「SV650」は、1999年4月に発売された90度V型ツインエンジンを搭載したスポーツバイクである。
デビューモデルとなるVP52A型は、トラス形状のアルミオーバルフレームを採用しDOHC4バルブ水冷4ストロークVツイン645㏄エンジンを搭載。最高出力は8,500回転で70馬力というスペックだった。トランスミッションは6速リターンでブレーキはフロントダブルディスクにリアはシングル仕様。
650ccという当時としては微妙な排気量からイメージできるように、初代モデルは海外マーケットを重視して開発されたモデルである。兄弟モデルとしてフロントカウルを装備してセパレートハンドル仕様の「SV650S」も展開されていた。国内では販売台数が振るわず、モデルチェンジを実施することなく販売終了になってしまった。しかしヨーロッパでは大ヒットを飛ばしスズキの代表的モデルにまで成長し2007年モデルまで設定されるロングセラーモデルへと成長した。
その後は、「SV650」のモデル名がスズキのラインアップから消えるものの、2016年1月に再び復活を果たした。日本国内には同年の8月にVP55A型としてデビュー。ABSを標準装備することから正式なモデル名は「SV650 ABS」となる。
トラス形状が剥き出しのフレームに丸目1灯式ヘッドライトといったスタイリングは踏襲しているが、一体型のシートやマス集中化を意識した設計でより近代的なネイキッドスタイルへと変化している。
パワートレインも初代モデル同様に水冷4ストロークDOHC4バルブの90度V型2気筒を搭載している。最高出力は76.1馬力を発揮。ライバルモデルとしては、エンジンタイプこそ異なるがヤマハの「MT-07」が比較対象になるだろう。当時の最高出力は73.4馬力で、価格は本モデルより10,000円(税別)高かった。
「SV650」は、その後カラーチェンジや仕様変更を実施しながら販売を継続している。

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解説記事更新日：2021年11月20日

2016年8月にスズキから新発売されたVP55型 ‘16年モデルのSV650 ABS。
エンジンには水冷4サイクル90°V型DOHC2気筒を搭載、最高出力は76.1PS、燃費は26.6km/Lだった。
スズキ二輪車で初めてピストンのスカート部にスズめっきと樹脂コートを採用、また、ローRPMアシストやスズキイージースタートシステム、ABSを標準搭載していた。
カラーバリエーションにはパールグレッシャーホワイト、パールミラレッド、マットブラックメタリックNo.2の3色を設定。
新車販売価格は73.8万円だった。
ライバル車と言えば、ヤマハのMT-07 ABSやカワサキのZ650などが挙げられる。パワーウエイトレシオではSV650、Z650が2.5Kg/PS、MT-07 ABSは2.4PSと3車ともにほぼ互角、車重ではSV650が他の二台に比べ10kg以上重くなっているが、それ以外ではやはりエンジンの差があるだろう。SV650が搭載しているVツインはその独特な鼓動と軽快な吹け上がりでファンが多い。
海外、特に欧州ではミドルライトウェイトといえばSV650が挙がるほど人気があり、本VP55型の発売時は、国内で話題になったのはもちろんのことニューモデルを待ちわびた海外勢の反響が大きかったという。
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解説記事更新日：2021年10月18日

2018年1月にカラーチェンジを行い発売された’18年モデルのSV650 ABS。
カラーバリエーションには新色としてトリトンブルーメタリック×パールグレッシャーホワイトとグラススパークルブラックを追加、既存色からはマッドブラックメタリックNo.2を継続採用した計3色を設定。
トリトンブルーメタリック×パールグレッシャーホワイトはグラブバーがブルーに、グラススパークルブラックはフレームとホイールがレッドにそれぞれ設定されていた。
また、標準装備のタイヤをダンロップのロードスマートⅢに変更している。
新車販売価格は73.8万円(税込)で先代モデルから据え置きだった。
ライバル車としてはヤマハのMT-07 ABSが挙げられるだろう。最高出力は73PSとSV650の76.1PSに劣るものの、車重は182kgでSV650に比べ14kg軽く、パワーウエイトレシオにするとMT-07は2.4kg/PS、対するSV650は2.5kgPSと僅かながらではあるがリードされていた。
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解説記事更新日：2021年05月06日

