トライアンフは2011年ラインアップに新型リッターオーバーツアラーを投入した。それが本機「スプリント GT」だった。日本国内仕様は2010年9月に発売された。実質的には1998年からロングセラーモデルとなっていた「スプリント ST」の後継マシンというポジション。ただ、従来の「スポーツツアラー(ST)」から「グランドツアラー(GT)」へモデル名が変化していることからもこれまで以上にツーリング性能を重視したマシン設計となったことが伺える。

車体はアルミ製ビーム・ツインスパーフレームを採用。設計変更によりホイールベースは従来モデルより80mmロングの1,537mmとなっていて、走行安定性が大きく向上している。そのメインフレームにボア・ストロークが79mm×71.4mmの1,050cc水冷DOHC並列3気筒ユニットをマウントする。最高出力は9,200回転130馬力というスペック。最大トルクは6,300回転で108Nmを発生した。エンジンのサイズや基本構造は「ST」世代から大きく変わっていないもののコンピューターセッティングや排気系統の見直しが行われた結果、3馬力・3Nmアップとなっていた。エキゾーストパイプはマシン右サイドシングル出しでシンプルなスタイルにまとまっている。

足回りは、フロントがインナーチューブ43mm径のショーワ製カートリッジフォークを装備して5本スポークデザインの17インチアルミキャストホイールを履く。ブレーキは320mmダブルディスクにニッシン製4ピストンキャリパーを組合せる。リヤはスポーティな印象の片持ちスイングアームにプリロードとリバウントダンピング調整式ショーワ製モノショックをセット。プリロードアジャスターはダイヤルタイプで設定変更も容易だった。足元は17インチホイールに180mm幅のブリジストン「BT021」を履く。ブレーキは255mmディスクとニッシン製2ピストンキャリパーという構造。ABSも標準装備だった。

機能装備面では、ツアラーモデルということでマシン後方両サイドにスタイリッシュな造形の31L大容量パニアケースが標準装備されている。さらにオプションのトップケースをつければ容量アップも可能。そのトップケースには12V電源ソケットも用意されていた。

ライバルモデルとしては、格上排気量となるがBMWモトラッドが2005年から展開している「R1200RT」が比較対象になるだろう。2011年式では、エンジンがツインカムの1,169cc空油冷ボクサーツインユニットを搭載していた。最高出力は7,750回転110馬力と控えめながら最大トルクは僅か6,000回転で120Nmを発生してパワフルなフィーリングが特徴だ。重量は259kgで本機より7kg軽く、シート高もロータイプは780mmで「スプリント GT」より35mmも低い。さらに足回りは電子制御サスペンションも装備している。とにかく快適性重視であれば「R1200RT」、パワーやスポーティな要素が欲しければ「スプリント GT」といったところだろう。

なおデビュー以降の本機は、カラーチェンジを受けながら2013年式まで販売されて生産終了となった。

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解説記事更新日：2024年11月27日

トライアンフが「スプリント」というマシンを展開したのは1993年のことだった。以降、仕様変更やモデルチェンジを重ねていく中で、1998年にはスポーツツアラーの「スプリント ST」が登場。その後も時代の経過とともに進化を遂げていき、2010年9月には再びモデル名変更を伴う世代交代が行われた。そこで登場したのが2011年モデルの本機「スプリント GT」だった。日本国内仕様として導入されたカラーリングと価格は以下の通り。

・新色「アルミニウムシルバー」　166万9500円(税込)
・新色「パシフィックブルー」　166万9500円(税込)

