1989年に発売されたFZR250R。
80年代から90年代に大流行した250ccレーサーレプリカの典型的な姿をしている。カラーリングは、白をベースに赤やピンクのストロボカラーとなっています。
登場モデルとなった89年型では、水冷4ストローク並列4気筒エンジンの最高出力は16,000回転で45馬力を発揮。乾燥重量141kgでパワーウェイトレシオは3.19kg/psの加速力を誇る。
90年のマイナーチェンジでプロジェクターヘッドライトへ、93年にブラッククロームめっきだったマフラーがクロームメッキに、また馬力が自主規制によって45馬力から40馬力に変更されるなど改良が行われています。
今見れば不必要なほどの過剰装備250ccですが、当時の人気の中心は中型であり、これら装備は時代を写す鏡でもあります。
そんな80年代の熱狂の雰囲気を宿すFZR250Rを売る際のリセールバリューですが、相場が高騰を続ける2stレプリカには及びませんが上昇基調です。
生産期中に2度仕様変更が実施され、パーツの流通量も多い高年式の方が気持ち買取相場は高くなりますが、走行が若くカウル完品で外装の綺麗な個体が高額査定の基本線となっています。

解説記事更新日：2021年10月09日

1989年、FZR250はフルモデルチェンジを受けてFZR250Rになりました。
・YZFやFZR750R(3FV1)と同じ丸目2灯
・アルミデルタボックスフレーム
・アルミデルタボックススイングアーム
・前輪ダブルディスク（シングルより約30ミリ小径化）
・キャスター角を25度30分→24度30分に変更（直進性より切り返し重視）
・フロントフォークはインナーチューブ径38mm
・ブレーキキャリパーは異径対向4ポット
・リヤタイヤは120/80-17→130/70-17-62Hに変更
・軽量ピストンにピストン・クーリングシステム、コンロッドやバルブタイミング変更
・イグニッションシステム等の見直しで始動性が向上
・フルスケール19,000rpmのタコメーター。
カラーリングは、《シルキーホワイト×ファインレッド》、《ブルーイッシュブラック×ポーラーシルバー》です。
最大45馬力を発揮する4ストエンジンは高回転化が図られ、最高出力発生回転数が14,500rpmから16,000rpmとなり最大トルク発生回転数が11,500rpmから12,000rpmになっています。
これらを今見れば、不必要なほどの過剰装備です。当然価格も高くなり、FZR250より10万円も高くなっています。それでも売れたのは、いかに当時のバイクブームが加熱していたかを示すものでしょう。今やバイク人気の中心は大型、しかもライダーは中高年層が厚く、当時とは隔世の観があります。FZR250Rは、様々な意味で80年代の雰囲気を伝える貴重な1台です。
そんな80年代の熱狂の雰囲気を宿すFZR250Rを売る際のリセールバリューですが、NSRに代表される2ストレプリカの急激な右肩上がり相場とは残念ながら連動していませんが堅調な相場となっています。
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解説記事更新日：2021年10月09日

1990年、FZR250Rはマイナーチェンジを受けました。マイナーと言ってもかなりの変更があります。
・ヘッドライトにデュアルビームプロジェクターを装備、走行性や安全性が向上
・キャブレターのスロー系をブリードタイプに変更
・高回転でのバルブ追従性向上のためスプリングの定数を変更
・アルミフレームアウターの板厚を2.3mm→3.0mmにして剛性アップ
・フレーム表面をアルマイト処理に変更して高級感を演出
・エキパイミドルパイプをステンレスメッキからブラッククロームメッキに変更
・400g軽量化
カラーリングは《シルキーホワイト×レッド》、《ニューブラックブルー》です。
販売価格は89年モデルから2万円値上がりの61.9万円。

解説記事更新日：2021年10月09日

1991年、FZR250Rはカラーリングの変更を受けています。
《シルキーホワイト×ビビッドレッドカクテル1》、《シルキーホワイト×ダイナスティブルー》です。ブルーのカラーリングはいかにもシャープな印象を与えます。
白いホイールも軽快で清潔なイメージを高めています。FZR250Rの写真をじっと見ていると、レーシーな雰囲気たっぷりのFZR250R、1990年代初頭、革つなぎに身を包んだ少年たちがあちこちの峠に集まり、愛車自慢をしていた光景が甦ってくるようです。あれから30年経た今、彼らはオヤジとなってリッタークラスに乗っているわけです。
販売価格は据え置きの61.9万円。

解説記事更新日：2021年10月09日

1993年、FZR250はマイナーチェンジを受けています。
・自主規制のため最大出力が45馬力から40馬力へ変更
・最高出力発生回転数が16,000rpmから14,000rpmになり、若干低速寄りのセッティングへ
・最大トルクが0.1kgmアップして2.6kgmへ
・マフラーがクロームメッキ処理
・タコメーターが3000回転スタートから0回転スタートへ変更
・カラーリング変更：《ブルーイッシュホワイトカクテル1×ビビッドマゼンダソリッド1》、《ニューブラックブルー×ディープバイオレットソリッド1》
販売価格は据え置きの61.9万円。

解説記事更新日：2021年10月09日

1994年、FZR250Rはカラーリングの変更を受けています。ブラッシュパターンを採用した《ブルーイッシュホワイトカクテル1》のみです。
またホイールも紫色となりました。
また1994年モデルが最終型となっており、ヤマハが発売したフルカウル250ccは、2015年のYZF-R25まで20年かかることとなります。94年モデルは最後のFZRとしても価値があります。
なぜ20年も空白ができたかと言うと、ひとつには大型二輪免許取得が容易になったことがあります。それまで高嶺の花だった大型にほとんど誰もが乗れる時代となれば、多くのライダーがより大きいバイクに乗りたいと思うでしょう。大型受難だったバイク業界が、中型受難へと変化したのです。
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解説記事更新日：2021年10月09日