ドゥカティのフルカウルスポーツと言えば、サーキットを駆けるスーパーバイク「パニガーレ」が代表的モデルとなるが、2016年のインターモトで日常ユースを想定した新たなスポーツマシンが発表された。その名も「スーパースポーツ」、2021年のフルモデルチェンジからは「スーパースポーツ 950」として展開されている。日本国内向けは2017年3月デビューとなった。
車体はスチール製のトレリスフレームを採用し、エンジンはボア・ストロークが94mm×67.5mmの937cc水冷L型ツイン「テスタストレッタ 11°」を搭載。前後のシリンダーヘッドをメインフレームに接続する構造で軽量コンパクトなマシン構造となる。
日本仕様の最高出力は9,000回転で110馬力というスペック。最大トルクは6,500回転で93Nmに到達する。ちなみに本国イタリア仕様は113馬力のハイパワーとなっていた。
ライディングモードは、「スポーツ」・「ツーリング」・「アーバン」の3タイプが用意されている。モードのメニュー内容からも街中や日常ユースをメインに開発されたマシンであることが伺える。
駆動系統はスリッパー機構付き湿式クラッチと6速ミッションという構成。
足回りは、フロントにマルゾッキ製インナーチューブ41mm径のフルアジャスタブルフロントフォークを装備してY字型3本スポークホイールをセット。ブレーキは320mmのダブルディスクにブレンボ製4ピストンモノブロックラジアルマウントキャリパーを組合せる。
リヤはアルミ製の片持ちスイングアームにフロントと同デザインの17インチホイールを履く。タイヤはピレリのディアブロ・ロッソ3を採用。ブレーキは245mmディスクに2ピストンキャリパーという構造。ABSはボッシュ製となる。
実用装備面では高さ調整可能なフロントスクリーンやUSB電源が標準装備となっておりツーリングでも快適なライディングが可能となっている。
ライバルモデルとしては、カワサキが海外展開していて2017年モデルから国内にも導入された「Ninja 1000」と比較できるだろう。ダイヤモンドフレームに搭載するエンジンは1,043ccの並列4気筒ユニットで141馬力仕様。最大トルクは111Nmに到達する。重量は235kgで本モデルより25kg重い。それでもパワーウェイトレシオは「Ninja 1000」が優れている。ホイールベースも1,440mmで「スーパースポーツ」より38mmショートな設計だ。ただ、シート高は5mm高い815mmとなっているので足つき性は本モデルが良いだろう。
なおデビュー以降の「スーパースポーツ」は、カラーチェンジを受けながら2021年式で最初のフルモデルチェンジを実施。エンジンはユーロ5に適合し、電子制御システムも強化された。そしてモデル名称が「スーパースポーツ 950」と改められてラインアップを継続している。また上級グレードとして豪華足回りの「S」タイプも並行ラインアップされている。

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解説記事更新日：2023年12月20日

2000年代半ばごろまで異なる排気量クラスでラインアップされていた「SS(スーパースポーツ)」のモデル名が2017年モデルで約10年ぶりに復活した。そこで登場したのが本モデル「スーパースポーツ」である。日本国内向けは同年6月に162.9万円(税込)で発売となった。スタイリングは、そのネーミングや過去のシリーズから察することができる通りフルカウルのスポーツマシン。ただ、「スーパー」というネーミングが付されているもののメインの利用シーンはサーキットではなくて普段使いを想定して設計されている。
車体は完全新設計のトレリスフレームが採用されて、937ccの水冷L型Vツイン「テスタストレッタ11°」を搭載。既存モデルの「ハイパーモタード 939」と同系のユニットで専用セッティングが施されている。本モデルの最高出力は、9,000回転110馬力というスペック。本国イタリアモデルは、9,250回転113馬力のハイパワー仕様となる。最大トルクは、日本向けが6,500回転93Nmで、本国は同回転数で96.7Nmに到達する。
走行モードは、「アーバン」、「ツーリング」、「スポーツ」の3タイプで、普段使いからサーキット走行までマルチに楽しめる本格的スポーツに仕上がっている。
足回りは、フロントが43mmのマルゾッキ倒立フォークで、リヤはザックス製の調整式モノショックを装備する。
装備面では手動式となるが2段階の調整式スクリーンを採用するなどツーリング時の快適性も確保している。
ライバルモデルとしては、ヤマハの「MT-09 トレーサー」と比較できるだろう。ハイスペックストリートファイターをベースにツーリング時の快適性能を備えたマルチパーパススポーツ。本モデルと同じ210kgの車体に搭載するエンジンは、845ccの並列3気筒ユニット。最高出力は10,000回転116馬力で、最大トルクは8,500回転87Nmというスペック。
パワーとトルクどちらを重視するのか、またメインの利用シーンや好みのスタイリングによってもマシンチョイスの判断が分かれるところだろう。
なお本モデルには豪華足回り仕様の「S」タイプも同時発売された。こちらは2カラー展開で、「レッド」が180.9万円(税込)、「スターホワイト・シルク」が183.9万円(税込)となっていた。

