2006年、カワサキは最速マシンZX-12RとハイスピードツアラーZZR1200それぞれの性格を統合し、最高速からツーリングまでこなす世界最速最強のメガスポーツとしてZZR1400を発売しました。
モデルとしては2006年～2011年の初期型、2011年～2020年の後期型に分かれます。どちらも6灯式ヘッドライト、2本出しマフラーを装着しています。
初期型は180馬力を発生し、2008年にマイナーチェンジを受けて190馬力、ユーロ３排出ガス規制をクリアしました。

そして2012年にフルモデルチェンジを受けて排気量を1,441ccまで拡大、出力は200馬力へアップ、ラムエア加圧システムを併用すれば200馬力超という強大なパワーを発揮しました。
2014年と2015年にはオーリンズリアサスを装着した「OHLINS Edition」、2016年以降はさらにブレンボブレーキを装着した「ハイグレード」モデルが発売されるようになっています。
いずれのモデルも、大排気量NAエンジンならではの厚みのあるトルクと強大なパワーは共通しています。ZZR1400はたとえ中古車になったとしても、カワサキのフラッグシップたるパワーフィーリングはずっと引き継がれていくでしょう。
ZZR1400はカスタムパーツも多く、元々アグレッシブなスタイリングのためカスタムがよく似合います。ペイントでカウルと顔の迫力をさらに増したり、社外マフラー、ブレンボブレーキ、オーリンズサスなどを装着したりが定番でカスタム車は査定額が伸びる傾向に。
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解説記事更新日：2021年10月08日

世界最速を追い求めてきたカワサキは、一度1990年にZZR1100で目的を達成しました。
その後カワサキのフラッグシップは、最速マシンとしてZX-12R、ハイスピードツアラーとしてのZZR1200と分化しましたが、再度これらを統合させ、最高速からツーリングまでこなすメガスポーツとして開発したのが2006年に登場したZZR1400です。
外観で最も目を引くのは、ラムエア開口部左右に分かれた、プロジェクターヘッドランプを使用した6灯ヘッドライトです。
またカウルのサイドフィンや、左右2本出しのマフラーなど、マフラーと同角度で跳ね上がったリアカウルなど、堂々とした体躯には迫力がみなぎっています。
カラーリングは、《パールメテオグレー》、《キャンディオーシャンブルー》です。
エンジン出力は180馬力という高い数値ですが、低速域から扱いやすい特性で、まさに街乗りから峠道、高速クルーズまでを高いレベルでこなすメガスポーツマシンです。

解説記事更新日：2021年10月08日

2007年型のZZR1400は、カラーリングが変更されています。《メタリックディアブロブラック》が追加、《メタリックオーシャンブルー》は継続です。
外観で最も目を引くのは、ラムエア開口部左右に分かれた、プロジェクターヘッドランプを使用した6灯ヘッドライトです。
またカウルのサイドフィンや、左右2本出しのマフラーなど、マフラーと同角度で跳ね上がったリアカウルなど、堂々とした体躯には迫力がみなぎっています。
ライバルと言える車種はスズキのGSX1300Rハヤブサですが、最高速競争が2001年の欧州最高速規制で既にピリオドを打たれたこともあり、両車ともに低速から高速域までの扱いやすさと安定性を高次元で達成しています。
ZZR1400のエンジン出力は180馬力という高い数値ですが、低速域から扱いやすい特性で、まさに街乗りから峠道、高速クルーズまでを高いレベルでこなすメガスポーツマシンです。
またABSモデルも設定されています。

解説記事更新日：2021年10月08日

2008年型のZZR1400は、マイナーチェンジを受けています。
・ユーロ３排出ガス規制をクリア
・そのため吸排気系やピストン形状を変更
・出力を190馬力に向上
・メインフレームの鋳造パーツの製法を変更し薄肉・軽量化
カラーリングは、《メタリックミッドナイトサファイアブルー》、《キャンディカーディナルレッド》です。
6灯ヘッドライトなど、外観の変更はありません。またABSモデルも設定されています。
このマイナーチェンジによって、メガスポーツとしての戦闘力はさらに向上したと言えます。
最高出力は9,000回転で190馬力。乾燥重量224kgでパワーウェイトレシオは1.18kg/psとなっています。
ただし2007年にスズキのハヤブサはフルモデルチェンジを受けて197馬力となっています。両車がライバルであることは変わりません。

解説記事更新日：2021年10月08日

2009年型のZZR1400は、カラーリングが変更されました。新色は《キャンディライムグリーン》、《メタリックディアブロブラック》です。
6灯ヘッドライトなど、外観の変更はありません。またABSモデルも設定されています。
前年のマイナーチェンジで190馬力になりましたが、数値だけ見ると尻込みしたくなります。しかし実際に乗ってみると1400ccの低速トルクは低回転域から扱いやすい特性を示します。そして回せば回すだけパワーが怒濤のようにわき上がってくるエンジンです。

