モデルライフ中に国内仕様の展開が終了となったRC36型「VFR750F」の後継モデルとしてデビューしたのが「VFR」である。デビューモデルは1998年4月に発売された。
パワートレインにはDOHC4バルブの水冷90度V型2気筒781㏄エンジンを搭載。800㏄クラスとなるが、本モデルからモデル名称に排気量を示す数字は省略されることになった。
採用されたRC46E型エンジンは、スーパーバイクレース参戦マシン「RVF/RC45」のユニットがベースになっており、PGM-FIやサイドカムギアトレイン仕様といった構造がその事実を物語っている。ただ、排気量に関してはストローク量を2mm延ばして48mmとすることで781cc化している。デビューモデルRC46型の最高出力は9,500回転で80馬力を発揮。海外仕様は10,500回転で109馬力というスペックだった。
車体は歴代「VFR」シリーズの共通ディテールとなるアルミ合金製のツインチューブフレームを採用するが、ピボットレス構造でクランクケースにプロアームがマウントされている。
足回りは、フロントがテレスコピック正立フォーク仕様で17インチホイールに3ピストンキャリパーを装備したダブルディスクブレーキを組合せる。リアは、片持ちスイングアーム(プロアーム)にのモノショックとシングルディスクブレーキという仕様。なお、ブレーキシステムは前後輪が連動して作動する「デュアルコンバインドブレーキシステム」を装備。輸出モデルとして展開していた「CBR1000XX ブラックバード」のシステムをさらに成熟させた機構だ。
デビューの時点で、フューエルインジェクションシステムとエキゾーストエアインジェクションシステムの組み合わせで環境性能にも配慮したスペックとなっていたが、2000年モデルでは、マイナーチェンジを実施し三元触媒システム(HECS3)を装備。さらに環境性能を高め排ガス規制への対応を実施した。
以降は、2002年モデルでフルモデルチェンジを実施。V4エンジンマシンとしては初となる可変バルブ機構「V4 VTEC」を搭載して、各部の成熟も図られた。
その後はマイナーチェンジや装備の充実を図りながら展開され、国内仕様に関しては2007年モデルで200台限定の「VFR スペシャル」を発売し生産終了となった。
なお、ツーリングからスポーツユースまでこなすV4マシンという直接ライバルが不在のマシンだったが、国内での販売はそれほど振るわず、街中や中古市場で目にすることはそれほど多くはないだろう。ただ、国内外の警察車両(白バイ)のベースにもなっていることから、どこかで見たことがあるスタリングと感じさせる、ある意味で馴染みのあるマシンでもある。

買替や売る際の買取査定は、VFR800の中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年01月17日

ホンダから1998年4月に発売されたVFR800の新登場モデル。
最高出力は9,500回転で80馬力を発揮。乾燥重量209kgでパワーウェイトレシオは2.6kg/psの加速力を誇る。
同クラスでの出力や加速性能はトップ集団に次ぐ位置というところだろうか。
発売時のメーカー希望小売価格は98万円に設定されていた。

解説記事更新日：2021年10月04日

海外仕様のVFR800は、国内仕様とおなじ1998年に発売されています。日本国内の車名は排気量を明記しない【VFR】ですが、海外仕様では【VFR800Fi】です。欧州メインに米国にも輸出されました。
水冷4ストV型4気筒エンジンのルーツは、先代モデルである【VFR750F】で、そのピストンストロークを2mm延長して781ccとしています。
VFR800Fiの特徴は、
・DOHCヘッドドライブはカムギア方式
・ボディ両側に2分割したサイドラジエター
・スイングアームをクランクケースに取り付けるピボットレスフレームを採用
・日本国内では【VFR800P】として白バイに大量採用
輸出仕様と国内仕様の違いは主のとおりです（※は国内仕様）。
・最大出力110馬力/10,500回転　※80馬力/9,500回転
・最大トルク82Nm/8,500回転　※72Nm/7,000回転
・カラーリングは《ブラック》、《レッド》、《イエロー》　※《イタリアンレッド》1色
781ccで110馬力ですから、エンジンパフォーマンスは優れています。スタイリングは全体的には丸みを帯びたエアロフォルムで、前後ウインカーはカウルにビルトイン、極力出っ張りを排除しています。マフラーは4in1、オプションでシングルシートも用意。
2000年にマイナーチェンジ、温度作動式オートチョークを採用し、カラーリングを《スパークリングシルバーメタリック》のみに変更。
同年10月、再びマイナーチェンジ、カラーリングを《アキュレートシルバー》1色に、ホイールカラーがブラックからシルバーに変更されました。
ただしブレーキがコンバインドABSであることは前もって知っておきましょう。これは前後いずれかのブレーキをかけると前後ともブレーキがかかるメカで、高速からの制動には大きな効果を発揮しますが、低速ターンにおいては車体を不安定にさせることがあります。
ライバルは、ヤマハ【XJ 900S ディバージョン】、スズキ【RF900R】です。
当バイクパッションにてVFR800海外仕様の取引実績は多くあり、価格もリーズナブルです。前後17インチホイールは旋回もクイックすぎず、ハンドリングには定評があります。
輸出仕様を外観上見分ける方法ですが、米国仕様はスピードメーターがマイル表示になっています。しかし他にはリアフェンダーがわずかに長いぐらいで、識別点はあまりありません。もちろん110馬力の体感パワーは国内仕様とは全く違いますので、詳しくはスタッフにお尋ねください。
白バイにも採用されたグッドバランスの1台、VFR800のご売却やお乗り換えでしたら買取査定はその中古価値に精通しているバイクパッションへ！