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解説記事更新日：2023年12月22日

ドゥカティと言えばシリンダーバンク角90度のL型ツインエンジンがアイディンティというイメージだが、2018年モデルでは従来のイメージを覆す新型エンジンを搭載するマシンがデビュー。それが「パニガーレ V4」シリーズだ。マシンネームから容易に想像できるだろうが、V型4気筒エンジンを搭載しているのだ。ドゥカティのスーパースポーツ史における新たなフラッグシップモデルが誕生したことになる。
なおL型ツインを搭載するマシンも従来通りラインアップされている。前年に普段使いできるフルカウルとしてデビューした本モデル「スーパースポーツ」は、引き続き937ccのL型ツイン「テスタストレッタ11°」を採用する。ライドバイワイヤ機構で電子的にスロットルを制御するパワーユニットは、9,000回転で110馬力(日本仕様)を発生する。最大トルクは、6,500回転93Nmというスペック。
2018年式で仕様変更は実施されていないので、主要諸元は前年通りとなる。
足回りは、フロントがマルゾッキの43mmフルアジャスタブル倒立フォークで、リヤはザックス製のモノショックという構造。安全面では、ABSとトラクションコントロールが標準装備となる。
走行モード選択機能には「ツーリング」モードが用意されていることや、フロントスクリーンが2段階手動調整式となっている辺りに街乗りだけでなくツーリングユースにも対応可能であることが表れている。さらにマシンの最大バンク角が48度まで対応できるのでコーナーを攻めるスポーツ走行も十分可能だ。
2018年式のカラーリングは、前年同様「レッド」の1カラー展開。価格も据え置きの162.9万円(税込)で販売された。

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解説記事更新日：2023年12月22日

スパルタンでレーシーな「パニガーレ」シリーズとは異なり、本格的なスタイルでありながらも日常ユースを想定して開発された「スーパースポーツ」は、2019年式で最初のカラーチェンジが行われた。
新たに登場したのは。「マットチタニウムグレー」だった。艶消しガンメタカラーにレッドのフレームとホイールを組合せるというコントラストの効いたカラーリングだ。価格は北米向けが、12,995ドルで展開された。ちなみに日本仕様は上級グレードの「スーパースポーツ S」で、同カラーが導入されていた。
メカニカル面に関しては従来通りの仕様でスペックも変わっていない。
937㏄の「テスタストレッタ11°」エンジンは、本国仕様が9,000回転113馬力で日本向けは110馬力仕様。最大トルクは本国が6,500回転96.7Nmで日本仕様が93Nm。環境瀬能はユーロ4に適合している。
アスファルトの路面であれば、シティユースからツーリング、ワインディングまで対応可能なフルカウルスポーツに仕上げられている。
ちなみにマルチパーパスの「ムルティストラーダ 950」も同系エンジンを搭載しているが、こちららは国内向けも113馬力・96.2Nmというスペックで導入されていた。
フロント19インチというサイズやスポークホイールも選択できる構成でラインアップされている。ツーリングからオフロードまで様々な走行シーンで信頼性の高いライディングを可能にするセッティングと装備が施されているので、利用シーンによっては「ムルティストラーダ 950」も比較候補になるだろう。