解説記事更新日：2021年10月08日

2010年型のZZR1400は、カラーリングが変更されました。新色は《メタリックムーン出すとグレー/メタリックスパークブラック》、《メタリックスパークブラック/フラットスーパーブラック》です。またホイール色は前者がシルバー、後者がゴールドとなっています。
6灯ヘッドライトなど、外観の変更はありません。またABSモデルも設定されています。

解説記事更新日：2021年10月08日

2011年末、ZZR1400はフルモデルチェンジを受け、エンジンを含めてほんとどがリファインされました。ZZR1400の「後期型」とも呼ばれます。水冷DOHC並列4気筒というエンジンレイアウトは同じですが、1,352ccだった排気量を1,441ccまで拡大。車名はどちらも【ZZR1400】で同じです。
カラーリングは、《エメラルドブレイズドグリーン》で、13年式は《メタリックミッドナイトサファイアブルー》、《メタリックスパークブラック×ゴールデンブレイズドグリーン》です。
フルモデルチェンジですが、イメージはよく似ています。強いて変更点を言えば
・ラムエア加圧で最大出力を203馬力から210馬力に向上
・エンジン出力は2つのパワーモードを搭載
・独立6灯だったヘッドライトを左右の3連ライト×2に変更
・カウルのエアアウトレットフィンデザイン変更（大きく深くなった）
・フレームの剛性アップ
・スイングアームを変更し10mm延長
・バックトルクリミッターを採用
・トラクションコントロールを採用
・ABS標準装備
・マフラーを大型大径タイプに変更
・メーターパネルを白から黒に変更
全体を見てみると、前モデルのZZR1400のイメージをよく踏襲しつつ、そこに洗練さと獰猛さが加わった感じです。実に優れたデザインで、メガスポーツをを代表するバイクであり、カワサキのフラッグシップでもあり、日本を代表するバイクの1台でもあります。
なかでも目を惹くのは、五角形断面のツインマフラーでしょう。排ガス規制ユーロ3をクリアしつつ210馬力を達成するために必要だったデバイスです。
1990年から続くZZR＝世界最速の称号。後期型になってもそれは確実に引き継がれています。
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解説記事更新日：2021年10月08日

2014年のZZR1400はカラーバリエーションが増えています。ライムグリーン系は配色の異なる2パターン、オレンジ系は1パターン、ブラック系はカウルのエアダクトがレッドとなったパターン（写真）とブラック一色の2パターンです。

ブラック以外でも4本のエアダクトフィンが強調されているカラーリングがラインナップされており、低く構えたスタイリングに獰猛な印象を加えています。
ZZR1400のオフィシャル動画では、4つのキーワードが示されています。
“STRENGTH POWER TECHNOLOGY SAFETY”
単にパワフルなだけではなく、安全な走りのためのテクノロジーも搭載されているということで、具体的にはABSやトラクションコントロール、バックトルクリミッターなどです。
単純にハイパワーを求めたのは1990年代までであって、21世紀の現代ではハイパワーをいかに安全に引き出すかが求められていると言えます。ZZR1400は、ハイパワーと安全性を両立したモデルでもあります。
なお2016年モデルでは、ブレンボ製キャリパー、オーリンズ製リアサスを採用した「ハイグレード」モデルも設定されています。
どちらのモデルも、「前期型」と呼ばれるZZR1400のレガシーを正統に引き継ぎながら、更なる進化を遂げた、カワサキ渾身のフラッグシップモデルだと言えます。

解説記事更新日：2021年10月08日

2017年式以降のZZR1400では、ブレンボのフロントブレーキやオーリンズ製リアサスペンションを採用した【ハイグレードモデル：ZX1400J】が設定されています。
具体的にはこうです。
ブレンボ：ラジアルポンプマスターシリンダー・アルミモノブロックキャリパー・Φ310mmブレーキディスク
オーリンズ：リヤショック（専用設計のTTX39）
その他：ステンレスメッシュのブレーキ＆クラッチホース、アルミ削り出しのステアリングステムナット・フォークキャップ

バイクもこのクラスになると高級乗用車と同じで、所有する喜び、上質な質感なども求められます。ハイグレードモデルの装備は、こうしたニーズに的確に応えたものと言えます。
こうして、ハイパワー＆ハイテク＆高品質の全てを装備したZZR1400ですが、2015年にカワサキから次世代のフラッグシップ【H2R】が発売されています。こうしてZZR1400は2017年モデルが最終型となりました（輸出先仕様でカラーリングの変更はされています）。それでもZZR1400の自然吸気エンジンとスタイリングを好むファンは多く、根強い人気を誇っています。自然吸気の自然なフィーリングで、太いトルクの低速域から、どれほどスピードが出てもアクセルを開ければそこからフル加速していく超高性能は、カワサキが到達した一つの究極の姿です。

解説記事更新日：2021年10月08日