解説記事更新日：2024年05月28日

2000年モデルでの変更点は排出ガス中のCO、HC、NOxといった有害物質を当時最新の三元触媒システム「HECS3」を採用、小型で軽量な触媒とO2センサーを組み合わせる事で浄化性能を大幅に向上した。
さらにセキュリティ面では強化ハンドルロック強化キーシリンダーを採用、カラーチェンジは既存のイタリアンレッドを廃色としてスパークリングシルバーメタリックを採用、本モデルも1色のみの設定だ。
新車販売価格は98万円で初期型から据え置きだ。
VFR800は白バイとして多く採用され、日本だけでなく香港の白バイにもなっており、白バイ隊員からの評価が高い。

解説記事更新日：2021年10月04日

2001年モデルでの変更点はカラーチェンジで、新たににアキュレートシルバーを採用、本モデルも1色のみの設定だ。ホイールもこれまでののブラックからグレーに変更し全体をよりスポーティな印象に仕上げている。
新車販売価格は98万円で先代モデルから据え置きだ。

解説記事更新日：2021年10月04日

2002年のフルモデルチェンジでは、V型4気筒エンジン初の『V4 VTEC』を搭載「V4 VTEC」エンジンは、低速回転域では4バルブの内2バルブ（吸気1、排気1）が作動し、高速回転域では4バルブを作動するバルブ制御システム。2バルブと4バルブそれぞれの利点を両立させた。低回転域で静粛性を向上。また、カムギア駆動からサイレントカムチェーン駆動に変更。エンジン重量も約3kgを軽減した。ドライブチェーンローラー部分に樹脂ローラーを、チェーンにはサイレントクロスチェーンを採用。トータルで約1.0dBの騒音を低減した。
排気システムには、HECS3を搭載、現行型の100セル仕様から300セル仕様とし、触媒面積を大幅に増加しことにより、排出ガス規制値に対し、CO値が1／10、HC値が1／10、NOx値が1／4レベルとなり、当時世界最高水準の環境性能だった。
本モデルのカラーは初期型と同じイタリアンレッド一色、強気の配色だ。
新車販売価格は105万円で先代モデルから7万円値上がりした。

