スズキは2022年のミラノショーで、新型パラレルツインエンジンを搭載したストリートファイタールックのネイキッドマシンを発表。それが、本モデル「GSX-8S」である。日本国内向けはEM1AA型として2023年3月に発売された。
特徴的なディテールとしては、クランク軸に対して90度レイアウトで1次バランサーを2軸配置するという「スズキ クロス バランサー」を採用したエンジンを搭載したことだ。この構造によってエンジン本体を軽量コンパクトに仕上げながら低振動を実現。ちなみに量産型オートバイでクロスバランサーを採用したのは本モデルが初となる。
なお同時期に発売されたオフロードアドベンチャー「Vストローム 800DE」にも同じエンジンが搭載されていた。
ボア・ストロークは84mm×70mmのショートストロークで、排気量は775㏄。DOHC4バルブの水冷並列2気筒ユニットは、8,500回転で80馬力を発揮。最大トルクは6,800回転76Nmというスペック。スロットルは電子制御化されており3つの出力モードから選択可能なスズキドライブモードセレクター(SDMS)やシフトアップ&ダウンに対応するクイックシフター、トラクションコントロールといったマシン制御システムも標準装備となる。
ライバルモデルとしては、BMWモトラッドの「F900R」が比較対象になるだろう。マシンの心臓部は895㏄のDOHC4バルブ水冷並列2気筒エンジンを搭載。最高出力は8,500回転105馬力、最大トルクは6,500回転92Nmというスペック。重量は211kgで「GSX-8S」より9kg重い。
国内モデルでは、ヤマハの「MT-07」がライバルとして台頭する。184kの軽量な車体に搭載するエンジンは、688㏄の2気筒ユニット。最高出力は8,750回転73馬力、最大トルクは6,500回転で67Nmに達する。軽量コンパクトだが、フロントサスペンションは正立フォークとなる。「GSX-8S」は、800㏄クラスということで大き過ぎず小さ過ぎずの丁度いいサイズ感が魅力のひとつだろう。
本モデルの足回りは、フロントにカヤバ製の倒立フォークを装備して17インチキャストホイールと310mmのダブルディスクブレーキという組み合わせ。リヤは軽量アルミ製スイングアームにカヤバ製のリンク式モノショックをセットして240mmのディスクブレーキと17インチタイヤという構造。
実用装備面では、5インチサイズのTFT液晶メーターを採用してマシンの情報を表示。灯火類はヘッドライトとテールランプがLED仕様となるが、LEDウィンカーはオプション扱いとなった。
なおデビューモデルとなった2023年式の「GSX-8S」は、3カラーバリエーションを設定して106.7万円(税込)で発売された。

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解説記事更新日：2023年04月21日

縦型2灯式LEDヘッドライトで鋭いオーラを放つスズキのストリートファイターネイキッド「GSX-8S」は、日本向けデビューモデルとなったEM1AA型の2023年式が同年3月に発売された。価格は106.7万円(税込)で、以下の3カラーバリエーションで登場。

・「パールコズミックブルー」
・「パールテックホワイト」
・「グラススパークルブラック×マットブラックメタリックNo.2」

車体は、メインフレームとスイングアームは既存モデルのアドベンチャーマシン「Vストローム 800DE」と共用しているが、剥き出しスタイルのシートレール部分は「GSX-8S」オリジナルとなる。「ホワイト」と「ブルー」は、このシートレールと前後ホイールがブルー仕様で、「ブラック」はブラック仕上げ。

エンジンは「クロスバランサー」構造を採用する775ccの水冷DOHC4バルブパラレルツインユニットを搭載する。最高出力は8,500回転80馬力というスペック。最大トルクは6,800回転で76Nmを発生する。ライディングモードは、「アクティブ」・「ベーシック」・「コンフォート」の3タイプから設定が可能。駆動系統には、アシスト&スリッパークラッチで軽快な操作感と双方向クイックシフターで快適なシフトチェンジが可能となっている。
足回りは、フロントにカヤバ製の倒立フォークを装備して、リヤも同じくカヤバ製の専用設計リンク式モノショックを採用。前後ホイールは17インチのアルミキャストタイプにダンロップの「SPORTMAX RoadSport2」を履くことで高いグリップ性能と軽快なハンドリングを実現した全く新しいネイキッドスポーツだ。

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解説記事更新日：2024年04月15日

スズキの2024年式ラインアップには、アドベンチャーツアラーの「Ｖストローム 800」やスポーツツアラー「GSX-8R」といった本モデルと同系エンジンを採用するニューマシンが登場。新型モデルがデビューしたことで、ますますラインアップの充実化が加速するミドルクラスカテゴリだが、先発マシンとなった本モデル「GSX-8S」は、2024年式でカラーチェンジを実施。
カラーバリエーションは、トータル3タイプで続投。前年から継続となったのは「パールコズミックブルー」で、新色は「グラスマットメカニカルグレー」と「マットブラックメタリック No.2」が用意された。シュラウドに配される「8S」ロゴを含めグラフィックは従来通りだが、以下のカラー変更が行われている。

●「グラスマットメカニカルグレー」
・シートレール 青→黒
・フロントカウル、シュラウド、シートカウル 白→薄いグレー
・フロントフェンダー 白→黒
・アルミ製10本キャストホイール 青→シルバー

●「マットブラックメタリック No.2」
・シュラウド「8S」ロゴ 黒→青
・シートレール 黒→青
・アルミ製10本キャストホイール 黒→青

メカニカル面の変更は無く、主要諸元は前年通り。クロスバランサーを採用する755ccのDOHC4バルブ水冷パラレルツインユニットは、8,500回転80馬力というスペック。最大トルクは、6,800回転で76Nmを発生する。3タイプの走行モード選択機能やアップ&ダウンに対応する双方向クイックシフトも標準装備。
ちなみにニューモデルの「GSX-8S」は、スタイルこそ異なるが車体は共有していて、型式もEM1AA型で同じ。エンジンスペックも80馬力・76Nmで変わらない。一方、「Vストローム 800」は、ボア・ストローク含め同サイズエンジンだが、82馬力・76Nmでセッティングが異なる。

他メーカー競合マシンとしては、カワサキの「Z650」が比較対象になるだろう。本モデルより13kg軽い189kgの車体に搭載するエンジンは、649ccのパラレルツイン。最高出力は8,000回転68馬力で、最大トルクが6,700回転63Nmというスペック。パワーウェイトレシオは本モデルが優れている。

なおデビュー2年目となった2024年式の「GSX-8S」は、前年から据え置き価格の106.7万円(税込)で同年2月に発売された。

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解説記事更新日：2024年03月09日