1994年にトライアンフから発売された英国流ストリートファイター「スピードトリプル」は、2011年のミラノショーで上級グレードの本機「スピードトリプル R」を発表。翌2012年3月に発売された。日本国内仕様としては、いくつかのオプションパーツが装着された限定モデルの「Dパッケージ」が20台限定で導入された。

マシンの基本構造は、2011年式でモデルチェンジが行われた既存モデルの「スピードトリプル」と共用する。
アルミ製ツインスパーフレームに搭載するエンジンは、ボア・ストロークが79mm×71.4mmの水冷DOHC4バルブ並列3気筒ユニットとなる。排気量1,050ccの心臓部は、9,400回転で135馬力の最高出力を発生する。最大トルクは、7,750回転111Nmというスペックでデビューした。エンジンスペックもベースモデルと変わらないが、本機は上級グレードということで、いくつかの専用装備を採用する。主な内容は以下の通りだった。

・PVM製アルミ鍛造ホイール
・オーリンズ製サスペンション
・カーボンサイドカウル
・カーボンタンクカバー
・ブレンボ製モノブロックフロントブレーキキャリパー

大きな違いは足回りの構成だった。無印グレードがショーワ製の43mm倒立フォークをフロントに装着しているのに対して、本機はオーリンズ製の43mm倒立フォークNIX30へアップグレードされていた。さらにリヤサスペンションもショーワ製ではなくオーリンズのTTX36モノショックを与えられた。ブレーキはフロントが320mmのダブルディスクにブレンボ製ラジアルマウント4ピストンモノブロックキャリパーを組合せる。リヤは255mmディスク&ニッシン製2ピストンキャリパーという構造。ABSは切り替え式が標準装備となっていた。
そして足元のホイールには、軽量高剛性の17インチPVM製アルミ鍛造タイプを履くことで運動性能が従来モデルよりも大きく高められている。さらにサイドカウルやタンクカバーといったパーツはリアルカーボン製とすることで、マシン重量はベースモデルより5kg軽い214kgに収まっている。

ライバルモデルとしては、後発マシンとなるが2017年にヤマハが投入したフラッグシップストリートファイター「MT-10」と比較できるだろう。本機より4kg軽い210kgのマシンに搭載されるパワーユニットは、スーパースポーツ譲りの998㏄水冷4気筒エンジン。最高出力は、11,500回転で160馬力を発生する。最大トルクは、9,000回転111Nmだった。スペック重視であれば、格下排気量でありながらハイパワーの「MT-10」となる。ちなみにシート高は、どちらのマシンも825mmで足つきは悪くなかった。

なおデビュー以降の「スピードトリプル R」は、カラーチェンジや仕様変更を受けながら2016年モデルまで設定されて、2018年に実質後継モデルの「RS」が登場するまで販売された。

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解説記事更新日：2024年09月23日

ストリートファイターの先駆者的存在として1994年からトライアンフが展開してきた「スピードトリプル」に上級グレードが用意された。それが2012年に発売となった本機「スピードトリプル R」だ。デビューモデルとなった2012年式のカラーリングと価格は以下の通り。

・「ファントムブラック」　15,999USドル
・「クリスタルホワイト」　15,999USドル

カラーバリエーションは、乗り手やシーンを選ばないブラックとホワイトの2パターンを設定。シンプルなデザインではあるが、ラジエターシュラウドはカーボン製で、フレームのリヤセクションやホイールのリム部分はレッドカラーを採用することでスポーティかつ高級感のある仕上がり。
エンジンスペックに関しては既存グレードと同じだった。
1,050㏄の水冷トリプルは、9,400回転で135馬力を発生する。最大トルクは7,750回転111Nmというスペックでデビュー。出力特性は共通仕様となるものの本機のマシン重量は214kgで無印グレードより5kg軽い。これは「スピードトリプル R」の足元ホイールがドイツのPVM製アルミ鍛造ホイールが採用された恩恵である。フロントが従来比で-0.7kg、リヤは-1kgの軽量化に繋がっていた。

足回りサスペンションは、既存モデルのSHOWA製に変わって豪華オーリンズ製を前後に採用。フロントブレーキキャリパーは制動力5%アップのブレンボ製ラジアルマウント4ピストンモノブロックキャリパーがセットされる。