解説記事更新日：2021年10月04日

2002年モデルのVFR800はフルモデルチェンジを受けています。国内仕様の車名は【VFR】ですが、海外仕様は【VFR800F V-Tec】です。欧州および北米をメインに輸出されました。輸出先国によっては「Interceptor（迎撃機）」のペットネームがつけられています。
旧モデルからの主な変更点は、
・曲線とエッジ組み合わせたボディデザイン
回転数に応じて2バルブと4バルブを切り替えるVTECメカニズムを採用
（7,000回転未満は2バルブ、それ以上は4バルブ）
・マフラーをセンターアップ2本出しに変更
・カムドライブをギアからサイレントチェーンに変更
・オイルクーラーとサイドラジエター形状を再設計
・6速ミッションの1～3速のギア比変更
・ガソリンタンクは1リットル増の22リットル
・DCBSリンクブレーキ搭載
・中央にアナログタコメーター、左にデジタルスピードメーターを配置した見やすいパネル
・パッセンジャーシートはカバー付き
・最大出力は110馬力/10,500回転（国内仕様は80馬力/9,500回転）
　※どちらも旧モデルと同一スペック
最も注目すべきはVTECでしょう。これはホンダ独自の技術で、ある回転数に達するとロックピンが作動し、低回転の2バルブを4バルブに切り替えるメカです。低回転では2バルブで吸気流速を高めてトルクアップして燃費を改善、高回転ではたくさん吸い込んでパワーアップします。同時に排気音も変化しますので、パワーと音の変化を楽しめます。
純正のサイドケースもオプションで用意され、前モデルよりスポーツツアラーとしての志向が高まっています。
DCBSリンクブレーキは、前後の複雑なコンバインドブレーキシステムです。フロントブレーキレバーを握ると左側キャリパー3つのピストンのうち2つ＋右キャリパーの3つ＋リアの中央ピストンが作動。リアブレーキをかけるとリアキャリパーのピストン2つ＋左フロントキャリパーの1つが作動します。つまり前後を同時にかけると、全てのピストンが作動します。
2005年モデルまでマイナーチェンジはなく、カラーリング《イタリアンレッド》《ブルーメタリック》《シルバーメタリック》
センターアップマフラーは非常にスリムに収められているため、サイドケースをつけてもタンデムには支障ありません。
ライバルは、ヤマハ【XJ900Sディバージョン】、スズキ【RF900R】があげられます。
VFR800F V-Tecの査定やお乗り換えをお考えの方は、是非バイクパッションへ！

解説記事更新日：2024年06月11日

2004年モデルのマイナーチェンジでは主に外観の変更で、車体色は新色のデジタルシルバーメタリックに設定し、ボディはエッジやシャープなラインを強調した新形状に。またホイールカラーはブラックからシルバーに変更、車体ロゴも変更し、全体的に精悍さを増した。
さらにキースイッチにハザード専用ポジションを追加し、エンジン停止時にヘッドライトを消灯したままハザードランプの作動を可能にした。
新車販売価格は105万円で先代モデルから据え置きだ。

解説記事更新日：2021年10月04日

ホンダから1998年4月に発売されたVFR800。翌年の99年に行われた新たな二輪排ガス規制に対応したモデルとして発売された。
VFRは、都会部の細かな移動から曲がりくねった郊外の道路での高速走行まで幅広い用途でその性能を発揮するスーパースポーツツアラーとして開発された。
エンジンは、世界各地のレースで活躍しているRVF/RC45のエンジンをベースに、ストロークを延長し排気量をアップさせた水冷4サイクルDOHCV型4気筒800ccをエンジン搭載、いわゆるホンダV4だ。
当時新しかったPGM-FIシステムと、エキゾーストエアインジェクションシステムを採用。排気ガスの低減を図っている。
2005年モデルの変更点はカラーチェンジで新たに鮮明なウイニングレッドのカラーリングを追加。既存のデジタルシルバーメタリックと合わせた2色を設定した。1998年の発売からVFR800のカラーリングが一色のみではないのは本モデルが初めてである。
新車販売価格は105万円で先代モデルから据え置きだ。
VFR800は白バイとして多く採用され、日本だけでなく香港の白バイにもなっており、白バイ隊員からの評価が高い。
1998～2007年モデルの国内仕様が存在するVFR800。
期間中のインパクトは2002年のフルモデルチェンジに尽きる。外装の刷新と共にVTEC化されたV4。
買取相場は上記のフルモデルチェンジを境に大きく異なりVTECのV4の方が1.5倍査定額が高い。
ノーマルが高額査定の基本だが、年式に関わらず足回りや排気系の高価なカスタムは買取額の伸びしろが期待しやすい。
弊社では専門スタッフが年式＆カラーリングに加え、状態やカスタム内容まで余すことなく査定額に積み上げ、愛車売却の熱いご期待にお応えしております。

解説記事更新日：2020年10月21日

2006年モデルからはABSを標準装備した。リアサスペンションにプリロードアジャスターを装備し、ウインカーレンズには新たにスモーククリアレンズを採用した。カラーチェンジも行われており今回新たに設定されたカラーはパールコスミックブラックで、より車体の精悍さを高めた。
ABSを標準装備した本モデルの新車販売価格は112万円で、先代モデルから7万円値上がりした。

