ボルティーは、1994年から2004年まで販売されていたスズキのバイクです。
アメリカンスタイルのGN250のエンジン、フレーム、フォーク、サスペンション、ホイール、マフラーをそのまま使用、カラーリングは黒のみ、パーツの共有化による製造工程から在庫管理を簡素化し、流通経費を抑えました。単気筒ですが4バルブを利用してエキパイは2本あります。
250ccクラスの車体としては小柄ゆえ、気軽に乗れて入門者や女性も難なく扱えたうえ、めっきを多用したクラシカルなデザインはカスタムベースとしても人気を集めました。さらには丈夫な車体、燃費の良さなどから、意外にも郵便配達やバイク便にも使われました。
1998年には【タイプT】が発売、前後別体型だったシートを、タンデムと一体のダブルシートとし、サイドとトップの色を分けて境界にはスティッチをあしらっています。
折りたたみ式のキャリアも標準装備され、使用の用途が広がりました。
1999年、マイナーチェンジで2ポットブレーキキャリパー採用、クラッチプレート変更、ハンドルスイッチ変更、ポジションランプ搭載など変更がありました。
2000年、排出ガス規制適合のため二次空気供給装置（AI）を導入、キャブレター変更、ギア比変更がされています。また【グラストラッカー】が発売され、ボルティーの立ち位置はやや狭くなりました。
2003年には限定販売の《パールグラスホワイト》仕様が登場、2004年はバイク販売店レッドバロンの限定販売車が出ています。
見た目の華やかさがなくても、メンテナンスがしやすく、軽量コンパクト、扱いやすい出力、頑丈な車体と、ボルティーは基本性能が非常にしっかりしたバイクだったのです。
1台のバイクが、入門用としてもビジネスユースとしても、ツーリングメインとしても幅広く活躍できる、このような空冷シングルモデルは、他にあまり例がありません。こうした原点を大切にしたバイクは、欠かせない存在だと言えます。
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解説記事更新日：2021年03月15日

ボルティーは1994年に発売されました。
ネイキッドスタイルのOHC単気筒249cc、スポークホイールにフロントディスク+リアドラムブレーキ、ベースとなったのはアメリカンのGN250です。
車名の「ボルティー」の元になったのは、馬術用語のVOLTE（ボルト）であり、半径5mの円に沿って馬を操り正確さを競う乗馬種目です。バイクで言えばジムカーナのようなものでしょう。
しかしボルティーはもちろんジムカーナ使用メインではなく、気軽に乗れて日常使用に適したネイキッドとして位置づけられています。写真でも分かるように、中型バイクのエントリーモデル、あるいはカスタムベースとして人気を博しました。理由は、めっきを多用したクラシカルなデザイン、リーズナブルな価格、軽量なことです。250ccクラスの車体としては小柄で、足付きのいいシート、よく効くブレーキ等です。女性ライダーにも優しいバイクだったのです。
メンテナンスのしやすさ、丈夫な車体、燃費の良さなどから、意外にも郵便配達やバイク便にも使われました。見た目はずんぐりむっくりでも（失礼）、基本性能は非常にしっかりしたバイクだったのです。加えて先代のSW-1の半額以下の29.8万円（税別）という破格の安さで、意外に売れました。コストダウンのため、カラーリングは黒のみです。
ベーシックモデルの「Type1」、ベージュシートの「Type2」があります。
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解説記事更新日：2021年03月10日

1995年のボルティーは、前年モデルからの変更はありません。カラーリングも黒のみです。
1995年と言えば、大型二輪免許が教習所で取得できる前年。バイク人気の中心は中型でした。主流はレプリカマシンですが、そのアンチテーゼとして発売されたカワサキゼファーをはじめ、穏やかで懐かしいデザインのバイクも人気を集めていました。ヤマハのSRV250やルネッサ、スズキのSW-1、カワサキのエストレヤなどがそれにあたります。
ボルティーもその1台で、めっきを多用し丸みを帯びレトロ調のデザイン、リーズナブルな価格、軽量な車体などは「Simple is the Best」を形にしたようでもあります。
よく見れば単気筒なのにエキパイが2本あり、2気筒のようにも見え（ホンダCB250RSと同様）、デザインとしても優れています。
かくしてボルティーは、「二輪車の価格破壊」と言われた価格も武器に、意外に売れたのです。「隠れた名車」と言うべきか、あるいは「隠れた人気車」か。
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解説記事更新日：2021年03月10日

1996年のボルティーは、前年モデルからの変更はありません。カラーリングも黒のみです。
このボルティーの298,000円という驚きの低価格は、どのように実現したのでしょうか。
250ccで29万円台というのは、かつて1cc千円前後だった197年代を思わせます。つまり70年代は、400ccなら400×1000＝400,000＝40万円、750ccなら75万円という感じです。
90年代でボルティーがそのレベルを実現した秘密は、パーツの共有化による製造工程から在庫管理を簡素化し、流通経費を抑えたことです。
ボルティーのエンジン、フレーム、フォーク、サスペンション、ホイール、マフラーなどは、1982年に発売されたGN250と共通なのです。車体が軽いためにブレーキもよく効くというおまけつきです。単気筒エンジンのため、オイルやエアフィルター交換等のメンテナンスも楽です。入門用バイクとしても優れています。
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解説記事更新日：2021年03月10日

