アメリカンスタイルのクルーザーが国内バイクシーンで注目を集めていた1980年代後半以降、カワサキは異なる排気量クラスでオリジナルクルーザー「エリミネーター」シリーズを展開した。400㏄クラスにおいては1986年にスタンダード仕様の「エリミネーター400」が登場し、その2年後のモデルチェンジでドラッグレーサースタイルの本モデル「エリミネーター400 SE」が発売された。
第1世代となったZL400A型「エリミネーター400 SE」は、ダブルクレードル型フレームに398ccの水冷4ストローク直列4気筒エンジンを搭載してデビュー。最高出力は12,000回転54馬力というスペック。最大トルクは10,500回転3.4kgf-mとなっていた。アメリカンクルーザースタイルとは言え、採用されたエンジンはロードスポーツモデル「GPZ400R」のユニットを流用したものだった。トランスミッションは6速リターン式を搭載。
足元は、フロントにテレスコピックフォークをセットして18インチキャストホイールとダブルディスクブレーキという構造。リヤはスイングアームにリザーブタンク付きツインショックに15インチホイールとドラムブレーキという組み合わせだった。スポーティな足回りに段付きシートといったスタイルで、いわゆる和製アメリカンの「ジャメリカン」バイクだった。デビュー以降は、カラーチェンジを実施しながら1990年代初頭で生産終了になるという短いモデルライフとなった。
そして、その初代「エリミネーター 400 SE」が姿を消してから20年以上の歳月が経過したタイミングで、再びモデル名が復活。
それが、2023年3月の大阪モーターサイクルショーでお披露目された、「エリミネーター/SE」だ。スタンダードグレードと豪華グレードの本モデル「SE」という2グレード構成で展開。
ブラックのトレリスフレームに搭載する心臓部は。「Ninja400」譲りのDOHC4バルブ水冷パラレルツインユニット。ボア・ストロークが70.0mm×51.8mmのショートストロークエンジンで、排気量は398cc。最高出力は10,000回転48馬力、最大トルクが8,000回転3.8kgf-mというスペック。通常タイプと「SE」タイプの違いは以下の通り。

・フロントスクリーン装着
・フロントフォークブーツ装着
・USB-C電源ソケット採用
・ツートーンデザイン専用シート
・前後ドライブレコーダー標準装備

ドライブレコーダーを装備して発売されるカワサキのマシンは、本モデルが初となる。さらにETC2.0車載器も標準装備となっているが、こちらも400㏄クラスのカワサキマシンとしては初採用の装備。
ライバルマシンとしては、ホンダの「レブル500」が比較対象になるだろう。191kgの車体に搭載する471㏄のDOHC4バルブ水冷2気筒エンジンは、最高出力が8,500回転46馬力、最大トルクは6,500回転43Nmというスペック。馬力は本モデルが格上だが最大トルクは「レブル500」が有利。シート高は、「エリミネーター400SE」のローシート仕様が715mmだが、「レブル500」はノーマルで690mmと低い。スペックやサイズ、装備の違いでライダーの選択は分かれることだろう。
なお新たなデビューモデルとなった2023年式「エリミネーター SE」は、ベースグレードより10.1万円高の85.8万円(税込)で同年4月に発売された。

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解説記事更新日：2023年04月23日

1988年、エリミネーター400はモデルチェンジを受け、【エリミネーター400SE】が発売されました。シリーズのうちで最もよく売れたので、今でもエリミネーター400と聞くと、このSEを思い浮かべる方が多いでしょう。他に豪華仕様の【LX】があります。
水冷4ストロークDOHC並列4気筒エンジンは12,000回転で54馬力を発揮。アメリカンバイクとしてはかなり高回転型であり、当時の400cc馬力自主規制（59馬力）に近い最大出力を誇るドラッガー。
タンクにはゴールドのストライプと「ELIMINATOR」文字をあしらい、かなりワイルドな雰囲気となっています。ツーリングにも使えるドラッグマシンといったいでたちです。
80年頃、ヤマハのアメリカンタイプに全体を黒とゴールドで統一した【ミッドナイトスペシャル】シリーズがありましたが、一見よく似ています。
欠点はあるがそれらを全て打ち消してしまうスタイリング
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解説記事更新日：2021年10月24日