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解説記事更新日：2023年12月22日

2020年モデルの「ドゥカティ」ラインアップでは、レーサーマシン直系のディテールを採用する「パニガーレ V4」が仕様変更を受けて、さらにレーシーなスタイルと性能を高めてきた。一方、フルカウルをまとい本格的なスタイルを採用しつつも日常ユースでの扱い易さを求めて開発された本モデル「スーパースポーツ」は、目立ったアップデートを受けることなくラインアップ継続となった。ちなみに2020年モデルの日本国内向けは上級グレードの「S」タイプが導入されているが、海外マーケットではスタンダードグレードの本モデルも展開されている。
スマートなフォルムを創り上げるトレリスフレームに搭載するエンジンは、水冷L型ツインの「テスタストレッタ11°」ユニットとなる。排気量937ccの心臓部は、9,000回転110馬力、最大トルクが6,500回転93Nmというスペックになる。トルク特性は実にフラットでフレキシブルなのでビギナーライダーにも扱いやすいフレンドリーなマシン。
日本の免許制度では大型クラスにカテゴライズされるが、シート高は810mmで足つきも良く、安全面ではABSやトラクションコントロールも標準装備となっているので安心だ。
フロントサスペンションはマルゾッキ製の43mm倒立フォークを装備してリヤはアルミ製の片持ちスイングアームにザックス製モノショックという組みわせ。ブレーキはブレンボ製が採用されている。
同クラスのライバルモデルとしては、レトロなカフェレーサースタイルのホンダ「CB1000R」が比較候補になるだろう。本モデルより2kgだけ重い212kgの車体に搭載するエンジンは、998㏄の並列4気筒ユニット。最高出力は145馬力で、最大トルクが145Nmというハイスペックエンジンだ。シャープでスタイリッシュな本モデルとは対照的なデザインを採用するオンロードスポーツ。
なお2020年式の「スーパースポーツ」は、前年に設定された「チタニウムグレー」で続投。価格は北米向けが13,095USドルとなっていた。

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解説記事更新日：2023年12月23日

レースシーンで活躍する「パニガーレ」シリーズとはコンセプトが異なり、普段使いできるフルカウルとして2017年モデルでデビューした「スーパースポーツ」は、2021年式で初のフルモデルチェンジを実施。以下の内容で各部を刷新して第2世代へと進化を遂げた。

・モデル名変更
・ユーロ5適合
・カウルデザインリニューアル
・油圧クラッチ採用
・クイックシフト採用
・ウィリーコントロール採用
・カラー液晶メーター採用

まず、大きな変更ポイントとなるのはモデル名がアップデートされたことだろう。従来のネーミングの末尾にエンジン排気量をイメージさせる「950」が追加されて、「スーパースポーツ 950」へ改められた。これは同系エンジンを搭載する「ムルティストラーダ 950」とも通じるディテールだ。
そして937ccの「テスタストレッタ11°」エンジンは、欧州の排ガス規制ユーロ5に適合したことで、モデルライフの延長も図られている。スペックに関しては従来通りの仕様を維持できており、9,000回転110馬力、6,500回転93Nmとなる。今回のフルモデルチェンジでは、これまで上級グレードの「S」タイプに標準装備されていたクイックシフターが本モデルに装着されたことで利便性が大きく向上。クラッチは油圧式となった。
さらにマシンの電子制御プログラムもアップデートされウィリーコントロールを採用。メーターディスプレイは、4.3インチサイズのフルカラー液晶へアップグレードされて視認性も良くなった。
カウルデザインもリニューアルされてシャープさが増した新型「スーパースポーツ 950」だが、日本仕様は「ドゥカティレッド」の1カラーで受注生産。価格は170.5万円(税込)で発売された。

