大型スポーツツアラーとして1986年に登場した「VFR750F」は、時の流れに合わせて進化を遂げてきた。その系譜上で6代目モデルとして2010年3月に発売されたマシンが「VFR1200F」である。
車体は、新設計の4分割アルミダイキャストフレームを採用。MotoGPの参戦レーサー「RC212V」で培われたノウハウをフィードバックした構造でスーパースポーツ「CBR1000RR」にも採用されているテクノロジーだ。
その新型フレームに搭載するパワートレインも新開発となる。OHC4バルブの水冷4ストロークV型4気筒エンジンを採用。ひとつのカムシャフトで吸排気両側のバルブを作動させるユニカムバルブトレイン仕様。シリンダーバンク角は76度で28度の位相ピンクランクシャフトを内蔵することでバランサーレスで一次振動を打ち消すことに成功している。さらにスロットルコントロールはホンダの市販車バイク初採用となるスロットル・バイ・ワイヤを採用した。手元のアクセル操作に対してリニアでシャープなレスポンスを実現。さらにメンテナンス性にも優れている。
デビューモデルの最高出力は、8,500回転で111馬力というスペック。
トランスミッションは6速リターン式でシャフトドライブ方式を採用した。
足回りは、フロントに倒立フォークを装備し17インチホイールをセット。ブレーキはダブルディスク仕様で、前後連動型ブレーキとABSを組み合わせたコンバインドABSを標準装備する。
リアも新設計のオフセットピボット式スイングアームで片持ちスタイルのプロアームを採用。ホイールサイズはフロント同様に17インチ仕様。
ライバルモデルとしては、海外仕様となるが2011年モデルでデビューしたカワサキのリッターツアラー「Ninja1000」が比較対象になるだろう。228kgの車体に搭載した水冷直列4気筒エンジンは9,000回転で136馬力を発揮する。対する本モデルの重量は268kgある。格下排気量マシンだが「Ninja1000」は、「VFR1200F」と比較すると軽量ハイパワーマシンということになる。
なお、デビュー以降の「VFR1200F」は、3ヵ月遅れでDCTモデルも設定。以降はカラーチェンジと仕様変更を実施しながら国内モデルは2013年モデルを最終仕様として販売終了となったが、海外では2017年モデルまで展開されていた。

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解説記事更新日：2022年06月15日

2010年3月に先代モデルのRC46型から大排気量化して登場したSC63型 VFR1200F。
VFRシリーズでは最大排気量の新開発の水冷4ストロークOHC4バルブV型4気筒を搭載、MotoGP車両を制作した開発陣によって、レーサー同様にシリンダー角を従来より狭め、"エンジンを球形に収める"と言うことに重きを置いて開発されたエンジンはそれまでのVFRシリーズに無かったハイテク仕様だった。
フレームにはこちらもMotoGPマシンRC212Vで熟成され、CBR1000RRにも採用された4分割アルミダイキャストフレームを採用。
ホンダの市販車では初めてレーシングマシンに採用されているスロットル・バイ・ワイヤを搭載。また、シートにはHonda初となる、一体発泡シートを採用。長時間の走行を配慮し、国内モデルのみローシートを搭載、足つき性も良好になり、先代よりもさらにツアラー色を強めたモデルだ。
カラーバリエーションにはキャンディープロミネンスレッド、パールサンビームホワイトの2色を設定。
新車販売価格は150万円だった。
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解説記事更新日：2021年04月19日

2011年2月、カラーチェンジを行い発売されたEBL-SC63型のVFR1200F。
カラーバリエーションにはキャンディープロミネンスレッド、パールサンビームホワイトの2色を設定。
新車販売価格は150万円だった。
「ランチは300km先の高原ホテルで」というなんとも芳しいキャッチコピーのもと先代のVFRをよりツアラー化した本車。発売初年の2010年夏には公益財団法人日本デザイン振興会が主催し、毎年デザインが優れた物事に贈られるグッドデザイン賞を受賞している。
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解説記事更新日：2021年04月19日

2012年3月にマイナーモデルチェンジを行い発売されたSC63型 ’12年モデルのVFR1200F。
新たにトラクション・コントロール・システムを搭載。最高出力は変わらず、低・中回転域のトルクを向上した。
また、燃料タンクを13L→19Lと大容量化、メーターには瞬間燃費、平均燃費、残走行距離が新たに表示されるようになった。
カラーバリエーションにはキャンディータヒチアンブルー、チタニウムブレードメタリックを新色として追加、既存色からはパールサンビームホワイトを継続色とし、計3色を設定した。
新車販売価格は先代から据え置きの150万円だった。
開発にあたり「ランチは300km先の高原ホテルで」というキーワードが設定された本車。短い文章の中には「高原のワインディングロードを含む往復600km日帰りタンデムツーリングも難なく可能です。」という非常に具体的でリアリティのあるメッセージが込められている。
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解説記事更新日：2021年04月19日