2019年1月にマイナーモデルチェンジを行い発売された’19年モデル SV650 ABS。
ブレーキキャリパーを従来に2ポットから、異形対向4ポットに変更。また、マフラーカバーのデザインも変更されていた。
カラーバリエーションには新色としてグラススパークルブラック×パールグレッシャーホワイト、オールトグレーメタリックNo.3を追加、既存色からはグラススパークルブラックを継続採用した計3色を設定した。また、3色ともそれぞれフレームとホイールが異なるカラーに設定されており、既存色のグラススパークルブラックも先代ではフレーム、ホイールなどがレッドだったが、本モデルではブルーに変更されている。
新車販売価格は先代から据え置きの73.8万円だった。
ライバル車といえばヤマハのMT-07もさることながらカワサキのZ650も忘れてはいけない。最高出力は68PS、車重は187kgとSV650より10kg軽量だったものの、パワーウエイトレシオでは両車ともに2.5kg/PSとなっている。燃費性はSV650が2.6kg/km上回っているものの、性能面では僅差と言っていいだろう。
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解説記事更新日：2021年05月06日

2020年3月にカラーチェンジを行い発売された’20年モデルのSV650 ABS。
カラーバリエーションには新たにミスティックシルバーメタリックを新色として追加。既存色からはマットブラックメタリックNo.2、グラススパークルブラックを継続採用した計3色を設定。
既存色はボディカラーは従来から同色だが、ホイールやフレームがそれぞれ新たなカラーリングになっていた。
新車販売価格は先代モデルから据え置きの73.8万円だった。
国内では126cc以上に標準搭載が義務化され、比較優位の価値が無くなったABSが車名についているのは海外で併売されているノーマルモデルとの差別化を図るため。スズキのライトウェイトスポーツとして看板モデルと言っても良いSV650は国内での人気はさることながら海外での人気も高い一台だ。
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解説記事更新日：2021年05月06日

軽量なスリムボディにバンク角90度の水冷Vツインを搭載したネイキッドスポーツ「SV650」の2021年モデルは、カラーチェンジのみの実施となった。
従来モデル同様にバリエーション数は3パターンで、「グラススパークルブラック×ブリリアントホワイト」、「マットブラックメタリックNo.2」、「グラススパークルブラック」が用意された。スチール製のトラス型パイプフレームは、レッド、ブルー、ゴールドとボディカラーに合わせて異なるカラーを採用。2020年モデルも採用されていたパターンだが、今回は新たにブラックボディにゴールドカラーのフレームというコンビネーションがラインアップされた。
車両価格は785,400円(税込)で、2020年モデルの752,400円(税込)から33,000円の値上げとなっている。ちなみにゴールドフレームの採用と33,000円の値上げは、レトロスタイルでカフェレーサールックの兄弟モデル「SV650V」も同様に実施された。
今回はメカニカルな部分の変更は行われていない。引き続き197kgのボディにスズキオリジナルのメッキシリンダーを採用した水冷V型2気筒エンジンを搭載。
フロントブレーキは異径対向4ポットキャリパーを装備した290mmのダブルディスクとし、リヤは240mmのシングルディスク仕様で標準装備のABSと相まって安心感のある制動系統を実現している。
ストップ&ゴーを繰り返す街乗りでスムーズな発進を可能にする「ローRPMアシスト」やニュートラルポジションであればクラッチレバーを握らず始動でき、ワンプッシュでエンジン始動までセルが回る「スズキイージースタートシステム」といった快適装備も充実している。

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解説記事更新日：2021年11月20日

1990年代終盤のデビューからトラス形状フレームに水冷V型ツインを搭載するミドルクラスネイキッド「SV650」だが、2022年式では時の経過とともに厳しさを増していく環境規制に対応するためのマイナーチェンジが行われた。
型式は従来のVP55B型からVP55E型へと世代交代を実施。令和2年排ガス規制に適合することでモデルライフの延長が行われた。2022年式の国内向けに用意されたカラーリングと価格は以下の通り。

・継続「グラススパークルブラック」　80.3万円(税込)
・継続「マットブラックメタリック No.2」　80.3万円(税込)
・継続「グラススパークルブラック×ブリリアントホワイト」　80.3万円(税込)

カラーリングは2021年モデルから変更なしだが、価格は1.6万円高となった。
環境性能の向上の他に変更点は無いが、国内排ガス規制に適合することで645ccの水冷Vツインユニットは、最高出力が従来の8,500回転76.1馬力から72馬力へダウン。最大トルクは8,100回転64Nmから6,800回転63Nmまで下がっている。さらに重量は2kg増の199kgとなった。丸型ヘッドライトで昔ながらのネイキッドスタイルと設計を採用する希少なロードスポーツということで、時代に適合するための性能ダウンは致し方ない部分でもあるだろう。
ちなみにセパレートハンドルを装着してカフェレーサースタイルに仕上げた「SV650X」も同内容で仕様変更を受けていた。

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解説記事更新日：2024年04月14日