最新の電子テクノロジーとノスタルジックなスタイルを融合したヘリテイジモデルとして2014年から展開されている「R nineT」シリーズ。そこに往年のデュアルパーパスモデル「R80G/S」をオマージュしたマシンが2017年に追加された。それが、本モデル「R nineT アーバン G/S」である。
スタイリングのベースになっている「R80G/S」は、1980年に登場。このモデルをベースにしたマシンが1981~84年のパリダカラリーで優勝するという快挙を遂げたことで世界中のファンを集めたというヒストリーがある。「R nineT アーバンG/S」は、この往年の名車をイメージしたデザインを採用した最新モデルということで注目度も高い。
車体は4ピース構造のスチールパイプ製フレームを採用。そこにボア・ストロークが101mm×73mmのDOHC4バルブ空油冷ボクサー2気筒エンジンを搭載する。最高出力は7,750回転110馬力というスペックでデビュー。最大トルクは6,000回転で116Nmに達する。この辺りの仕様は、バリエーション豊富なスタイルで展開する「R nineT」シリーズの共通スペックだ。
トランスミッションは6速仕様。足元ステップペダルにはラバーカバーが標準で装着されているが、これらは脱着することができる。取り外すことでオフロードブーツのグリップが高まり操作性が向上する。この辺りのディテールがオフロードモデルをオマージュしたマシンらしい設計と言えるだろう。
足回りは、フロントにインナーチューブ径が43mmのオーソドックスなテレスコピック正立フォークを装備している。ベースの「R nineT」は倒立フォーク仕様だが、本モデルはクラシカルでスタンダードなスタイルを採用。ホイールは19インチのワイヤースポークタイプを装着して320mmのダブルディスクに4ピストンキャリパーというブレーキ構造。
リアはシャフトドライブのアルミ製シングルスイングアームにストローク量140mmのモノショックを組み合わせて17インチホイールをセット。ブレーキは265mmディスクにダブルピストンキャリパーという仕様。標準装備のABSは左ハンドルスイッチでオン・オフの切り替えが可能。
ライバルモデルとしては、2018年モデルで登場したドゥカティの「スクランブラー1100」が比較対象になるだろう。エンジンは1,079ccの空冷90度Vツインユニットを搭載。最高出力は7,500回転86馬力。最大トルクは4,750回転88Nmというスペック。重量は206kgで本モデルより15kg軽い。フロントサスペンションは倒立フォークを採用している。エンジンスペックは非力だが空冷Vツインのフィーリングが好みであれば「スクランブラー1100」というチョイスもアリだろう。
なおデビュー以降の「R nineT アーバンG/S」は、カラーチェンジを繰り返しながら2021年モデルで以下の仕様変更を実施。

・「GS」40周年エディション展開
・EURO5適合
・走行モード選択機能搭載
・USB電源ソケット採用など

アップデートの主な目的は環境性能を高めてEURO5に対応することだった。最高出力は1馬力ダウンの109馬力となったが、ピークパワーに達するエンジン回転数は500回転下がったので実用域でのパワーダウン感は無いだろう。電子制御スロットルが可能にする走行モード選択機能も搭載。さらに往年の「R100GS」を彷彿とされるイエローとブラックのツートーンカラーを採用する特別仕様車「Edition 40Years GS」も用意された。
各部のアップデート受けながらアーバンスタイルのデュアルパーパスモデルとしてラインアップを継続している。

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解説記事更新日：2023年03月30日

2017年モデルでヘリテイジファミリーに加わった「R nineT アーバン G/S」は、国内向けが2017年4月に189.9万円(税込)で発売された。ちなみに本国では前年の11月に発表されたモデルとなる。カラーラインアップはトリコロールカラーの「ライトホワイト」のみが用意された。
全体的なスタイリングは、BMWが1980年に展開したデュアルパーパスマシン「R80G/S」を彷彿とさせるディテールでノスタルジックなデザインを採用。ベースになっているのは前年から既に販売されている「R nineT スクランブラー」だ。
パワートレインには、1,169ccの空油冷ボクサー2気筒エンジンを搭載する。最高出力は7,750回転で110馬力を発揮。最大トルクは6,000回転116Nmというスペックとなる。
足回りは、フロントにダストブーツを装着してボトムケースをブラックアウトしたテレスコピック正立フォークを装備。この辺りは、「R nineT」の倒立フォークとは異なりシンプルでクラシカルな構造を採用している。そこに組み合わせるのは19インチのワイヤースポークホイールとオンロードタイヤという仕様。オフロードテイストが色濃く表れたスタイルだが、本格的な悪路を走行することを想定した設計とはなっていない。あくまでもオンロードメインのデュアルパーパスだ。実際に跨ってみるとネイキッドモデルのようなライディングポジションとなることに気付くだろう。
往年の名車の雰囲気を都会で楽しむのにぴったりのマシンかもしれない。

