GSX1100Fは、1988年から94年までに輸出専用モデルとして製造販売されました。
ジャンルとしては「メガスポーツ」に分類され、他社で言えばカワサキ【ZZR1100】（1990～）やスズキ【GSX1300Rハヤブサ】（1999～）などがそれに該当します。
この2車から比べるとGSX1100Fは先に登場しているわけで、メガスポーツの先駆けと言えるかもしれません。エンジンは【GSX-R1100】の油冷DOHC4気筒1052ccを拡大して1127ccにスケールアップ、136馬力を発生します。
スタイリングは空力を意識した結果、ライバルたちと同様、エンジンまですっぽりと隠れるフルカウルになっています。一見、カワサキの【ZX-10】にも似ています。
他には電動可変スクリーンも装備されており、長距離+高速ツーリングを快適なものとしています。左右パニアケースもオプションで選択可能です。欧州での評判も上々で、週末に夫婦でバイクのロングツーリングを楽しむ文化には好都合な作りだったようです。
ただしフロントホイールは16インチのため、旋回性が軽すぎるきらいがあります。この点は16インチが流行した時代の特性でもあり、フロントホイール径には注意しておく必要があります。
北米向け仕様もあり、これにはペットネーム「Katana」が使われました。他のカタナシリーズとはちょっと違いますね。
あまり突出したところのないGSX1100F、日本での認知度は高いとは言えません。しかしエンジンは速い、フルカウル、パニアもある等を考慮すれば、スズキが作った堅実なメガツアラーと言えるでしょう。日本国内での流通台数も少なく、掘り出しものがあるかもしれません。
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解説記事更新日：2021年09月22日

1988年にスズキから新登場したGSX1100F。
欧州市場での要望に応える形で輸出向けのハイスピードツアラーとしてGSX-R1100をベースにフルカウルを搭載して登場した本車。エンジンには油冷4ストロークDOHC並列4気筒を搭載。最高出力はベースとなったGSX-R1100 1988年モデルの130PS/9,500rpmより高い136PS/9,500rpmに設定されており、当時最速と呼ばれたバイクの1台だった。
フレームにはスチール製のダブルクレードル型を採用。シートはワイド化され、スクリーンには高さを電動で調節可能とするSPS(スズキパワーシールド)を採用。
カラーバリエーションにはブルー、マルーン、ブルー×グレー、シルバー×ホワイトの4色を設定。
この初期モデルではフレームが重厚であったのに対しサスペンションの設定が柔らかすぎることで走行中に不安定であるという苦情が寄せられており、正式なリコール発表はされていないものの販売国によっては無料の修理が行われた。
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解説記事更新日：2021年10月11日

マイナーモデルチェンジを受けて発売された1989年モデルのGSX1100F。
新たに走行安定性の向上を図りスイングアームを延長。エンジンはラバーマウントされ、リアサスペンションの設定変更及びリアショックリザーバーを追加。また、ミラーの形状が変更されている。
カラーバリエーションには エボニー、ブルー×シルバー、マルーンの3色を設定。
当時欧州でライバル車としてはヤマハのFJ1200が台頭しており、前年の1988年にはスウェーデンにおいてテストランが行われた。GSX1100FはFJ1200は、最高時速236km/hを記録、対するGSX1100Fは最高速度252km / hを記録し、フェアリングの空力抵抗の少なさが評価されている。
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解説記事更新日：2021年10月11日

マイナーモデルチェンジを受けて発売された1990年モデルのGSX1100F。
前年に続きミラーの形状を変更、加えてマフラーのエンド部分の形状も変更された。
カラーバリエーションにはブルー、マルーン、シルバー×ブラックの3色を設定。
ライバル車にはカワサキのフルカウルスポーツであるNinja ZX-10が挙げられる。1990年モデルの最高出力は135PS/10,000rpmとほぼ同数ながら乾燥重量は222kgとGSX1100Fよりも44kg軽量となっており、2台のパワーウェイトレシオを比較するとNinja ZX-10は1.64kg/PS、対するGSX1100Fは1.95kg/PSとなり、数値上の加速性能では軽量なNinja ZX-10が優っていた。
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解説記事更新日：2021年10月11日

カラーチェンジを受けて発売された1991年モデルのGSX1100F。
カラーバリエーションにはレッド、ブラック×グレイ、シルバー×ブラックの3色を設定。
前年にはライバル車であったカワサキのZX-10が生産を終了し後継モデルとして同社のハイスピードツアラーモデルとして代名詞であるZZRを車名に冠したZZR1100(ZX-11)が登場。1991年モデルの最高出力は147PS/10,500rpmとZX-10時代より大幅に向上、乾燥重量は228kgでこれまた軽量をキープしており、2台のパワーウェイトレシオを比較するとZZR1100は1.55kg/PS、対するGSX1100Fは1.95kg/PSとなり、数値上の加速性能ではパワーアップしたZZR1100が一段上となっていた。
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解説記事更新日：2021年10月11日

カラーチェンジを受けて発売された1992年モデルのGSX1100F。
カラーバリエーションにはパープル×シルバー、ブラック×リード、レッド×マルーンの3色を設定。
ライバル車にはホンダのフルカウルスポーツツアラーとして同時期に販売されていたホンダのCBR1000Fが挙げられる。1992年モデルの最高出力は132PS/9,500rpm、乾燥重量は232kgとなっており、2台のパワーウェイトレシオを比較するとCBR1000Fが1.75kg/PS、対するGSX1100Fは1.95kg/PSとなり、軽量なCBR1000Fが数値上の加速性能ではGSX1100Fを上回っていた。
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(画像は北米仕様でボディにKatanaロゴが採用されている。)

解説記事更新日：2021年10月11日

仕様変更はなく発売された1993年モデルのGSX1100F。
カラーバリエーションも先代から変わらずパープル×シルバー、ブラック×リード、レッド×マルーンの3色を設定。
外観は変わらずだが型式は変更されており、先代のN型からP型となっている。
この1993年モデルを最後に北米仕様のみ生産を終了。以降は欧州向けのみカラーチェンジを受けた1994年モデルが引き続き生産されている。また、欧州の中でもスウェーデンでは1995年まで、また他の国では最長では1997年まで発売されており、これは同型でも国によってリリースの時期が異なっていた事が原因とされた。
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解説記事更新日：2021年10月11日