異なる排気量でシリーズ展開するホンダのオフロードマシン「CRF」系の中でもコンパクトサイズながら本格的なスペックを誇るマシンが「CRF150R」である。クローズドコース専用マシンとなる本モデルは2006年10月にデビューした。
デビュー当時は併売もされていたが実質的には2ストエンジンを搭載したモトクロッサー「CR85R」の後継マシンというポジションにあたる。
車体は専用設計となるセミダブルクレードル型フレームを採用し、パワートレインにはSOHC4バルブの水冷4ストローク単気筒エンジンをマウント。ユニカムバルブトレイン機構を採用したユニットで、デビュー時の最高出力は12,500回転で24.5馬力を発揮する高回転仕様だった。当時はキャブレター仕様でスロットルポジションセンサー付きの32mm径FCRキャブを採用しておりクイックなスロットルレスポンスを誇っていた。トランスミッションは5速リターン式でスタートはキックペダルのみで登場。
足回りは、フロントに275mmのストローク量を確保した倒立フォークを装備し17インチホイールと220mm径のシングルディスクブレーキを組合せる。リアはアスクルトラベル272mmのプロリンク式サスペンションに14インチホイールと190mm径のディスクブレーキ仕様。
競技専用モデルということもあり細部の軽量化にも拘った設計だ。フロント・リアのホイールハブは新設計のアルミダイキャスト製とすることで高強度を確保しつつ車体のバネ下の軽量化にも寄与している。シート高は832mmだが、本モデルは主に子供ライダーを対象にしている。もちろん小柄な女性ライダーが操るマシンとしても使いやすいだろう。
さらに大人向けにフロント19インチ・リア16インチホイールを装着しサスペンションにも仕様変更を加えた「CRF150RⅡ」も同時に展開された。こちらのシート高は866mmだった。
デビュー後の「CRF150R」は、カラーチェンジと仕様変更を実施しながら減益レーサーマシンとして活躍している。
なお、本モデルはオフロード専用モデルのためナンバー取得や公道走行はできない。

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解説記事更新日：2022年04月26日

2007年登場モデルの特徴は以下の通り。
・専用設計のセミダブルクレードルフレームに、新開発の水冷4ストローク単気筒エンジンを搭載
・1本のカムシャフトで全てのバルブを駆動させる「ユニカムバルブトレイン機構」を採用 (「CRF450R」や「CRF250R」にも採用されている)
・足回りには前後ディスクブレーキ、フロントサスペンションに倒立式、リアサスペンションにプロリンク式のサスペンションを採用し、細やかな減衰力調整を可能とした本格的なモトクロスマシン
・カラーは「レッド」1色のラインナップ
・価格は49.0万円で発売
・2006年10月より、フロントホイール19インチ、リアホイール16インチの「CRF150RII」を追加し「CRF150R」との2タイプ設定になっている

解説記事更新日：2021年10月04日

2008年モデルの変更点は以下の通り。
・グラフィック変更を行う
・ラジエーターシュラウドにシルバーのストライプを採用
・従来モデルよりもさらにシャープなイメージを表現している
・価格は47.9万円

解説記事更新日：2021年10月04日

2009年モデルの変更点は以下の通り。
・マイナーチェンジを行う
・MFJ(日本モーターサイクルスポーツ協会)のレギュレーション変更に伴い、マフラー内部の仕様変更とマフラーエンドの絞り径を変更し、排気騒音の低減を実現
・リアサスペンションのスプリングカラーを、イエローからシルバーに変更
・従来モデルでは上面表皮が黒だったシートカラーを、上面表皮まで赤に変更
・また、2009年モデルでは「CRF450R」や「CRF250R」と共通のシュラウドデザインとしている
・カラーは引き続き「レッド」1色のラインナップ
・価格は47.9万円

解説記事更新日：2021年10月04日

2012年モデルの変更点は以下の通り。
・マイナーチェンジを行う (2012年モデルより、受注期間限定生産となっている)
・エンジンにおいては、シリンダーヘッド及びピストン形状、カムシャフトプロフィールを変更することで扱いやすい出力特性と伸びのあるパワーフィーリングを実現
・また、キャブレターの改良によりスロットルレスポンスを向上させている
・サスペンションにおいては各ブッシュの材質と形状を見直し、前後サスペンションのセッティングを変更することで路面追従性や操縦性を向上させている
・2012年モデルも「CRF450R」や「CRF250R」と共通のシュラウドデザインとしている
・価格は変更なく47.9万円

解説記事更新日：2021年10月04日

2014年モデルの変更点は以下の通り。
・継続モデルを受注期間限定で発売
・外観、性能、装備等に変更なし
・価格は47.9万円

解説記事更新日：2021年10月04日

2018年モデルの変更点は以下の通り。
・グラフィック変更を行う
・シュラウドデザインを「CRF450R」や「CRF450RX」といったCRFシリーズ上位モデルと共通のものに変更
・また、スイングアームの剛性を見直し安定性を向上させている
・価格は49.3万円
・2018年モデルも受注期間限定生産となっている