解説記事更新日：2021年10月04日

2006年モデルの海外仕様VFR800 V-Tecはマイナーチェンジを受けています。主な輸出先は欧州と北米です。
変更点は次のとおりです（※は日本国内仕様）。
・ECUマッピングを変更し、6,400回転でV-Tecが作動（以前のモデルは7,000回転）
・ABSモデルを追加
・ウインカーレンズをクリアタイプに変更　※スモークタイプを採用
・タコメーター文字盤を黒から白に変更
・ヘッドライトレンズカット変更
・マフラーカバーをサテン仕上げとして高級感を向上
・カラーリングは《デジタルシルバーメタリック》、《パールコスミックブラック》、《ウィニングレッド》を採用
・2008年モデルは米国カリフォルニア州の大気資源局（CARB）の排出ガス規制に適合
最大出力には変更なく、110馬力/10,500回転です。　※80馬力/9,500回転
スポーツツアラーとしての味付けは米国および欧州において好評で、優れたハンドリング、高性能なV-Tecエンジン、カウルがもたらす高速安定性はホンダが製造したバイクの中で最も優れた部類に属すると評価されています。
プロアーム片持ち式スイングアーム、ステンレスフィニッシュのマフラーなどは所有欲を満たすのに十分な質感を備えています。太いアルミ製ツインスパーフレームも大型にふさわしい強靱さを感じさせます。なお、リア駆動はチェーンです。
2007年には、VF発売25周年を記念して、トリコロール（3色）カラーの【VFR800F V-Tec Limited Edition】が発売されています。3色とは、キャンディダークレッド、パールブルー、パールホワイトです。さらに25周年記念タンクバッジ、黒塗装ホイール、黒塗装フレーム仕様となっています。
ホイールは21世紀のバイクらしく前後17インチ、タイヤはラジアルタイヤです。大型のフロントホイール径は70年代は19インチがメイン、80年代には16インチも登場しましたが、現在は17から18インチで落ち着いています。VFRのフロントフォークは 41 mmの HMAS プリロード調整可能テレスコピックフォーク、リアに HMAS プリロード調整可能ガスチャージショックアブソーバーです。フレームはツインスパーアルミフレームで、高次元のハンドリングを支えています。
2009年にもマイナーチェンジ、VFR800F V-Tec最終モデルとなりました。
・欧州向けモデルに盗難防止用のイモビライザーシステム (HISS) を搭載
・カラーリングに《グレーメタリック》を採用、ホイールカラーをゴールドに変更
ライバルは、ヤマハ【XJ900Sディバージョン】、スズキ【RF900R】があげられます。
2006年から2009年式VFR800F V-Tecの査定やお乗り換えをお考えの方は、是非バイクパッションへ！

解説記事更新日：2024年06月11日

最終モデルとなった2007年モデルはVFR・スペシャルで、1980年代にアメリカのレースで活躍したV型4気筒エンジン搭載のスポーツモデル「V45 Interceptor」をベースにしたスペシャルなトリコロールカラーを採用。さらにメインフレームをブラックに、リアシート下のカウル側面には「INTERCEPTOR」のロゴを施すなど、細部にわたりレーシーな印象を出した。リアシングルシートカウルをオプションとして付属させ、購入後にユーザーの好みに合わせて変更できる仕様になった。
本スペシャルモデルのは200代の限定生産で新車販売価格は117万円と、先代モデルから5万円値上がりした。

