「スーパーブラックバード」という呼称で知られるホンダの大型スポーツバイク「CBR1100XX」は、2001年3月に国内で販売が開始された。海外では1996年から販売されていたモデルで、「CBR1000F」の後継モデルというポジションで開発されたマシンになる。
「スーパーブラックバード」は、あくまでもペットネームであってホンダのモデル名は「CBR1100XX」である。デビュー当時に世界最速航空機であった米軍偵察機SR-71の愛称が「ブラックバード」であったことに因んで、その先を行くという意味合いから「スーパーブラックバード」と呼ばれるようになった。「CBF750F」など多くの名車を世に送り出してきたホンダのエンジニア、山中勲氏が開発責任者として関わった最後のバイクである。
1996年の登場から2回目のマイナーチェンジとなる2001年モデルから国内でも販売されることになった。販売開始当初、「CBR1100XX」のキーワードは「世界最高峰のスーパースポーツ」だった。300km/hをたたき出せるポテンシャルを持つ超高速バイクであったものの、国内モデルでは自主規制に対応するためにスピードリミッターが取り付けられた。そのため最高速は180km/hということになっていた。また出力に関しても海外モデルでは152psであったところを国内モデルでは100psまで抑えられていた。それで、スーパースポーツというよりは高速ツアラーとしての印象が色濃く残るモデルとなった。国内デビュー後は大きな仕様変更をすることなく、2008年からの排ガス規制に伴って生産終了となった。
2021年時点において、「CBR」シリーズで展開されたリッターオーバーモデルは、これまで「CBR1100XX」のみとなっている。
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解説記事更新日：2021年07月17日

1996年に登場したCBR1100XX スーパーブラックバードの初期モデル。
エンジンには2軸バランサーを採用した新設計の水冷4ストロークDOHC4気筒を採用。最高出力は164PS/10,000rpmを発揮し当時の世界最高馬力記録を達成。
ダイヤモンド型のフレームを覆うフルカウルボディは空気抵抗を極限まで抑えており、足回りにはD-CBS(前後連動ブレーキ)を搭載した。フロントマスクは上下2段のヘッドライトを採用し個性を窺わせている。
当時は輸出向けモデルのみの販売となり、仕向地によっては発売が1997年からスタートしていることから1996年モデルと1997年モデルは変更無し。
サブネームのスーパーブラックバードは当時米軍で採用されていた偵察機の「SR-71(通称ブラックバード)」を超えるという意味合いで採用されたもので、広告の写真には実際のSR-71をバックにしたCBR1100XXという構図が採用され話題を呼んだ。
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解説記事更新日：2021年12月15日

マイナーモデルチェンジを受けて発売された1998年モデルのCBR1100XX スーパーブラックバード。
新たにウォーターポンプとラジエーター内のサーモスタットに小変更を受けた。
当時ホンダのフラッグシップモデルとして登場した本車は、開発時に10項目をコンセプトが掲げられており、加速性能、コントローラブルなハンドリング特性、高い空力性能や動力性能、それに伴う魅力的なデザインと十分に明るい灯火系、Dual Combined Brake Systemとデュアル・シャフト・バランサーの採用などに加えて、使いこむほどに愛着の湧く造り込み、量産バイク史上最速、といったコンセプトが設定された。
また、同社においてCB750F、CB1100R、VFR、NRなど数々の名車を残した山中勲氏が開発責任者として携わった最後のモデルとしても知られており、同氏のファンや旧車好きからの人気も高い。
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解説記事更新日：2022年01月08日

フルモデルチェンジを受けて登場した2代目CBR1000XX スーパーブラックバード。
新たにエンジンの燃料噴射方式をPGM-FI(フューエル・インジェクション)に変更。ラムエア加圧システムを新採用し、最高出力は164PSのまま発生回転数が10,000rpm→9,500rpmへと低下。燃料タンクは22L→24Lに増量され、オイルクーラーとテールランプ、マフラーの形状を変更、メーターパネルの表示方式の変更、イモビライザーの追加などの変更を受けた。
足回りではブレーキの改良に加えてブレーキローターを換装、フロントフォークはスプリングが変更を受けた。
カラーバリエーションにはブルー、ブラック、レッドの3色を設定。
当時最新の技術を注いで作り上げられた新型のF.Iエンジンだが初期のFIのため、現在のインジェクションシステムと比べると故障発生率も多く故障後のケアも大変になことからキャブ車を好んで買うユーザーも多い。ただし中古相場は後期モデルの方が高くなっている。
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解説記事更新日：2021年12月20日

カラーチェンジを受けて発売された2000年モデルのCBR1100XX スーパーブラックバード。
カラーバリエーションには新色としてリッチメタリックチタニウムを設定。
ライバル車にはカワサキのハイスピードツアラーモデルであるZZR1100が挙げられる。1999年モデルの最高出力は147PS/10,500rpm、乾燥重量は233kgで2台のパワーウエイトレシオを比較するとZZR1100は1.58kg/PS、対するCBR1100XXは1.35kg/PSとなり、加速性では最高出力が164PSでZZR1100の147PSを大幅に上回ったCBR1100XXが優っていた。また、パワーバンドではZZR1100が8,500-10,500rpm、CBR1100XXが7,250rpm-9,500rpmとなりCBRの方が低回転からの力強さで優れていたと言えるだろう。
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解説記事更新日：2022年01月08日

マイナーモデルチェンジを受けて発売された2001年モデルのCBR1100XXブラックバード。
国外での排ガス規制更新に対応するため排ガス浄化機構をマフラーに内蔵。それに伴い最高出力を従来の164PS→152 PSにデチューンし、電装系ではデジタルスピードメーター搭載。、リアウインカーの形状変更。また、フロントマスクのスクリーンは30mm高さを増した。
なお、この2001年モデルは国内仕様も発売されており、最高出力は100PSへデチューン、そして180km/hの速度リミッターがかけられたが、初期モデルが叩き出した最高速度約300km/hという当時の市販車世界最速記録は十分な所有感へとつながり、それに加えて税抜110万円という決して高すぎない価格にレーサー並みの技術を詰め込んだ高性能メガスポーツとして国内でも高い評価を得た。
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解説記事更新日：2022年01月08日