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解説記事更新日：2023年03月30日

フロントミニカウルやアップマウントされたフェンダー、フォークダストブーツといったパーツを採用してレトロなオフロードスタイルを演出する「R nineT アーバンG/S」。デビュー2年目となる2018年式は大きな仕様変更を受けることなく継続ラインアップとなっている。
モデル名にはBMWのデュアルパーパスを意味する「G/S」が含まれているが、同時に「アーバン」というワードも組み合わされている。車体デザインはオフロードテイストが強めだが、走行性能面においてはオンロードユースを重視して開発されたマシンだ。
4ピース構造のスチール製フレームに搭載するエンジンは、DOHC4バルブ空油冷フラットツインエンジンとなる。排気量は1,169ccで、最高出力が7,750回転110馬力というスペック。最大トルクは6,000回転で116Nmを発揮する。
ちなみにBMWモトラッドの「R」シリーズには「GS」のネーミングをもつ「R1200GS」もラインアップされている。同じく1,169ccユニットを搭載しているが、空水冷ユニットの最新エンジンで最高出力は125馬力を発揮する。最大トルクは125Nmでハイパワーな仕様。ただ、重量が245kgで「R nineT アーバンG/S」より24kg重い。さらにシート高は、本モデルが820mmに対して「R1200GS」は870mmある。スペックやオフロードでの走行性能をとにかく重視したいのであれば「R1200GS」だが、日常での扱いやすさに重点を置きたいのであれば「R nineT アーバン G/S」が良いだろう。
なお2018年式の本モデルはレッドのシートが映えるトリコロールタイプの「ライトホワイト」を設定。価格は北米向けが、12,995USドルで展開された。

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解説記事更新日：2023年03月30日

BMWモトラッドとして初のGS(ゲレンデ・シュトラッセ)モデルとして1980年に発売された「R80G/S」をイメージしたスタイルの「R nineT アーバンG/S」。デビュー3年目となる2019年モデルでは、以下のアップデート受けてマシンの熟成が図られた。

・ウィンカー仕様変更
・ダイナミックブレーキライト採用

マシンの主要諸元に変更は無く221kgの車体に搭載する1,169ccの空油冷ボクサー2気筒エンジンは7,750回転で110馬力を発揮。最大トルクは6,000回転116Nmというスペック。車両コントロール機構としては、ABSのほか、オートマチックスタビリティコントロール(ASC)も標準装備となっているので、オンロードユースメインで設計されたマシンだがちょっとしたダート走行も対応できる。
足元は、日本国内向けではワイヤースポークホイールで導入されているが、本国仕様はキャストタイプを装着している。
ライバルモデルとしては、スズキの「Vストローム1000」が比較対象になるだろう。スタイリングはオフロード色が強いが、優れたオンロード性能を備え持つアドベンチャーツアラーだ。232kgの車体に搭載する1,036ccの水冷90度Vツインエンジンは8,000回転で99馬力を発揮。最大トルクは4,000回転で100Nmに達する。スペック面では格下だが、本モデルより低回転域でピークトルクを発揮することやフロントサスペンションに倒立フォークを装備している点など魅力的なポイントもいくつかある。
なお2019年式の「R nineT アーバンG/S」は、従来モデルから継続となる「ライトホワイト」の1カラーのみ。価格は189.9万円(税込)となる。

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解説記事更新日：2023年03月30日

モーターサイクル事業において90周年を迎えるという節目のタイミングでBMWモトラッドはヘリテイジカテゴリで「R nineT」を展開。2013年のデビュー以降、異なるコンセプトのバリエーションモデルを投入してきた。その中でレトロなオフロードスタイルの中にも都会での快適な移動を可能にするデュアルパーパスとしてラインアップされているのが、本モデル「R nineT アーバンG/S」だ。
デビューから4年目となる2020年式では、大きな仕様変更を受けることなく前年で受けたアップデートを引き継いで継続。
カラーバリエーションも、デビュー時から展開されているトリコロールカラーの「ライトホワイト」のみとなる。
マシンの心臓部は、BMW伝統の空油冷ボクサーツインエンジンを搭載。1,169ccの最高出力は7,750回転で110馬力を発揮。最大トルクは6,000回転116Nmというスペック。トランスミッションは6速リターン式で駆動方式は片持ちスイングアームにシャフトドライブという構造。クラシカルなスタイルだが、BMWのアイデンティティが各部に散りばめられていることに気付くだろう。
ライバルモデルとしては、ホンダが同年に発売した「CRF1100L アフリカツイン」が比較対象になるだろう。先代モデル「CRF1000L」の998ccエンジンから排気量アップして1,082㏄のSOHC4バルブ水冷パラレルツインエンジンを搭載。最高出力は7,500回転102馬力というスペック。最大トルクは6,250回転で105Nmを発揮する。重量は250kgで本モデルより29kg重い。エンジンスペックは「R nineT アーバンG/S」が格上となるが、「CRF1100L アフリカツイン」はフロントサスペンションが倒立フォークでホイールサイズは21インチを装着。DCTグレードもあるのでAT限定の大型2輪免許でも運転可能。ライダーの好みやニーズによって選択は異なってくるだろう。
なお2020年式「R nineT アーバンG/S」は、カナダ向けが14,250ドルで展開された。