解説記事更新日：2021年10月04日

ホンダから1998年4月に発売されたVFR800。翌年の99年に行われた新たな二輪排ガス規制に対応したモデルとして発売された。
VFRは、都会部の細かな移動から曲がりくねった郊外の道路での高速走行まで幅広い用途でその性能を発揮するスーパースポーツツアラーとして開発された。
エンジンは、世界各地のレースで活躍しているRVF/RC45のエンジンをベースに、ストロークを延長し排気量をアップさせた水冷4サイクルDOHCV型4気筒800ccをエンジン搭載、いわゆるホンダV4だ。
当時新しかったPGM-FIシステムと、エキゾーストエアインジェクションシステムを採用。排気ガスの低減を図っている。
発売した1998年から2007年までほぼ毎年仕様変更やカラーチェンジを行なっている。
2000年モデルでの変更点は排出ガス中のCO、HC、NOxといった有害物質を当時最新の三元触媒システム「HECS3」を採用、小型で軽量な触媒とO2センサーを組み合わせる事で浄化性能を大幅に向上した。2002年のフルモデルチェンジでは、V型4気筒エンジン初の『V4 VTEC』を搭載「V4 VTEC」エンジンは、低速回転域では4バルブの内2バルブ（吸気1、排気1）が作動し、高速回転域では4バルブを作動するバルブ制御システム。2バルブと4バルブそれぞれの利点を両立させた。低回転域で静粛性を向上。また、カムギア駆動からサイレントカムチェーン駆動に変更。エンジン重量も約3kgを軽減した。排気システムには、HECS3を搭載、現行型の100セル仕様から300セル仕様とし、触媒面積を大幅に増加しことにより、当時世界最高水準の環境性能だった。2004年モデルのマイナーチェンジでは主に外観の変更で、ボディはエッジやシャープなラインを強調した新形状に。またホイールカラーはブラックからシルバーに変更、車体ロゴも変更、さらにキースイッチにハザード専用ポジションを追加した。2006年にはABSを標準搭載、最終モデルとなった2007年にはトリコトールカラーを採用したスペシャルモデルを発売した。
VFR800は白バイとして多く採用され、日本だけでなく香港の白バイにもなっており、白バイ隊員からの評価が高い。
1998～2007年モデルの国内仕様が存在するVFR800。
期間中のインパクトは2002年のフルモデルチェンジに尽きる。外装の刷新と共にVTEC化されたV4。
買取相場は上記のフルモデルチェンジを境に大きく異なりVTECのV4の方が1.5倍査定額が高い。
ノーマルが高額査定の基本だが、年式に関わらず足回りや排気系の高価なカスタムは買取額の伸びしろが期待しやすい。
買替やご売却をお考えなら買取査定はVFR800の中古価値に精通しているパッションに！

解説記事更新日：2021年10月04日

海外仕様のVFR800は、大きく分けると2世代に、細かくは3世代に分けられます。主な輸出先は、米国および欧州です。
エンジンは共通しており、水冷4スト90度V型4気筒、最大出力110馬力/10,500回転、最大トルク82Nm/8,500回転です。なお国内仕様の出力は抑えられており、それぞれ80馬力/9,500回転、72Nm/7,000回転です。

第1世代　VFR800Fi（1998～2001年）
・カムギアドライブ
・日本国内で【VFR800P】として白バイにも採用された型
・右側1本出しマフラー
・丸みを帯びたエアロフォルム
2000年にマイナーチェンジ、温度作動式オートチョーク採用し、カラーリングは《スパークリングシルバーメタリック》のみ。
同年10月に再びマイナーチェンジ、カラーリングを《アキュレートシルバー》1色に、ホイールカラーがブラックからシルバーに変更されました。

第2世代　VFR800F V-Tec （2002～05年）
・7,000回転を境に2バルブと4バルブを自動で切り替えるV-Tecメカを採用
・エッジと曲線を組み合わせたデザインを採用
・センターアップ2本出しマフラー
・カムギアドライブをサイレントチェーンに変更
・ガソリンタンク増量
などが行われており、V-Tecは低回転での高トルクと静粛性、高回転での大パワーを両立させています。
このモデルで注目されるのはやはりV-Tecで、バルブ数変化で排気音まで変わるのは、このメカニズムならではの特徴です。フロント、リアそれぞれのブレーキ入力によって、前後複数のキャリパーピストンを作動させるDCBSブレーキシステムも第2世代から採用されました。

第3世代　VFR800F V-Tec （2006～09年）
・V-Tecの差動回転数を前モデルの7,000回転から6,400回転に変更
・ABSモデルを追加
・メーターパネル色、ウインカーレンズ色をクリアに変更
・マフラーカバー質感向上
などが行われました。2007年にはトリコロールカラーの限定モデルも販売されています。

どの世代もスポーツツアラーとしての性能は十分で、高次元のハンドリング、十分なパワーとトルク、純正サイドケースをつけた場合の収納力の高さ、ABS+前後連動ブレーキなど、安全性能も高められています。最大出力110馬力も十分で、北米の大陸横断、欧州で週末にタンデムライディングをするのに不足はありません。
800ccというミドルクラスの排気量は、大きすぎず小さすぎず、VFR800はホンダが培ってきたV4エンジンの一つの完成形と言えます。ルーツは【VFR750F】ですが、それに排気量を約50ccアップ、優れたハンドリングとボディバランスを獲得したVFR800は、ホンダV型エンジンを搭載したバイクの一つの完成形です。
ライバルは、ヤマハ【XJ900Sディバージョン】、スズキ【RF900R】があげられます。
1998年から2009年式VFR800の査定やお乗り換えをお考えの方は、是非バイクパッションへ！

解説記事更新日：2024年06月11日