なお日本仕様に関しては、フライスクリーン、ベリーパン、空気圧モニタリングシステム、クリア仕様のリアライトを標準装備する「Dパッケージ」が20台限定の179万3,400円(税込)で導入された。

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解説記事更新日：2024年09月23日

「スピードトリプル」の新たなフラッグシップとして前年に発売された「スピードトリプル　R」だが、デビュー2年目となった2013年式は目立ったアップデート受けることなく従来通りの仕様でラインアップを継続。北米向けのカラーリングと価格は以下通りだった。

・継続「ファントムブラック」　15,999USドル
・継続「クリスタルホワイト」　15,999USドル

新設計のアルミダイキャスト製フレームにマウントされるパワーユニットは、1,050ccのDOHC水冷並列3気筒エンジン。セッティングはベースモデルと同じで、最高出力が9,400回転135馬力というスペック。最大トルクは7,750回転で111Nmを発生する。エキゾーストパイプのレイアウトは3-1-2形状で、ポリッシュ仕上げのステンレス製デュアルサイレンサーがパッセンジャーシート下部にスリムアップで設置される。

シートはエルゴノミクスデザインで座り心地やフィット感も良好。高さも825mmで2011年以前の先代モデルより5mm低くなって幅もスリム化されたので足つき背も悪くない。
操舵系統のハンドルバーは、アルミ製テーパーデザインでブラックアルマイト処理が施される。製作はオフロードパーツで定評のあるNeken社が担当する。

機能装備面では、アナログ回転計とデジタル多機能ディスプレイのコンビメーターにはブルーのLEDが光るシフトタイミングランプも用意されている。ギヤポジションインジケーターやラップタイム計などマシンを操る楽しみが増すディテールも標準装備。タイヤ空気圧モニタリングシステムもオプションで実装可能となっていた。

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解説記事更新日：2024年09月23日

英国流ストリートファイターのフラッグシップ「スピードリプル R」は、2014年モデルでいくつかのアップデートを受けてイメージチェンジが行われた。デビュー以降、初となるスタイリング面の変更となるが、内容は以下の通りだった。

・メーターバイザー装着
・アンダーカウル装着
・ホイール変更
・カラーチェンジ

特徴的な表情を見せる異形5角形2灯式ヘッドライト上部にはフライスクリーンがセットされて風防効果を高めるとともに従来以上にスポーティーな印象へ変化。さらにエキゾーストパイプ下部にはアンダーカウルもセットされた。
そして足元の前後17インチホイールは従来のPVM製アルミ鍛造ホイールからベースモデルの「スピードトリプル」と同デザインのY字型5本スポークタイプを採用。またカーボンパーツはボディカラーに応じた色へと変更されていた。カラーチェンジも実施されており、2014年式のUSモデルとして展開されたのは以下の2タイプ。

・新色「マットクリスタルホワイト」　14,699ドル
・継続「ファントムブラック」　14,699ドル

色調はこれまでのブラックとホワイトという2パターンで変わらないが、白は艶消し仕上げとなって落ち着いた印象だ。価格面では各部の仕様変更を受けたことで前年から1,300ドルの値下がり。

メカニカル面でのアップデートは無いので、主要諸元は従来通りとなる。
マシンの心臓部に採用される1,050㏄の水冷並列3気筒ユニットは、9,400回転で135馬力を発生する。最大トルクは7,750回転111Nmというスペック。
足回りは前後オーリンズ製サスペンションとブレンボキャリパーをフロントにセット。ABSも標準装備となるので安心して乗れるハイパフォーマンスネイキッドだ。

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解説記事更新日：2024年09月28日

フライスクリーンやアンダーカウルの追加でスピード感溢れるスタイルへアップデートされた本機「スピードトリプル R」だが、2015年式では目立ったアップデートを受けることなくキャリーオーバーでラインアップ継続となった。北米向けに展開されたカラーリングと価格は以下の通りだった。

