
車体番号はJH2RC340*VM500001～
○1998年型
カラーリングは《マグナレッド》1色
車体番号はJH2RC340*WM600001～

PC800のターゲットはホワイトカラーのビジネスマンとされ、「日常使用に適したメンテナンスの少ないバイク」として宣伝されました。残念ながらこの目論見は外れましたが、代わりに熱狂的なファン層を生み出します。14カ国のライダーで構成されたIPCRC（International Pacific Coast Riders Club）がそれです。
支持された理由は、“今までになかったジャンル＝ニッチなバイク”ということです。大型バイク＝メカの塊というのではなく、四輪車感覚で乗れるバイクに新鮮味があったということでしょう。
一見地味ではありますが、高速のタンデムツーリングなどにおいては、ゴールドウイングにも劣らない快適さを発揮することが伺えます。販売された10年間では、約1万4千台が製造販売されました。
PC800 Pacific Coastは、目立たないながらも、同じホンダの【ST1300】【STX1300】と同様、高速ロングツーリングを主体として作られた優れたバイクです。
PC800 Pacific Coastの査定やお乗り換えをお考えの方は、是非バイクパッションへ！

解説記事更新日：2024年07月23日