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解説記事更新日：2023年03月30日

2013年のデビュー以降、豊富なラインアップでシリーズ展開する「R nineT」は、2021年モデルで大幅なアップデートを実施。往年の名車「R80G/S」を彷彿とさせるスタイルの本モデル「R nineT アーバンG/S」は、以下の内容で仕様変更を受けた。

・EURO5適合
・走行モード選択機能採用
・ABSプロ&DTC搭載
・LEDヘッドライト採用
・「GS」40周年記念カラー設定
・カラーチェンジ

主なアップデートの目的は時を追うごとに厳しさを増している環境規制に対応することだった。新設計のシリンダーヘッドや各部の最適化によって2021年式はEURO5に適合した。今回の仕様変更によってスペックも変化している。最高出力は従来の7,750回転110馬力から7,250回転109馬力にパワーダウン。最大トルクは6,000回転116Nmという仕様から変化は無い。ピークパワーは僅かにダウンしているが、到達するエンジン回転数も500回転下がっているので実際に乗り比べてパワーダウンを感じることは無いだろう。
またスロットルは電子制御化されていることから走行モード選択機能が実装された。本モデルに関しては、「ロード」、「レイン」だけでなく「ダート」モードも選択可能となっている。さらに実用装備面ではヘッドライトがLED化されておりスタイリング面と夜間視認性が向上。
カラーバリエーションは従来まで「ライトホワイト」の1カラー展開だったが、今回の2021年式ではOption719の「ブラックストームメタリック×レーシングレッド」が設定された。
さらに本モデルのデザインのベースにもなっている1980年の「R80G/S」誕生から40周年を迎えるということで、「Edition 40Years GS」カラーも用意されている。「ブラック×イエロー」の特別カラーや専用シート、デュアルマフラーなどを採用する特別仕様だ。
ちなみにこの「GS」40周年記念モデルは、「R1250GS」や「F850GS/アドベンチャー」、「F750GS/アドベンチャー」といった、各「GS」モデルにも設定されている。
トータル3カラーバリエーションに増強された2021年式「R nineT アーバンG/S」の価格は、205.4万円(税込)となった。

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解説記事更新日：2023年03月30日

前年のアップデートで環境性能を高めると同時に電子制御機構の強化が実施されたことで、マシンの信頼性と実用性を高めた「R nineT アーバンG/S」。約40年前の名車「R80G/S」をモチーフにしたスタイリングと最新テクノロジーを融合したネオクラシックデュアルパーパスだ。
今回の2022年式は、メカニカル機構の変更は無くカラーチェンジのみ実施。前年に展開された特別仕様「Edition 40Years GS」はラインアップから外れ、デビュー時から継続されていた「ライトホワイト」も廃止。新たに「インペリアルブルーメタリック」が用意された。
ブラックを基調としたボディにブルーとレッドのラインをタンクに配する。「アーバン」というモデル名称に相応しく都会のシーンにも違和感なくなじむ精悍なイメージだ。
価格はUS向けが13,995ドルから展開された。
パワートレインは、7,250回転で109馬力を発揮する1,169ccのボクサーツインを搭載。最大トルクは6,000回転116Nmというスペック。アップタイプのフェンダーやフォークダストブーツなどを装備してオフロードテイストを取り入れたスタイルだが、フロントサスペンションは43mmの正立テレスコピックフォーク。足元は本国標準仕様がキャストホイールにオンロードタイヤという組み合わせ。どちらかというと街中ユースをメインに想定したモデルということだ。
比較対象としては、オンロード重視のアドベンチャーモデルとしてスズキが前年に投入した「Vストローム 1050」がライバル候補となる。パワーユニットはDOHC4バルブの1,036cc水冷90度Vツインエンジン。最高出力は8,500回転106馬力で、最大トルクは6,000回転99Nmというスペック。足元はフロント19インチ・リア17インチのキャストホイールで本モデルと同仕様。エンジンスペックは劣るがサスペンションは倒立フォークを装備している。シート高は855mmで「R nineT アーバンG/S」が5mmだけ低い。
エンジン構造やスタイリングの好みでもライダーのチョイスは分かれるところだろう。

売る際の買取査定は、2022年式 R nineT アーバン G/Sの価値に精通しているパッションに！

解説記事更新日：2023年03月30日