1998年、ボルティーの【タイプT】が発売されました。ブラック1色だったカラーリングはシルバーが追加され、タンクとサイドカバーがシルバーになっただけでぐっと明るくなった印象です。またシートはそれまで前後別体型だったのを、タンデムと一体のダブルシートとし、サイドとトップの色を分けて境界にはスティッチをあしらっています。
さらには折りたたみ式のキャリアも標準装備。必要な時に出し、通常は畳んでおくという使い方ができます。価格は据え置きです。
ボルティーは意外にカスタムの似合うバイクです。シートをシングルに替え、ローハンドルをつけたカフェレーサー、レトロ調のシングルレーサーなど。元々が素直なネイキッドスタイルですから、バックステップ、マフラー、カウルなど、どんなパーツも似合います。
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解説記事更新日：2021年03月10日

1999年、ボルティーはマイナーチェンジを受け、価格アップ、そしてTypeⅡが廃止されました。
【TypeⅠ】348,000円
・2ポットブレーキキャリパー採用、クラッチプレート変更、ハンドルスイッチ変更、ポジションランプ（ハザードランプ）搭載
・カラーリング《ソニックスリバーメタリック》を追加
・シートをツートーンに変更（キャメルイエロー/シルバー）
【Type T】369,000円
・ダブルシートと折り畳み式リアキャリアを搭載
・2ポットブレーキキャリパー採用、クラッチプレート変更、ハンドルスイッチ変更、ポジションランプ（ハザードランプ）搭載
このマイナーチェンジと価格変更によって、ボルティーは「二輪車の価格破壊」と呼ばれた低価格から一歩脱却したわけですが、商品価値（バイクとしての魅力）を高めたメリットは大きいです。趣味性の高い乗り物であるバイクは、高額でも、車重があっても、燃費が悪くても、曲がらなくても、ブレーキが効かなくても、オイルを吹いても、故障が多くても、ライダーが惚れれば・・・・・・売れるのです。
そうした観点から見ても、99年のボルティーのマイナーチェンジは成功だったと言えます。
ボルティーは意外にカスタムの似合うバイクです。シングルシート、ローハンドル、バックステップ、マフラー、カウルなど、どんなパーツも似合います。
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解説記事更新日：2021年03月11日

2000年、ボルティーはマイナーチェンジを受けました。
TypeⅠ、Type Tともに、
・平成12（1999）年排出ガス規制適合のため二次空気供給装置（AI）を導入
・キャブレター変更
・ギア比変更
が行われています。
また同年、250ccの【グラストラッカー】が発売されています。デュアルパーパスのトラッカーブームを受けてスズキが発売したモデルですが、ボルティーと同じエンジンを使っており、オンロードモデルのボルティーと「棲み分け」を図った格好です（のちにグラストラッカーが人気車種となります）。
ボルティーは意外にカスタムの似合うバイクです。シングルシート、ローハンドル、バックステップ、マフラー、カウルなど、どんなパーツも似合います。
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解説記事更新日：2021年03月11日

2002年のボルティーに変更はなく、先代2000年モデルから価格も据え置きの継続販売モデルとなっています。
既に大型二輪免許は教習所で取得できるようになり、バイク人気の中心は大型に移行していました。しかし初心者や女性が気軽に乗れるボルティーは、価格の安さ、低いシートと軽い車重などから静かな人気を集めていました。カラーリングもバリエーションが増え、ブラックとシルバーに加え、ブルー、レッドがラインナップされています。
カスタムも似合いますがノーマルで乗るオーナーも多く、元々速度レンジが高くないため、高性能サスや軽量ホイールを装着してもあまりメリットはないようです。ただし、カスタムせずとも気楽に、履きなれた靴のように乗れるバイクは、いわば社会インフラとして必要なのかもしれません。
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解説記事更新日：2021年03月12日

2003年、ボルティーは限定発売のホワイトが登場しました。
「パールグラスホワイト」塗装を、タンク・シートカウル・フレームカバー・ヘッドランプハウジングなどに施し、艶やかな光沢が美しいです。またタンクに英文で「HOW ARE YOU」、「FINE THANK YOU」といったステッカーを貼り、ファッションアイテムとして二輪車を使用する若者層へのアピールを図っています。アパレル感覚とも言えます。
94年の発売当初はGN250Eのパーツを使った廉価モデルと思われていましたが、ボルティーならではのニッチな需要をつかむことに成功しました。ただし2000年にデュアルパーパスの【グラストラッカー】が発売されており、ボルティー独自の立ち位置は縮小しています。
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解説記事更新日：2021年03月12日

2004年のボルティー VIVIDは最終型です。
これは特殊仕様で、バイク販売店レッドバロンが最終生産ロットをスズキから入手し、カスタムパーツを組み込んで販売した500台のショップ限定モデルです。スーパートラップ社製のフルエキゾーストタイプマフラー、クラシックタイプのミラーやメッキホーンなどを装着しています。またタンクとサイドカバーは《パールネブラーブラック》に塗装され、黒いシートの前半分の着座位置が赤い革となっており、赤と黒のコントラストが鮮やかです。
ボルティーはこれで生産は終了し、後継モデルはグラストラッカーの2バルブエンジンを使った【ST250】となりました。
ボルティーのようなバイク＝丸いタンクでポニーにまたがって走り出すような、愛嬌ある存在は他にあまり例がありません。それでいてカスタムしても似合うという存在は珍しいです。1台のバイクが、入門用としてもビジネスユースとしても、ツーリングメインとしても幅広く活躍できる、このような空冷シングルモデルは、やはりバイクの原点として欠かせない存在だと言えます。
売却をお考えでしたら、買取査定は最終04年モデルVoltyの価値に精通しているパイクパッションに！

解説記事更新日：2021年03月12日