ヤマハは1980年代から採用されていたアドベンチャーマシン「テネレ」のネーミングを採用するニューモデルを展開。それが、2018年のミラノショーでお披露目された本モデル「テネレ700」である。
過去に「テネレ」の名を与えられていた「XT600」や「XT660Z」は単気筒エンジンを搭載していたが、本モデルには直列2気筒エンジンが採用されている。
車体は、スリムコンパクトなダブルクレードル型フレーム。軽量高剛性の高張力鋼管を使用している。パワーユニットには、「クロスプレーン・コンセプト」に基づいて開発されたDOHC4バルブの水冷直列2気筒ユニットを搭載。ボア・ストロークが80mm×68.6mmのショートストローク688ccエンジンで、最高出力は9,000回転72馬力というスペック。最大トルクは6,500回転で67Nmを発揮する。重量は205kgだ。
足回りは、フロントにインナーチューブ径43mmの倒立フォークをセットして21インチのワイヤースポークホイールを組合せる。ブレーキは282mmのダブルウェーブディスクブレーキという仕様。リアは軽量アルミのスイングアームにアルミシリンダーを採用したリンク式モノショックを装着。ホイールサイズは18インチとなる。ブレーキキャリパーはブレンボ製を採用している。ABSはオン・オフ切り替え可能タイプが標準装備。日本国内向けの正式モデル名称は「テネレ700 ABS」となる。
シート高は標準仕様が875mmだが、38mm低いローダウンタイプも用意された。
スタイリング面では、エンジンガードを装着して240mmの最低地上高を確保した車体がオフロード色を強めている。またシートは前後2分割構造のフラットタイプを採用することでライディング時のポジション移動も容易だ。
ライバルモデルとしては海外メーカーとなるが、BMWモトラッドの「F850GS」が比較対象になるだろう。236kgの車体に搭載する853㏄のパラレルツインエンジンは、8,250回転で95馬力を発揮。最大トルクは6,250回転92Nmというスペック。本モデルより重いがパワーは格上となる。さらにシート高は標準グレードが860mmで本モデルより低く足つき性も良い。
国内モデルとしては格上排気量となるが、ホンダの「CRF1100L アフリカツイン」が2020年にデビュー。1,082㏄のOHCパラレルツインは7,500回転105馬力というスペック。重量は238kgとなる。本モデルより30kg以上重いが、シート高は830mmと低い。さらにホイールベースは1,560mmで「テネレ700」の1,595mmよりショートサイズ。ライダーの体格によっては、本モデルより扱いやすいだろう。
なおデビュー以降の「テネレ700」は、2022年モデルで平成32年の排ガス規制に適合するためのマイナーチェンジを実施。型式は、DM09J型からDM13J型へ変更された。その後もカラーチェンジを実施しながらラインアップを継続している。

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解説記事更新日：2023年03月19日

2020年式で国内デビューとなったミドルクラス本格的アドベンチャー「テネレ700」だが、2022年式で最初のマイナーチェンジを実施。搭載するエンジンは令和2年の排ガス規制に適合して、型式がDM09J型からDM13J型へと移行された。
さらにこのタイミングでカラーチェンジも行われた。用意されたカラーバリエーションは以下の通り。

・新色「ディープパープリッシュブルーメタリックC」
・新色「ブラックメタリックX」
・新色「ラジカルホワイト」

カラーラインアップ数は3タイプで従来通りだが、全カラーが新色でグラフィックデザインも刷新されている。その他、外観上の違いとしてはエンジンガードの形状やエキゾーストパイプ下部のデザインが変更された。

メカニカル面は、ストリートファイターネイキッド「MT-07」やフルカウルスポーツ「YZF-R7」と同系の688㏄水冷パラレルツインエンジンが最新の排ガス規制に適合したことでスペックが以下のように変化していた。

・最高出力　9,000回転72馬力 → 73馬力
・最大トルク　6,500回転67Nm → 69Nm
・燃費性能　WMTCモード値　24.0km/L → 23.8km/L

環境性能を高めつつも出力アップを実現している。燃費瀬能に関しては僅かにダウン。
排ガス規制に対応する仕様変更ではスペックが犠牲になることも珍しくないのだが、本モデルに関してはカタログ数値が向上したことで最新モデルの購買意欲が高められそうだ。

買替や売る際の買取査定は、2022年式 テネレ700 の中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2024年04月28日

「トップ オブ アドベンチャー テネレ」をコンセプトに開発されたミドルクラス本格的アドベンチャーマシン「テネレ700」だが、前年のマイナーチェンジでは環境性能を高める仕様変更を受けつつスペックアップにも成功して魅力と完成度を高めてきた。
DM13J型へと移行されて2年目となる2023年式はカラーチェンジを実施。
●2023年モデルで用意されたカラーバリエーションは以下の通り。

