バイク用エンジンとして2ストがマジョリティーであった1970年代、当時のヤマハ・オンロード250ccを代表する機種の1つに挙げたいのがRD250です。
初期型の発売は73年で、「RX250」の後継機種として登場しました。当時はスズキのGTシリーズ、カワサキのマッハシリーズも2ストエンジンのライバルであり、わけてもカワサキ【250SS】は3気筒エンジンというレイアウトとピーキーな特性で人気を集めていました。
そこでヤマハがRD250に採用したメカは、
・最大30馬力を発揮する空冷の並列2気筒エンジン
・6速ミッション
73年にマイナーチェンジを受け、
・〈7ポートトルクインダクション〉を採用、燃焼室内に残留した排ガスを、新設されたポートで掃気
・フロントディスクブレーキを標準装備
・灯火類の大型化、ヘルメットホルダー新設など
などの変更が行われました。
74年にもマイナーチェンジを受けています。
・シリンダーフィンに耐熱性防振ゴムを挿入、2スト特有の高周波「フィン泣き」を減少
・エアクリーナーにサクションパイプを追加、吸気音を低減
・マフラーを40mm延長して容量アップ、静粛性を向上
そして76年にフルモデルチェンジを受け、タンク等を含め直線基調のデザインに変更、リアブレーキをディスク化、新設計フレーム等がその主な変更点です。
79年にもマイナーチェンジ、キャストホイールを履いた【RD250SP】が最終形となりました。
ヤマハの2スト250ccと言えば、今でこそ【RZ250】が有名で、1つ前のモデルRD250はその陰に隠れてしまった観があります。しかし空冷250ccで30馬力を叩き出した技術は賞賛すべきであり、ガソリンとオイルを分離給油とする画期的技術もまた、RD以前にヤマハが開発したの技術です。
RD250と言えば、忘れてはならないことがあります。それは70年代に活躍した作家、片岡義男氏の小説『ボビーに首ったけ』に登場することです。この小説では、RD250が速いバイクを象徴する存在として書かれています。
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解説記事更新日：2022年05月23日

1973年に発売されたRD250は、初期型です。
70年代当時、250ccクラスの2ストエンジンは珍しくなく、カワサキは【250SS】、スズキは【GT250】を販売していました。同じ2スト2気筒250ccとしてヤマハが発売したのがRD250です。
前モデルは1971年から販売されていた【RX250】で、73年の変更点は次のとおりです。
・新設計の7ポートトルクインダクションエンジンを採用
・6速リターン式トランスミッション
・フロントディスクブレーキを標準装備
・灯火類の大型化、ヘルメットホルダー新設など
74年にもモデルチェンジを受けています。
・シリンダーフィンに耐熱性防振ゴムを挿入、フィン泣きを減少
・エアクリーナーにサクションパイプを追加して吸気音を減少
・マフラーを40mm延長し容量のアップをして静粛性を向上
など、快適性の向上に視点を置いて改良がされています。
ヤマハの2スト250ccと言えば、今でこそ【RZ250】が有名ですが、その1つ前のモデルであるRD250もまた、ヤマハの2スト技術を高次元でバランスさせたバイクです。キック1発、「ビヤン、ビビビビン」と目覚めるエンジンは、バイクの一つの原点でもあります。
排気煙が嫌われた2ストエンジンですが、排煙の少なくなったディーゼルエンジン同様、現在の技術をもってすれば、部品点数の少なさもあり、環境に優しい2ストエンジンも開発できるのかもしれません。
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解説記事更新日：2021年11月29日

1976年から79年のRD250は数回のモデルチェンジを受けています。
まずは76年にフルモデルチェンジを受けました。
・タンク等のデザインを直線主体のものへ変更
・リアブレーキをディスクに変更
・シリンダーヘッドの大型化
・掃気ポートの改良で中低速トルクをアップ
・新設計フレーム
カラーリングは《フレンチブルー》、《チャピィレッド》です。
また77年にはマイナーチェンジを受けました。
・タンク、サイドカバーのグラフィックを変更
・シート下部からリアに至る一体式カウルを追加
カラーリングに変更はありません。
79年にもマイナーチェンジを受け、【RD250SP】が最終形となりました。キャストホイールを装着、車体デザインは【XS1100】やGXシリーズにも共通するモチーフで、古さを感じさせません。カラーリングは《フロストシルバー》、《カーディナルレッド》です。
こまめなモデルチェンジの背景には、75年に改正された二輪免許制度があります。極端に難しくなった大型のため、バイク人気の中心が中型になったのは必然で、250ccや400ccの熾烈な競争はこの時代から始まったのです。RDの次に来るヤマハ2ストクオーターは、あの名車、水冷の【RZ250】です。しかしRZとはまた違う、RDの「ビビビン」とフィンが共鳴する音を聞けば、そこには70年代後半の世界が幕を開けるのです。
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解説記事更新日：2021年11月29日