好評を博したZ250FT（1979年発売）の後継車種にあたるバイクです。Z250FTと同じく空冷4ストローク2気筒エンジンを搭載していながらもエンジンパワーは6PS上昇させた33PSまで高められていました。さらに、冷却フィンの装備による冷却機能の強化、前輪ブレーキがダブルディスクへの変更によるブレーキ性能の向上が図られています。外観では、ヘッドライトを囲むビキニカウルが追加され、よりスタイリッシュになりました。
GPZ250は単にZ250FTの性能を強化した車両ではなく、ベルトドライブ導入という革新的な試みがなされたバイクでした。ベルトドライブはチェーンドライブに比べて衝撃吸収性、メンテナンス性、静粛性に優れるという特徴があり、GPZ250の走り味を快適なものにしています。
また、燃焼効率の良い4ストロークエンジン車であったため、実燃費で40km/Lという燃費性能の良さを誇ったバイクでもありました。発売当時は250ccバイクに車検制度が設けられていなかったため、良好な燃費性能と合わせて経済的なバイクとしての評判を獲得してもいます。
1985年には後継車種のGPZ250Rが発売され、GPZ250は生産中止になります。GPZ250Rはエンジンの冷却方式が水冷に改められ、動力伝達方式もベルトドライブからチェーンドライブに変更されました。以降、カワサキ車でベルトドライブを採用したバイクは販売されず、GPZ250が最後のベルトドライブ車となりました。
このように独創性にあふれていたため、GPZ250は時代の異端児と呼ばれることもあります。しかし、バイクとしての性能を見れば、扱いやすく高い走行性能を持つ万人向けの傑作バイクでした。そのため、当時のライダーを中心に、今でもGPZ250を懐かしむ声は多く存在します。
もしお持ちのGPZ250がご不要なら、ぜひともバイクパッションにお任せください。現存するGPZ250は動力伝達ベルトを中心に消耗品の調達が困難な場合が多く、走行不能な場合もあると思います。それでも名車であったGPZ250を欲しがるユーザーは多いため、まずはご相談ください。GPZ250に恋焦がれる次のオーナーに渡すべく、誠意を持って買取査定にあたらせていただきます。

解説記事更新日：2020年12月05日

1983年に発売されたGPz250 BeltDriveの初期モデル。
Z250FTの後継モデルにあたり、エンジンには先代譲りの空冷4ストローク並列2気筒SOHCを搭載し最高出力は33PSを発揮。ボア、ストローク径はそのままを継承しながら燃焼効率の向上化を図り、吸排気効率の向上に加えてバルブの挟み角を変更。シリンダ−ヘッド、ピストンヘッドなどの形状変更、冷却フィンの拡大を受けている。
また、足廻りも一新されフロントにはダブルディスクブレーキ、リアにはボトムリンク式ユニトラックサスペンションを採用するとともに、ペットネームにもなっているベルトドライブを採用。ベルトドライブはハーレーダビッドソンやBMWに採用されていた駆動系で、軽量であることやチェーンと比べて耐久性が高く、メンテナンス性も高かった。
カラーバリエーションにはファイアークラッカーレッド、ポーラーホワイト、エボニーの3色を設定。
新車販売価格は37万円だった。
兄弟車として、大排気量モデルのGPz305、またシングルディスクブレーキにノンカウルのネイキッドモデルであるZ250T Scorpion (共に輸出仕様)が発売されている。
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解説記事更新日：2021年08月31日

カラーチェンジを受けて発売された1984年モデルのGPz250。
カラーバリエーションはレッドとホワイトの2色を設定し、グラフィックのイメージをGPzシリーズの大排気量モデルであるGPz400、及び700などと共有した。
新車販売価格は37.5万円だった。
当時250ccの覇権を争った4ストローク並列2気筒のライバル車はホンダからVT250F、ヤマハからXS250スペシャル、スズキからGSX250E カタナがそれぞれ投入されている。GPz250を含んだ4台の中で最高出力では唯一水冷エンジンを積んでいたVT250Fが35PSでトップだったもののGPz250は33PSで次点に。それに加えて乾燥重量ではGPz250が146kgで4台の中では最軽量だったことから加速性は当時クラストップレベルであったことが窺える。
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解説記事更新日：2021年08月31日

カラーチェンジを受けて発売された1985年モデルのGPz250。
かカラーバリエーションにはパールアルペンホワイトとエボニーの2色を設定。新たにシート側面にも車名ロゴが配された。
新車販売価格は37.8万円だった。
ベルトドライブで注目されたGPz250だったが、もう1つ注目された理由があった。それが1985年に放送されたドラマ『スケバン刑事』だった。軽量ボディによる取り回し性の高さに加えて斉藤由貴演じる麻宮サキに駆られたGPz250は当時”漢感”の強かったカワサキを敬遠する女性ユーザーを引き込むのに十分魅力的だったのだ。
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解説記事更新日：2021年08月31日

1987年式のGpz250は、カラーリングの変更を受け、《黒ベースに白と赤のストライプ》となっています。スタイリングは当時のカワサキ車全般に共通する「うねり」のあるもので、上位機種の【GPZ1100】や【GPZ750F】と同様のモチーフで貫かれています。
最大の特徴はベルトドライブで、メリットはメンテナンスフリーや静粛性です。デメリットもあり、スプロケ歯数が容易に変更できない、耐久性はチェーンより劣ること等です。
兄貴分と共通のスタイリング、静かで扱いやすい、スリム、ビキニカウル、スパルタンな雰囲気など、売れる要素はそろっていたかに見えましたが、メーカーの予想ほどには売れませんでした。
趣味性の高いバイクという乗り物は、他のバイクには決してない、尖っている、スタイリングが抜群にいい、エンジンフィーリングが最高など、とにかく「この1台でしか得られない」という点がユーザーに受け入れられるのです。その点、GPZ250は優等生すぎたのかもしれません。
ライバルのホンダ【CBR250R】はカムギアトレーン、ヤマハ【FZR250】はバリバリのレプリカ、スズキ【GSX-R250】もレプリカということから比較すると、GPZは尖った訴求力が足りなかったのかもしれません。
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解説記事更新日：2021年09月23日