解説記事更新日：2021年10月04日

ホンダとしてはクラス唯一となる150cc 4ストロークエンジンを搭載したモトクロッサー「CRF150R」は、4年ぶりにカラーチェンジを実施した。
カラーリングは「エクストリームレッド」を引き続き採用し、上位モデルのモトクロッサー「CRF450R」と共通のカラーリングをイメージして外装パーツをレッドに統一した。
従来の2018年モデルでは、サイドガードやフロントゼッケンなどホワイトの部分もあったが、今回のカラーチェンジでは全てレッドに染められれている。またグラフィックも従来のホワイトに変わってブルーを差し色に採用することでイメージチェンジが図られた。
メカニカル機構に変更は加えられておらず、ボア・ストローク66.0mm×43.7mmのショートストローク型OHC4バルブ水冷単気筒エンジンを搭載。キャブレターは32mm径のFCR15Cを装備する。
ホイールサイズはフロント17インチにリア14インチを組みわせ、シート高は832mmと足つき性も良好だ。ちなみにフロント19インチ、リア16インチでシート高が866mmの兄弟モデル「CRF150R Ⅱ」も引き続きラインアップされている。
また、弟分モデルとなる「CRF125F」、「CRF110F」、「CRF50F」も同じタイミングで同様のカラーチェンジを実施した。
「CRF150R」の2022年モデルは受注生産で、価格は45.7万円(税抜)に設定された。
なお、本モデルはオフロード専用マシンのためナンバーを取得して公道走行することはできない。

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解説記事更新日：2022年01月30日

フラッグシップモトクロッサー「CRF450R」と共通デザインのカラーリングを採用してイメージチェンジが行われていた「CRF150R/Ⅱ」だが、2023年式は目立った仕様変更を受けることなく従来通りの仕様でラインアップ継続となった。設定されたカラーリングと価格は以下の通り。

・継続「エクストリームレッド」　5,299USドル

適度なしなやかさを持たせた専用設計のセミダブルクレードル型フレームに搭載されるエンジンは、125ccの水冷OHCヘッド単気筒エンジンをマウントする。点火系統には8ビットCPUが採用されていてエンジン回転数に応じた点火タイミングが的確にコントロールされる。キャブレターは専用設計のFCRで鋭いレスポンスを実現。手元のスロットル操作に対してリニアに反応するパワーユニットでクローズドコースのタイムを競う競技マシンだ。
足回りは、フロントが伸び&圧側の減衰力調整可能な倒立フォークを装備して、リヤは路面追従性に優れたプロリンク式サスペンションをセットする。
ブレーキはフロントが220径3.0mm厚ディスクで、リヤが190mm径3.5mm厚のディスクという組み合わせ。
ホイールサイズは、標準仕様のフロント17インチ・リヤ14インチの他に、19インチ・16インチ高性能「ビッグホイール」タイプとなる「CRF150RⅡ」も並行ラインアップされていた。ライダーの体格やコース内容に応じて適したマシンを選択できる構成となっていた。

なお本モデルは競技専用モデルのため、日本国内でナンバーを取得して公道走行することはできない。

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解説記事更新日：2024年04月19日

水冷エンジン「CRF」のエントリークラスに当たる本モデル「CRF150R/Ⅱ」は、モトクロスレースのビギナーからベテランまで幅広い層のライダーから支持を集めている。
2022年モデルでカラーチェンジを受けて以降は、目立った仕様変更を受けることなく海外マーケットで継続展開されている。2024年式も従来通りのスペックとカラーデザインで続投となった。北米向けに設定されたカラーリングと価格は以下の通り。

・「エクストリームレッド」　5,399USドル

メカニカルもデザイン面もアップデートは無いが、価格に関しては前年比で100ドルアップとなっていた。
エンジンは、キックスタート仕様の150cc水冷OHC4バルブ単気筒ユニットを搭載。トランスミッションは湿式クラッチと5速ギヤボックスを組合せる。
足回りは、フロントにインナーチューブがスリムタイプ37mm径のショーワ製フルアジャスタブル倒立フォークを装備。標準モデルは17インチホイールと220mmディスクブレーキという組み合わせ。リヤはプロリンク式スイングアームとショーワ製モノショックで14インチホイールをセット。ブレーキは190mmディスク仕様。
足元の構成は、「ビッグホイール」タイプも用意されていて、こちらはフロント19インチ・リヤ16インチを装着する。フロントサスペンションはベーシックタイプと共通だが、リヤサスペンションはトラベル量が10.7インチから11.1インチに延長されている。

なお本モデルはオフロード専用マシンのため、ナンバーを取得して公道走行することはできない。

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解説記事更新日：2024年03月24日