1980年代末から販売されていた400ccネイキッド「バンディット400」に可変バルブタイミング機構を搭載したバリエーションモデルが登場。それが、1991年2月に発売されたGK75A型「バンディット400V」である。
基本コンポーネントは従来モデルをベースにしているので大部分を共用している。
車体は鋼管丸パイプ剥き出しデザインのダイヤモンド型フレームにDOHC4バルブの水冷4ストローク直列4気筒エンジンを搭載。ボア・ストロークが56.0mm×40.4mmのショートストロークユニットで、最高出力は12,000回転59馬力というスペックでデビュー。最大トルクは10,500回転で3.9kgfmを発揮する。この出力特性はスタンダードグレードと同じだった。
エンジン本体のデザイン上の違いとしてヘッドカバーがレッドに塗装されているので一目で「V」モデルと見分けることが可能。低速用のローカムと高速側のハイカムは吸排気両側で行う仕組みを採用した。トランスミッションは6速リターン式となる。
足回りは、フロントにテレスコピック式正立フォークを装備して17インチホイールとダブルディスクブレーキを組合せる。リアはボディ同色仕様のスチール製スイングアームにモノショックをセットして、17インチホイールとシングルディスクブレーキという仕様。
ライバルモデルとしては、水冷直列4気筒エンジンを搭載したホンダの「CB400スーパーフォア」と比較できるだろう。本モデルがラインアップされていた期間は、ハイパーVTECが採用される前だったが、デビューモデルの1992年式は乾燥重量172kgの車体で11,000回転53馬力というスペックだった。「バンディッド400V」も同年モデルは53馬力仕様で、乾燥重量も172kgで同スペックだった。ちなみにスタンダードグレードの「バンディット400」は、170kgで2kg軽かった。
デビュー以降の「バンディット400V」は、1995年にフルモデルチェンジが行われ2代目世代のGK7AA型へ進化。
可変バルブタイミング機構は吸気側のみで作動する仕組みへ変更。リアのスイングアームはアルミ製となり、タイヤはラジアルタイプを新採用していた。その後は、1997年モデルまで設定されて生産終了に至った。

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解説記事更新日：2022年07月16日

　91年に追加された「V」モデルは油圧によるエンジンの可変バルブタイミング機構を備えたVCエンジンを搭載。バルブタイミングとバルブリフトをエンジンの回転数、ギアポジション、スロットル開度のセンサーによって制御することで、全域にわたり扱いやすさを向上させた。エンジンヘッドカバーとフロントディスクブレーキのインナーローターが赤色で塗装されているのが外観の特徴だ。
　ライバル車のホンダCB400SFに積まれたVTECが２バルブと４バルブを切り替えて高回転時のパワフルさを演出したのに対し、VCエンジンはパワーの谷がないフラットな特性で、低回転域でのトルク向上と高回転域でのハイパワーを両立しつつ、省燃費にも貢献した。
91年は59ps、92年モデルからは53psと規制上限の最高出力を発揮数のはスタンダードモデルと同じである。
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解説記事更新日：2021年05月08日

マイナーモデルチェンジを受けて発売された1992年モデルのバンディット400V。
メーカーの馬力規制値変更で最高出力が59PS/12,000rpm→53PS/11,000rpmに低下した。
ベースモデルと併売された派生系の本車だが、違いは可変バルブの有無のみで、外観もほとんど同じ。見分け方はエンジンヘッドカバーとディスクブレーキのインナーローターがレッドにカラーリングされている点だった。
カラーバリエーションにはブラック、パールノベルティブラック×ブライトシルバーメタリック、キャンディアンタレスレッド×ブラウンの3色を設定。
また、バンディット400Vの所有者のみが2台の区別をつけられる点としてはカムが変化する音があり、回転数によってカムが変化する際の「カチャッ」と言うサウンドがたまらないとか。
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解説記事更新日：2021年10月21日

カラーチェンジを受けた1993年モデルのバンディット400V。
カラーバリエーションにはパールノベルティブラック ×ブラック 、キャンディアンタレスレッド ×ブラックの2色を設定。メーターの盤面はホワイトからブラックに。また、キャンディアンタレスレッドのみフレームがシルバーからブラックに変更を受けている。
ライバル車には同じく可変バルブを搭載したホンダのネイキッドモデルであるCB400SFが挙げられる。1992年モデルの最高出力は53PS、そして装備重量は192kgと見事にバンディット400Vと同数値となっており、パワーバンドではCB400SFが10,000-11,000rpmなのに対しバンディット400Vは9,500-11,000rpmとなっており、最大トルクでもCB400SFとバンディット400Vの差は0.1kg-mのみとスペック上では両車ともかなり近い数値となっていた。
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解説記事更新日：2021年10月21日

1995年のフルモデルチェンジによってGK75AからGK7AAへと型式が変更されたバンディット400V。
鋼管丸パイプによるダイヤモンドフレームなど外観のイメージはそのままに、タンクやサイドカバーに曲線を取り入れた流麗なスタイルへとフルモデルチェンジした。ニューデザインの軽量ホイール、足つき性を向上したシート、アルミ角断面スイングアームとラジアルタイヤ、ハザードの採用、燃料計を追加した3連メーター、ストップランプが分割点灯式となったテールランプ、シート下の小物入れ増設など細部わたってにブラッシュアップした。
　可変バルブタイミング機構のVCエンジンを搭載した「V」モデルは、車体色以外の基本的な車体構成は共通としているが、エンジンヘッドカバーとフレーキローターが赤色で塗装されているのが外観上の違いとなる。
96年、97年モデルでカラーリング変更が実施されたが97年モデルが最終となりカタログから姿を消している。
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解説記事更新日：2021年05月08日