・継続リスタルホワイト」　14,699ドル
・継続「ファントムブラック」　14,699ドル

ブラックのメインフレームにレッドのリアセクションを見合わせるマシンのボディは、ブラックとホワイトの2カラーバリエーションで続投。タンクやマシンサイドにはブラックアウトされたカーボン製カバーも装着される。上級グレードの証となるオーリンズ製のサスペンションはゴールドアルマイト仕上げとなっていて、モノトーンが基調の車体に高級感をプラスするアクセントカラーにもなっている。

パワーユニットは、1,050㏄のハイパフォーマンス水冷トリプルだ。最高出力は9,400回転135馬力仕様で、最大トルクは7,750回転で111Nmを発生する。マシン重量は214kgだった。
同クラスの3気筒ストリートファイターとしては、前年にヤマハが「MT-09」を展開していた。こちらは846ccの水冷トリプルで格下排気量となるが、110馬力・88Nmというスペックで重量は191kgだった。それでもパワーウェイトレシオは「スピードトリプル R」が優れている。

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解説記事更新日：2024年09月29日

異形5角形2灯式ヘッドライトやアップマウントマフラーといった独特なスタイルで異色の存在感を放つトライアンフのストリートファイター上級モデル「スピードトリプル R」は、2016年式でモデルチェンジが行われた。従来モデルからの主なアップデートポイントは以下の通り。

・エンジン仕様変更
・電子制御スロットル採用
・トラクションコントロール採用
・ヘッドライトデザイン変更
・カラーチェンジ

大きな変更ポイントは104か所の改良が入ったパワーユニットと電子化されたスロットル制御機構だ。シンダーヘッドやピストン、バランサーなど主要部分も設計が見直された1,050㏄水冷トリプルは従来比で5馬力アップの9,500回転140馬力へ進化。最大トルクも7,850回転112Nmで1Nm向上した。さらにライドバイワイヤが採用されたことで、「ロード」・「レイン」・「スポーツ」・「トラック」・「ライダー」の5タイプから走行モードを選択できるようになった。さらに安全面では、スイッチ切り替え可能な3段階トラクションコントールとABSが組み合わされるなど電子制御面の大幅強化が施されている。

スタイリング面では、ヘッドライトデザインもアップデートされてボディカラーもアップデート。用意されたカラーリングと価格は以下の通り。

・新色「マットグラファイト」　162.5万円(税込)
・新色「クリスタルホワイト」　162.5万円(税込)

これまで設定されてきたベーシックカラーの「ファントムブラック」は廃止となって、新たにガンメタが追加された。ちなみに無印グレードの「スピードトリプル」は2014年式を最後にラインアップから姿を消していたが、今回のモデルチェンジを機に「スピードトリプル S」がベースグレードとして展開された。

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解説記事更新日：2024年09月29日

ライバイワイヤの採用やトラクションコントロールの装備で電子系統が強化されて次世代へと進化を遂げた「ストリートトリプル R」だが、2017年式はモデルチェンジの直後ということもあり目立ったアップデートは無く前年からキャリーオーバーで継続販売となった。

主要パーツから細部に至るまで大幅に設計が見直されたユーロ4に適合するパワーユニットは、1,050㏄の水冷トリプルエンジンとなる。5種類の走行モードが選択できる心臓部は、最高出力が9,500回転150馬力というスペック。最大トルクは7,850回転で112Nmを発生する。スロットルが電子制御化されたことでメンテナンス性の向上だけでなくハンドル回りがスッキリしてスタイル面でも洗練された印象だ。
トレードマークの異形5角形ダブルヘッドライトは健在で攻撃的なフロントマスクを表現。
足回りは上級グレードの証となるゴールドアルマイトチューブが存在感を放つオーリンズ製フルアジャスタブルサスペンションキットが奢られていた。

2017年式USモデルのカラーバリエーションと価格は以下の内容となっていた。

・継続「マットグラファイト」　15,200ドル
・継続「クリスタルホワイト」　15,200ドル

なお2012年モデルから「スピードトリプル」の上級グレードとして継続展開されてきた本機「スピードトリプル R」だが、2017年式が最終仕様となった。後継モデルは2018年モデルで展開された「スピードトリプル RS」。

買替や売る際の買取査定は、2017年式 スピードトリプル Rの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2024年09月29日