カラーバリエーションは乗り手やシーンを選ばず、使い易い2タイプが用意された。
フルカウルツアラーというスタイリングは先代の「スプリント ST」から大きく変わってはいないが、タンデムの快適性や直進安定性の向上を図るべくホイールベースが80mmもロング化されている。そのためマシンのサイズが大きくなり存在感もアップ。マシン後方両サイドには31Lの大型パニアケースが標準装備となっていることも大きく見える理由のひとつだろう。
エンジンは1,050ccの水冷DOHCトリプルユニットで、サイズも従来モデルと変わらない。ただ、ECUや新設計エキゾーストによって最高出力は5馬力アップの9,200回転130馬力というスペックに向上。最大トルクも向上して6,300回転で108Nmを発生する。
装備面ではパッセンジャーシートの大型化やリフレクター式ヘッドライトを新採用することで長距離移動時の快適性と安全性も進化している。

車体構造は燃料タンクから後方をすべて新設計という大幅なリニューアルで、次世代型の快適ビッグツアラーの登場となった。

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解説記事更新日：2024年11月27日

長距離移動時の快適性を追求しつつもトライアンフの水冷トリプルらしいパインチの効いたエンジンフィールを楽しめるグランドツアラー「スプリント GT」は、デビュー2年目となる2012年式でカラーチェンジを実施。用意されたカラーバリエーションは以下の通り。

・新色「ファントムブラック」　13,399USドル
・継続「アルミニウムシルバー」　13,399USドル
・継続「パシフィックブルー」　13,399USドル

前年はシルバーとブルーの2タイプのみだったが、新たに精悍な印象のブラックが追加されてトータル3バリエーションへ増強された。北米仕様の価格は、13,399ドルで据え置き。
メカニカル面でのアップデートは無いので、主要諸元は変わっていない。
フルカウルに覆われているマシンの心臓部は、1,050㏄の水冷並列3気筒エンジンだ。最高出力は9,200回転で130馬力を発生する。最大トルクは6,300回転108Nmというスペック。
燃料タンクは20L容量を確保しており、満タン給油で300kmの巡行が可能となっているので、長距離移動時も頼もしい仕様。ライディングポジションはアップライトな姿勢となるが、フロントスクリーンの高いウィンドプロテクション効果でロングツーリングも快適だろう。グリップヒーターは標準装備で3段階の調整式。スイッチはカウル内側の左側パネルに設置されていてグローブを装着した状態でも操作しやすい創りとなっていた。
足回りは前後ショーワ製のサスペンションキットを装備して、ブレーキはトリプルディスクにニッシン製のキャリパーを組合せる。ABSも標準装備だった。

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解説記事更新日：2024年11月27日

トライアンフが2011年モデルで投入した大陸横断ツアラー「スプリント GT」は、2013年モデルでデビュー3年目を迎える。前年には新色を追加してカラーバリエーションを増やし、今後のアップデートと進化も期待されつつあったところだが、早くも2013年式が最終仕様となった。本国で展開されたカラーリングと価格は以下の通り。

・継続「ファントムブラック」　8,499ポンド
・継続「アルミニウムシルバー」　8,499ポンド
・継続「パシフィックブルー」　8,499ポンド

1,537mmのロングホイールベースで優れた直進安定性と快適なシートサイズを実現する車体に搭載するエンジンは、トライアンフのアイコンとも言える水冷トリプルユニットだ。排気量1,050㏄のエンジンは9,200回転で130馬力を発生する。ピークトルクは6,300回転108Nmという仕様。フルカウルに覆われているマシンの心臓部は、1,050㏄の水冷並列3気筒エンジンだ。最高出力は9,200回転で130馬力を発生する。最大トルクは6,300回転108Nmというスペック。6速ミッションのギヤ比は先代モデルの「ST」より7%高められていて高速道路での追い越しなど長距離移動の際の異なるシチュエーションで快適なライディング特性を実現している。
また機能装備面では、コクピットに並べられる3連メーターの右サイド奥にはキーロック可能な小物入れスペースを確保。さらにリヤサイドには31L容量のパニアケースも標準装備となる。タンデムでちょっとした旅行にも十分対応可能なサイズだ。さらに収納スペースが必要ということであれば、オプションアクセサリーで12V電源付きの純正トップケースも用意されていた。

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解説記事更新日：2024年11月27日