カラーチェンジを受けて発売された1996年モデルのバンディット400V。
カラーバリエーションにはキャンディアンタレスレッド、マーブルイタリアンレッド、パールノベルティブラックの3色を設定。
キャンディアンタレスレッドにはボディと同色、マーブルイタリアンレッドにはブラックのフレームを採用している。
新車販売価格は63.9万円だった。
同年を持ってベース車であるバンディット400は生産を終了。当時の同社のネイキッドモデルとしてはGSX400インパルスがオーソドックスなスタイルで人気を高めており、それに対してバンディットは当時としてはやや先進的な外観。加えて他社のネイキッドモデルより少々値がはったため販売台数としては伸びきらなかったようだ。また、入れ替わるようにしてこちらもシンプルな外観のイナズマ400が投入されている。
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解説記事更新日：2021年10月21日

カラーチェンジを受けて発売された1997年モデルのバンディット400V。
カラーバリエーションにはパールノベルティブラック、フラッシュシルバーメタリック、マーブルイタリアンレッドの3色を設定。
燃料タンクには立体エンブレムを採用。また、エアクリーナーカバーはクロームメッキ加工を施された。
新車販売価格は先代モデルから据え置きの63.9万円だった。
バンディット400Vとしてはこの1997年モデルを最終型として生産を終了。これを最後にバンディット400、LTD、400Vのシリーズは全てカタログ落ちとなった。以降スズキの400ccネイキッドモデルはイナズマ400のみとなり、カワサキはそれに危機感を覚えたのか2004年からは新たにインパルスXが登場している。
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解説記事更新日：2021年10月21日

「バンディット400V」は、スタンダード仕様が発売されてから2年経過した1991年6月に追加でラインアップされたモデルだ。
モデル名末尾に「V」が付くことによって変わったのは、エンジンに可変バルブタイミング機構が搭載されたことである。
通常タイプと同様の水冷4ストロークDOHC4バルブの直列4気筒エンジンで、最高出力は59馬力仕様で違いは無い。ただ、「バンディット400V」のVCエンジンはロッカーアーム上に高速域用のハイカムと中低速域用のローカムをエンジン回転数に応じて油圧切替を行うシステムが搭載されている。高回転まで回せばカムが切り替わる「カチャッ」という音を聞くこともでき、走る楽しみをより味わえるマシンだ。
スタンダードモデルとの見分け方は、本モデルのエンジンヘッドカバーとフロント・リアブレーキディスク内側がレッドカラー仕上げになっているので一目で違いを見分けることができる。またシートカウルサイドのデカールにも「V」のデザインが追加されている。
デビューモデルの価格は636,000円(税別)でスタンダードモデルのセパレートハンドル仕様より41,000円高かった。なお、「バンディット400V」のハンドルは、セパハン仕様のみだった。
デビュー翌年の1992年には、オートバイメーカー各社の最高出力自主規制に対応するために53馬力へパワーダウンを実施。「バンディット400」シリーズでVCエンジンを搭載した59馬力マシンに乗りたいのであれば、1991年モデルしかないということである。
その後は、1993年にもマイナーチェンジを実施し、95年に2代目モデルとなるGK7AA型へフルモデルチェンジを行うまで販売された。

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解説記事更新日：2021年11月20日

可変バルブタイミング機構を備えたVCエンジン搭載の400ccネイキッド「バンディット400V」は、1995年2月に最初で最後のフルモデルチェンジを実施して第2世代となるGK7AA型へと進化した。
エンジンを囲うようなデザインの鋼管丸形パイプのダイヤモンド型フレームにレッドに塗装されたヘッドカバーを持つDOHC4バルブ水冷直列4気筒エンジンは従来モデルから踏襲している。
今回のフルモデルチェンジで初代モデルのGK74A型ではスチール製だったリアのスイングアームがアルミ製へと変更された。さらにタイヤはバイアスからラジアルに変更。燃料コックは「ON」・「RES」・「PRI」の3ポジションから「PRI」が無くなり2つの切り替え仕様になった。また、実用面装備の変更点として新たにアナログ式の燃料計が追加された。ツーリング時などの安心感が増し利便性が向上している。
なお、ここまでの変更点はVCエンジン非搭載のスタンダードモデルも同内容で仕様変更していた。
「バンディッド400V」の特徴である、フロントとリアのブレーキディスク内側がレッドに仕上げられているディテールは引き続き採用されている。
フルモデルチェンジ翌年の1996年にはカラーチェンジが行われ、このタイミングで通常タイプの「バンディット400」はカタログ落ちとなった。その後は、「バンディット400V」のみで販売が続けられていくが、1997年のマイナーチェンジ時にビキニカウルを装着した「バンディット400VZ」が登場。以降の仕様変更は行われず2000年に生産終了となった。

買替や売る際の買取査定は、GK7AA型 バンディット400の中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2021年11月20日