1989年のエリミネーター400SEはカラーリングが《エボニー》になった以外、変更ありません。
カスタムの定番は、ドラッグレーサー風をさらに高めるべく、ビキニカウル変更、アンダーカウル装着。マフラー変更などが行われることが多かったようです。中でも「KERKER」マフラーは迫力ある音で人気がありました。400ccバイク全盛の時代、長いホイールベースもあってエリミネーターSEは大型に見える車格もあって人気を集めました。
注意点は、タンク容量が少ないために航続距離が短いことです。ガソリン携行缶を持つか、早めの給油が必要です。またリアフェンダーが無いに等しく、ナンバープレートがフェンダーを兼ねているため、雨天時の泥はねが凄いです。
それでもやはり、オーナーのほとんどが「格好いい」と言うように、中型クラス唯一のドラッグマシンは他のバイクでは得られない満足感が得られました。
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解説記事更新日：2021年08月15日

1990年モデルのエリミネーター400SEに変更点はありません。カラーリングの《エボニー》も継続です。
エンジンは400ccクラスで絶大な人気を誇った【GPZ400R】のもので、4気筒16バルブエンジンは鋭い吹け上がりに定評があります。できれば1～3速ギアをローギアードにして強い加速力が欲しかったところですが、それらは変更されていません。
400ccクラスのドラッグマシン風市販車は他に例がなく、そのため今でもエリミネーターは人気があります。タンクは12リットルと小さいですが、150mmと太いリアタイヤ、低いシートによって、斜め後ろから中央が凹んだV型のフォルムはセクシーですらあります。
コーナーリングは苦手でも、やはり趣味性の高いバイクの魅力は、スタイリングが重要なのだと思わされます。
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解説記事更新日：2021年08月15日

エリミネーター400SEは1988年にマイナーチェンジを受けたモデルで、から90年にかけて製造販売されました。変更点は次のとおりです。
・前後ホイールをワイヤースポークから3本スポークのキャストへ変更
・前後フェンダー、ラジエターガード、タンデムグリップまで全てブラックで統一
・ビキニカウル装着
・フロントのディスクブレーキをシングルからダブルに変更
・リザーバータンク付きリアサスペンションを装着
・フェンダー、ホイールから、タンク、エンジン等、車体のほとんどをブラック塗装
・タンクにはゴールドのストライプ
SEは最もよく売れたエリミネーター400であり、多くの方が思い浮かべるエリミネーター400のイメージはこの車種ではないでしょうか。ロー＆ロングの真っ黒い車体は、ワイルドな雰囲気に満ちています。現オーナーのインプレも
「欠点はあるがそれらを全て打ち消してしまうほど格好良い、ワイルド」
というものが多いです。
エンジンは【GPZ400R】のものですから、信頼性、性能ともに高いです。
他にライバルのいないエリミネーター400SE。売却をお考えでしたら、買取査定はその価値に精通しているパッションに！

解説記事更新日：2021年08月16日

20年以上ぶりに突如モデル名が復活して衝撃的なデビューとなったEL400A型「エリミネーター SE」は、2023年4月に発売された。
ロー&ロングのアメリカンスタイルを演出する車体は、トレリスフレームを採用。そこに「Ninja400」譲りのDOHC4バルブ水冷並列2気筒エンジンを搭載。最高出力は10,000回転48馬力、最大トルクは8,000回転37Nmという高回転型スポーティな特性に仕上げられている。
足回りは、フロントが41mmの正立フォークで、リヤはスイングアームにツインショックを組合せる。ホイールサイズは、フロント18インチ、リヤ16インチのキャストタイプを採用。
時を同じくしてスタンダードグレードの「エリミネーター」も発売されたが、本モデルは上級グレードという位置づけで、前後のドライブレコーダーやUSB-C電源ソケットといった利便性装備が充実している。さらにスタイリング面では、フォークブーツの採用や初代「エリミネーター 400 SE」にも装着されていたヘッドライトカウルが標準装備とされた。なおカワサキの400ccクラス初採用となったETC車載器は通常グレードにも標準で採用となっている。
国内の中型免許で乗れるクルーザーというカテゴリでライバルモデルと比較するならば、大ヒット機種となっているホンダの「レブル250 S」が直接競合モデルとなるだろう。シート高が本モデルより45mmも低い690mmで、小柄なライダーや女性からも熱い支持を得ているマシンだ。エンジンは250㏄のDOHC4バルブ水冷単気筒ユニット。最高出力は9,500回転26馬力で、最大トルクは7,750回転22Nmというスペック。車検不要で維持費もリーズナブルのため、スペックよりもカスタムテイストを感じさせるアメリカンなスタイルを楽しみたいというライダーであれば「レブル250 S」でも十分なのかもしれない。
なお、新たなデビューを飾ったEL400A型「エリミネーター SE」は、スタンダードグレードより9.9万円高となる85.8万円(税込)で2024年式が展開されて、ラインアップを継続している。

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解説記事更新日：2023年05月28日