2012年11月にカラーチェンジを行い発売されたSC63型 ‘13年モデルのVFR1200F。
カラーバリエーションには新たにダークネスブラックメタリックを新色として追加、既存色からはパールサンビームホワイトが継続採用され、計2色の設定に。また、リアカウルのカラーリングを車体と同一色に変更している。
新車販売価格は150万円で、初期モデルから本最終型までの間、価格の上昇はなかった。
本’13年モデルを最終型とし生産終了となった本VFR1200F。VFRの後継モデルとしては翌2014年から800ccモデルのVFR800F及びX、加えて大排気量モデルのVFR1200Xが発売されている。
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解説記事更新日：2021年04月19日

2010年3月、先代モデルのRC46型からフルモデルチェンジを敢行、大排気量化して発売されたSC63型 VFR1200F。
MotoGP車両での開発経験を活かし、シリンダー角を従来より狭め、エンジンを球形に収めたレーサー仕様で開発された新開発水冷4ストロークOHC4バルブV型4気筒を搭載、フレームにはRC212VやCBR1000RRに採用されているものと同型の4分割アルミダイキャストフレームを採用。ホンダの市販車としては初となるスロットル・バイ・ワイヤの搭載、VFR400Rにも搭載された片持ち式プロアーム(プロリンク)やシートにはHonda初となる、一体発泡シートの採用など、当時のホンダの技術を惜しげもなく注ぎ込んだ一台だ。
2011年モデルではカラーチェンジを、2012年モデルではマイナーモデルチェンジを行いトラクションコントロールシステムの搭載に加え、メーターの表示項目追加、燃料タンクの大容量化を行った。翌2013年モデルのカラーチェンジを最終型とし生産を終了。
VFRシリーズとしては800ccモデルのVFR800F、及びクロスオーバーモデルのVFR800X、大排気量モデルのVFR1200Xが2014年から発売している。
「ランチは300km先の高原ホテルで」というキャッチコピーと共に当時のホンダのフラッグシップと言ってもいい性能を備えた本車。中古車市場では発売から10年以上が経っていながらも平均して買取価格は50万前後を維持しており、年式柄VFRシリーズの中でもリセールバリューの高い車種といえる。
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解説記事更新日：2021年04月19日

海外仕様のVFR1200Fは、日本国内での発売と同じ2010年にリリースされ、米国はじめ欧州に輸出されました。海外モデルにはペットネーム「Interceptor（迎撃機）」の名前がつけられています。
また海外モデルの車種には、通常ブレーキの【VFR1200F】、コンバインドABS搭載の【VFR1200FA】、DCTミッションを搭載した【VFR1200FA DCT】があります。ここではFとFAモデルについて解説します。
エンジンは水冷4ストOHCV型4気筒の1,237ccで、海外仕様と日本国内仕様とでは次のように最大出力などに大きな差があります（※は国内仕様）。
・最大出力　170馬力/10,000回転　※111馬力/8,500回転
・最大トルク　129Nm/8,750回転　※111Nm/6,000回転
170馬力と111馬力はかなりの差です。国内仕様の数値は低いですが、扱いやすいことは確かでしょう。ただし車重はかなり重く、どちらも装備で267kgあります。バイク雑誌による海外仕様の最高速度は、251.2km/hと報告されています。
なお、このVFR1200Fは数々の革新的なメカニズムを搭載しています。
・MotoGPマシン【RC212V】のテクノロジーをフィードバックした4分割アルミダイキャストフレーム
・ホンダの市販バイクで初採用のスロットル・バイ・ワイヤシステム
・フロント倒立フォーク
・シャフトドライブ
・前後連動のコンバインドABSブレーキ
・76度のシリンダーバンク角で28度の位相ピンクランクシャフト内蔵、一次振動を軽減
意外なのは、カム駆動がDOHCではなくOHCであることで、ホンダは「ユニカムバルブトレイン」と呼んでいます。シリンダーヘッドのコンパクト化、マスの集中と低重心化に寄与しています。
スペイン人デザイナーを中心に作り出されたデザインは、フロントカウルからタンクまでのグラマラスなボディラインが特徴で、近未来的な要素すら感じられます。一体成形シート、ビスの見えないカウルなどは高級感を演出しています。
カラーリングは《キャンディープロミネンスレッド》、《パールサンビームホワイト》の2色をラインナップ。
2012年にマイナーチェンジ、
・《ダークネスブラックメタリック》《パールサンビームホワイト》のカラーリングを追加
・タンク容量を13から19リットルに大幅増量
欧州や米国においてVFR1200Fの主な使い方は、週末のタンデムツーリングです。その目的に合致するよう、数々のメーカー純正オプションが用意されています。29 Lサドルバッグ、31 Lトップボックス、ナイロンインナーバッグ、7 Lタンクバッグ、防風性の高い3 段階調節式スクリーン、グリップヒーター、センタースタンド、ウインデフレクターセットなどです。
国内仕様は2013年が最終型ですが、海外仕様はDCTモデルが2017年まで製造されました。
ライバルは、カワサキ【Ninja1000】、スズキ【バンディット1250F】です。
国内仕様と輸出仕様の外観上の識別点は、スピードメーターがマイル表示になっていることぐらいです（国によってはkm/h表示）。中古車市場での価格差もあまりないため、フルパワー170馬力の実力を試したい方にはおすすめです。
海外仕様のVFR1200Fのお乗り換えやご売却をお考えでしたら買取査定はその中古価値に精通しているバイクパッションへ！

解説記事更新日：2024年05月27日