KTMのオフロード志向ミドルクラスアドベンチャーには、2019年モデルで従来の単気筒エンジンから並列2気筒ユニットアップデートされて排気量も拡大された「790 アドベンチャーR」が発売された。しかし、そのデビューから僅か2年というタイミングで、さらに排気量を拡大した上位マシンが登場。それが、本モデル「890 アドベンチャーR」だ。
日本国内向けは、2021年5月に発売された。ちなみにオンロード走行も得意なアドベンチャーツアラータイプの「890 アドベンチャー」は、一足早い4月に発売されていた。
車体は、クロモリ鋼管製のトレリスフレームを採用する。そこにボア・ストロークが、90.7mm×68.8mmのショートストロークDOHC4バルブ水冷並列2気筒ユニットをセット。889ccのエンジンは、8,000回転で105馬力を発生する。最大トルクは、6,500回転100Nmというスペックだ。
トランスミッションは6速仕様で、シフトアップ&ダウンに対応するクイックシフターが標準装備となる。
足回りは、フロントにWP製の48mm大径倒立フォークを装備するが、トラベル量が「890 アドベンチャー」よりも40mmロングな設計。そこに320mmのダブルディスクブレーキとラジアルモノブロック4ピストンキャリパーという組み合わせ。リヤはモノショックに260mmのシングルディスクブレーキと2ポットキャリパー。
装備面では、メーターに5インチサイズのフルカラーTFTディスプレイを採用する。シフトポジションや調整可能なトラクションコントロールの作動レベルなどマシンコンディションを確認可能となっている。
ライバルモデルとしては、国産の後発モデルとなるがホンダが2023年から展開している「XL750 トランザルプ」と比較できるだろう。エンジンは、754ccのOHC4バルブ水冷並列2気筒エンジンを搭載する。最高出力は、9,500回転91馬力、最大トルクが7,250回転75Nmというスペック。重量は208kgで本モデルより12kg重い。スペック勝負では、「890 アドベンチャーR」が圧倒的に有利。ただシート高は、「XL750 トランザルプ」が30mm低い850mmで足つき性が良い。
なおデビュー以降の「890 アドベンチャーR」は、限定モデルの「ラリー」グレードの展開やカラーチェンジを受けながらラインアップを継続している。

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解説記事更新日：2023年08月28日

オフロード性能を重視した新たなミドルクラスアドベンチャーとしてデビューした「890 アドベンチャーR」は、2021年5月に発売された。カラーリングは、「ブラック×オレンジ×ホワイト」の1タイプのみ
既に2019年モデルから展開されていた「790 アドベンチャーR」と同じく並列2気筒エンジンを搭載するが、排気量は889ccまで高められており内蔵バランサーの仕様変更、ピストン軽量化といった改良も施されたことで、最高出力は、8,000回転で105馬力に到達する。最大トルクは6,500回転100Nmという仕様。重量は196kgとなった。
既に1ヵ月早く「890 アドベンチャー」が導入されているが、エンジンスペックに変わりはない。異なるのは主に足回りの仕様で、本モデルはロングストローク仕様のフロントサスペンションにアップマウントのフェンダーをセットしてタイヤもブロックパターンを履く。そしてフロントスクリーンも小型タイプに変更されている。
シート高は、本モデルが「890 アドベンチャー」より50mm高い880mmとなる。オンロードユースがメインであれば「890 アドベンチャー」、オフロードでのアクティブなライディンも楽しみたいのなら「890 アドベンチャーR」となるだろう。ちなみに価格は、本モデルが168.9万円(税込)で6万円高い。