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解説記事更新日：2023年12月26日

フルモデルチェンジで洗練された最新のスポーティスタイルを与えられた「スーパースポーツ 950」だが、電子制御面では従来まで上級グレードの身に標準装備されていた、アップ&ダウンに対応するドゥカティオリジナルのクイックシフト(DQS)が採用された。
エンジンは最新の環境規制ユーロ5に適合するなど各部のアップデートで着実に進化を遂げている。
2022年モデルに関しては、特に目立った仕様変更を受けることなくラインアップが継続された。
マシンの心臓部として採用する937ccの「テスタストレッタ11°」は、9,000回転で110馬力を発生する。最大トルクは6,500回転93Nmというスペック。
安全装備面では、ボッシュのコーナリングABS、ドゥカティ・トラクションコントロール・EVO、ドゥカティ・ウィリーコントロール・EVOも標準装備で安心だ。
同系エンジンを搭載する「ハイパーモタード 950」が、2022年式でユーロ5に適合しつつ、本モデルや「モンスター」に採用されているテクニカルソリューションを与えられたことでミッションの操作性が向上した。エンジンスペックは114馬力・96Nmという仕様で「スーパースポーツ 950」よりハイスペック。アスファルト上でのパフォーマンスを重視する両マシンだが、より高いスペックやアクティブなラインディングを求めるのであれば「ハイパーモタード」も候補モデルになるだろう。
なお2022年式の「スーパースポーツ 950」は、引き続き「ドゥカティレッド」の1カラーのみで展開され、価格は北米向けが14,195USドルに設定された。

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解説記事更新日：2023年12月26日

シティユースからツーリング、さらにはサーキット走行も十分楽しめる本格的な性能を備えるフルカウル「スーパースポーツ 950」だが、2023年式の日本向けは前年モデル同様の仕様で継続。
エンジンは水冷90度V型ツインのテスタストレッタ11°ユニットとなる。937ccの心臓部は、9,000回転で110馬力を発生。最大トルクは、6,500回転93Nmというスペック。駆動系統はアップ&ダウンに対応するドゥカティ・クイックシフト(DQS)が標準装備。
マシン制御は6軸IMUにトラクションコントロール、コーナリングABS、ウィリーコントロールなどを組み合わせて走行シチュエーションに応じて優れた走行性能を発揮する。
実用装備面では、2段階調整式のフロントスクリーンやフルカラー液晶メーターディスプレイで快適なライディングを実現。
純正オプションアイテムとしてパニアケースも用意されているので、高速ツアラー要素も秘めたマルチなスポーツマシン。
ライバルモデルとしては、スズキが2021年モデルで発売した「GSX-S1000GT」と比較することができるだろう。本モデルより10kg重い226kgのマシンが搭載するエンジンは、998ccの並列4気筒ユニット。最高出力は11,000回転150馬力のハイパワー仕様。最大トルクは9,250回転で105Nmに到達する。クイックシフターやクルーズコントロールも標準装備の快適スポーツツアラーである。価格は159.5万円(税込)で本モデルより20万円以上もリーズナブル。ロングツーリングメインのライダーにとっては魅力的なマシンだろう。
なお2023年式の「スーパースポーツ 950」は、受注生産での展開。カラーリングは「ドゥカティレッド」の1タイプで、価格は181.6万円(税込)となる。

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解説記事更新日：2023年12月26日

「ドゥカティ」流のピュアスポーツマシンと言える「スーパースポーツ 950」は、「パニガーレ」シリーズほど気負いすることなく、ビギナーライダーにも扱いやすいロングセラーマシンだ。2024年モデルも無印グレードと「S」タイプの2グレード構成でラインアップを継続する。ベースグレードとなる本マシンは目立った仕様変更を受けることなく従来通りのスペックとスタイルで続投。日本向け2024年式のカラーラインアップと価格は以下の通り。

・受注生産「ドゥカティ・レッド」　185.3万円(税込)

メーカーイメージカラーの「レッド」やグラフィックデザインも変更されていない。価格に関しては、前年比で3.7万円の値上がりとなった。また、本モデルは引き続き受注生産扱いとなる。
マシンの車体設計はスチール製のトレリスフレームにL型ツインをマウントするという構造。937ccの水冷ユニット「テスタストレッタ11°」は、9,000回転で110馬力を発生する。最大トルクは、6,500回転93Nmというスペック。
アップ&ダウン対応の双方向クイックシフターやコーナリングABS、トラクションコントロール、ウィリーコントロールといった電子制御システムは標準装備。
グリップヒーターやDMS(ドゥカティ・マルチメディア・システム)もオプションで装着することが可能。
近年、アルミ製フロントフレームにV型エンジンというマシン設計が採用されつつあるドゥカティのスポーツモデル群にあって、「スーパースポーツ950」は、ドゥカティの伝統スタイルを純粋に楽しめるマシンだ。

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解説記事更新日：2024年03月23日