コンパクトサイズのメットインスクーターとして1989年に登場した「セピア」のスポーツモデル、それが「セピアZZ」だ。ベースモデルの発売から1年遅れとなる1990年3月にデビューした。
車体は「セピア」と共用で、シート下スペース周辺の板金モノコックとパイプフレームを併用した高剛性の鋼管アンダーボーン型フレーム構造。パワートレインは、リードバルブの空冷2サイクル単気筒エンジンを採用。圧縮比をスタンダードモデルの7.4から7.6へ引き上げることで、最高出力は6.8馬力から7馬力へアップ。最大トルクは0.72kgmから0.75kgmへ向上している。
また、足回りはフロントに快適な乗りごこちのボトムリンクサスを採用し、制動力の高い油圧式ディスクブレーキを装備した。タイヤに関しても10インチサイズはスタンダード仕様と共通だが、ハイグリップの偏平チューブレスタイプを履いている。
デザイン面では大型リアスポイラーを装備。後にはハイマウントストップランプも内蔵された。そして、マフラーはチャンバー形状とし、エンドをシルバーメッキで装飾することで高い質感を演出。
ライバルモデルとしては、ヤマハ「スポーツ JOG」やホンダ「スーパー Dio SR」が販売されていたが、いずれも6.8馬力エンジンだった。ただ、乾燥重量は「セピアZZ」と「スーパーDio」が65kgのところ、「スポーツJOG」は63kgだった。
デビュー後の「セピアZZ」は、1993年に通常モデル「セピア」と同時に2代目モデルへ進化。エンジンを始動すると点灯するフェンダーマーカーをスクーターとしては初採用した。さらにエンジンがA142型へ変更され最高出力は自主規制いっぱいの7.2馬力へアップ。以降、ライバルモデルとの熾烈なスペック争いが繰り広げられていくことになった。
その後は、1999年まで販売され後継モデルとなる「ZZ」へ世代交代となった。

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解説記事更新日：2022年01月08日

1989年に「Hi-UP」の後継モデルとしてデビューした「セピア」のスポーツグレードが「セピアZZ」である。初代モデルのCA1EB型は、スタンダードタイプ登場の翌年となる1990年3月に発売された。当時の新車価格は14.6万円(税抜)で「セピア」より1.7万円高かった。
基本コンポーネントは通常モデルと共用しているが、エンジンの圧縮が7.4から7.6に引き上げられており、最高出力が7,000回転6.8馬力から0.2アップの7馬力仕様となっている。そのためエンジン型式は「セピア」のA131型ではなくA134型とになる。最大トルクも0.03アップの0.75kgmを発揮する。
足回りはスタンダードタイプがフロントにテレスコピックフォークとドラムブレーキの組み合わせを採用していたが、「セピアZZ」はボトムリンク式フォークにディスクブレーキを装備してスポーティな走行性能を実現。
外観デザインはツートンカラーのボディに合わせたカラーホイールを履き、マフラーはチャンバータイプを装備。さらに通常モデルがキャリアを装着していたリア部分にはスポイラーを取り付け、ハンドルのグリップエンドはサチライトメッキ仕様となっている。なお、デビュー翌年からはリアスポイラーにハイマウントストップランプも採用された。
「セピアZZ」第1世代となったCA1EB型は、その後、1992年モデルまで生産され1993年に2代目のCA1HC型へ進化した。ちなみに1992年モデル最終の新車価格は、15.9万円(税抜)だった。

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解説記事更新日：2021年11月29日

スズキのメットインスクーター「セピア」のスポーツモデル「セピアZZ」は、1993年1月に2代目となるCA1HC型へ進化を遂げた。
今回の仕様変更でエンジンは従来のA134型からA142型へ変更。引き続きリードバルブ式の空冷2ストローク単気筒エンジンだが、最高出力は従来の7馬力から当時の自主規制値いっぱいの7.2馬力へパワーアップ。トルクも0.01という僅かな数値ながら向上しており、6,500回転で0.76kgmというスペック。圧縮比は先代モデルの7.6から6.9に下がっている。乾燥重量は69kgだった。
なお2代目「セピアZZ」のデビュー翌年となる1994年には、ホンダから「ライブ Dio ZX」が発売された。大型リヤスポイラーを装着したスポーツ仕様で7.2馬力の2ストエンジンを搭載しておりライバルモデルとなるが、乾燥重量が71kgで僅かに本モデルより重たかった。ただ、シート高が700mmと「セピアZZ」より10mm低かったため扱いやすい車体だった。また、同じく94年末にはヤマハから「スーパーJOG ZR」も登場。7.2馬力のスポーツ仕様スクーターカテゴリで熾烈な人気争いが繰り広げられていくことなった。その中でスタンダード仕様の「セピア」は、1995年モデルを最後にカタログ落ちとなるが、本モデルは人気が高かったため引き続き販売継続となり1999年モデルまで展開された。ちなみに1993年発売時の新車価格は15.9万円(税抜)だったが、モデルライフの中で値上げが実施され最終型は16.8万円(税抜)だった。

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解説記事更新日：2021年11月29日