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解説記事更新日：2023年08月28日

2022年のKTM「トラベル」シリーズは、7モデルが導入されている。250㏄クラスから1290㏄のビッグサイズまで異なる排気量で豊富なバリエーションを用意。その中でもブロックパターンのタイヤやロングストロークサスペンションといった専用装備で悪路走破性を重視したモデルが、本モデル「890 アドベンチャーR」と「1290 スーパーアドベンチャー R」だ。デビュー2年目となった「890 アドベンチャーR」については、大きな変更を受けることなくラインアップを継続。
エンジンは、889ccのDOHC4バルブ水冷並列2気筒ユニットを搭載。8,000回転で105馬力を発生する。最大トルクは、6,500回転100Nmというスペック。
ライバルモデルとしては、ハスクバーナ初のアドベンチャーモデル「NORDEN 901」と比較するのも面白いだろう。KTM傘下となったメーカーということで、パワーユニットは同系エンジンを搭載している。出力も8,000回転105馬力・6,500回転100Nmで同じ。ただ、ホイールベースは、1,513mmで本モデルより15mmショートな設計。シート高も26mm低い854mm。ただ、重量は204kgで8kg重い。足元はフロント21インチ・リヤ18インチで同系となるが、フロントサスペンションは「NORDEN 901」が、43mmの倒立フォークで「890 アドベンチャーR」の48mmよりスリムな仕様。スタイリングも大きく異なるので、どちらのマシンが好みかはライダーによって分かれるところだろう。
なお2022年式「890 アドベンチャーR」は、前年同様の「ブラック×オレンジ×ホワイト」の1カラーで続投。価格は7万円の値上げで175.9万円(税込)となった。

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解説記事更新日：2023年08月28日

デビューから3年目を迎えるKTMのミドルクラスアドベンチャーツアラー「890 アドベンチャーR」は、2023年モデルで以下の大幅なアップデートを受けた。

・ABS仕様変更
・エンジンプロテクター形状変更
・ハザードスイッチ採用
・フェアリングデザイン変更

エンジンスペックは従来通りで、889㏄の水冷パラレルツインユニットを搭載。最高出力は8,000回転で105馬力。最大トルクが6,500回転100Nmで変更は無い。
安全装備として純正採用されるABSはユニットがアップグレード。独立設定となっていたオフロードABSが、ライディングモードの「オフロード」とオプションの「ラリー」と連動するようになった。
また機能デザイン面では、アルミ製のエンジン&タンクプロテクターの装着やハザードスイッチの新採用で実用性と機能面が向上。
ライバルモデルとしては、スズキが同年に発売した「Vストローム800DE」と比較できるだろう。本モデルより約30kg重い230kgの車体に搭載するエンジンは、775㏄の並列2気筒ユニット。最高出力は8,500回転82馬力、最大トルクは6,800回転76Nmとなる。格下排気量ということもありエンジンスペックは高くないが、シート高が855mmで本モデルの880mmより足つきが良い。
なお2023年式の「890 アドベンチャーR」は、「ホワイト×オレンジ」の1カラーで182.9万円(税込)。前年比で7万円アップとなった。

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解説記事更新日：2023年09月04日

KTMのミドルクラスアドベンチャーは、2024年式も従来通り「790」と「890」の2クラス構成でラインアップを継続。なお「790」は2023年式で生産拠点が中国へ移管されているが、「890」系は引き続き上位クラスと同じオーストリア製となる。
その本国生産「アドベンチャー」のエントリークラスとなった「890」は、引き続き無印グレードと本モデル「R」の2グレードを設定する。日本仕様として導入された「890 アドベンチャーR」のカラーリングと価格は以下の通り。

・継続「ホワイト×オレンジ」　189万円(税込)

ラリーマシンを彷彿とさせる躍動感のあるカラーリング&グラフィックは従来通りだが、価格は前年比で6.1万円高となった。なお本モデルは2024年5月に発売されたが、無印グレードは一足早い同年2月に185.5万円(税込)で発売されていた。

メカニカル面もアップデートは無く主要諸元は2023年式と変わらない。
エンジンはDOHC4バルブヘッドの889㏄水冷並列2気筒ユニットで、8,000回転105馬力というスペック。最大トルクは、6,500回転で100Nmを発生する。
足回りは、無印グレードがオンロード重視のWP製APEXサスペンションを装備しているのに対して、本モデルはフロントに48mmの大径XPLOE-USDフォークをセットして、リヤはXplor PDSモノショックを採用している。さらにタイヤもピレリ「スコーピオン STR ラバー」ではなく、「MITAS ENDURO TRAIL ラバー」を履いてオフロード性能を追求したスペックとなっている。

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解説記事更新日：2024年04月18日