・新色「マットダークグレーメタリックA」
・新色「ディープパープリッシュブルーメタリックC」
・継続「ラジカルホワイト」

レッドのスピードブロックとマシンロゴの組み合わせで歴代のヤマハレーサーをイメージさせる「ラジカルホワイト」は継続ラインアップ。「ブルー」も継続となっているが、グラフィックデザインがリニューアルされたことでイメージチェンジ。そして前年の「ブラックメタリックX」が廃止になって、新たに精悍なイメージの「ダークグレー」が新たに設定された。価格に関しては前年比で5.5万円の値上がりで134.2万円(税込)。

メカニカルな部分の変更は無く、主要諸元は従来通り。
エンジンは688㏄のDOHC4バルブ水冷パラレルツインで、9,000回転で73馬力を発生する。最大トルクは6,500回転69Nmというスペック。
また2023年式では、新たに純正オプションパーツを装着済となるパーケージモデルが設定された。「テネレ700 ロー」は、ローダウンサスペンションとローシートを組み合わせてシート高が38mmダウンの837mmとなる。そして大型スキッドプレートやラジエターガードなどを装着する「テネレ 700 ラリー」も展開された。

●2024年式では、デビューから2度目となるマイナーチェンジを実施してマシンの完成度がさらに高められた。適用された主なアップデート内容は以下の通り。

・5インチTFTカラーメーター採用
・キャンセル可能な3モードABS
・LEDウィンカー
・USB電源ソケット
・クイックシフター(アクセサリー扱い)
・カラーチェンジ

仕様変更を受けたのは主に機能装備面となっていて、実用性や快適性に繋がるアップデートだった。従来ではモノクロ表示だったメーターパネルは5インチサイズのTFTカラーパネルへ変更されて視認性が大幅アップ。スマホなど電子デバイスの電源確保に重宝するアクセサリーソケットはUSBタイプへ変更されている。また、ウィンカーがLED仕様となることで灯火類はフルLEDとなった。
エンジンスペックは従来通りで、9,000回転73馬力の688cc水冷DOHC4バルブパラレルツインを搭載。最大トルクは、6,500回転で69Nmを発生する。
そして駆動系統はアクセサリー扱いとなるが、シフトアップに対応するクイックシフターが用意された。

ライバルモデルとしては、スズキが2023年モデルから展開している「Vストローム 800DE」が比較対象になる。エンジンは775ccの水冷パラレルツインで82馬力のハイパワーユニット。最大トルクは6,800回転で76Nmに到達する。ただ、重量は230kgで本モデルより25kg重い。シート高は855mmで「テネレ 700」より20mm低く、足つきは悪くない。

なお各部のアップデートで実用性がアップした2024年式の本モデルは、「ラジカルホワイト」、「ディープパープリッシュブルーメタリックC」、「マットダークグレーメタリックA」の3カラーバリエーションで展開。価格は139.7万円(税込)で販売された。


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解説記事更新日：2024年04月29日

本格的オフロードモデルに採用されてきた「テネレ」の名を与えられるニューモデルとして登場した「テネレ700」。国内向けは2020年7月に発売された。当初は6月に発売される予定だったが、同年に起こったCOVID-19のパンデミックによって延期されたという経緯がある。
カラーバリエーションは、「マットダークグレーメタリック6」、「ブルーイッシュホワイトパール1」、「マットブラック1」の3タイプで登場。価格は126.5万円(税込)に設定された。
見るからにスリムな車体は、高張力鋼管製のダブルクレードル型フレーム。マシンの心臓部には、ボア・ストロークが80.0mm×68.5mmのショートストロークパラレルツインエンジンを搭載する。排気量は688㏄で、最高出力は9,000回転72馬力というスペック。
ちなみにストリートファイターネイキッドの「MT-07」やネオレトロスポーツ「XSR700」と同系ユニットとなる。ただセッティングの違いから既存両モデルは93馬力仕様。最大トルクも本モデルの6,500回転67Nmより僅かに高トルクの68Nmとなっていた。
「テネレ700」の足回りは、フロントに倒立フォークを装備して21インチのスポークホイールを履く。リアはアルミ製スイングアームにモノショックをセットして18インチホイールを装着。タイヤはブロックパターンのピレリ「スコーピオン ラリーSTR」で、オフロード走破性を重視したコンセプトが表れている。
ライバルモデルとしては、格下排気量となるがスズキの「Vストローム 650XT」が比較対象になるだろう。215kgの車体に搭載する645ccの90度Vツインは、8,800回転で69馬力を発揮する。最大トルクは6,500回転61Nmというスペック。パワー面では見劣りするが、シート高が835mmで本モデルより40mm低いので足つき性が良い。
なおデビューモデルとなったDM09J型「テネレ700」は、2022年に令和2年の排ガス規制に対応するために実施したマイナーチェンジモデルDM13J型が登場するまで販売された。

買替や売る際の買取査定は、DM09J型 2020年式 テネレ700の中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2023年03月19日

「トップ・オブ・アドベンチャー・テネレ」をコンセプトに掲げて2020年に発売された本モデル「テネレ700」だが、2022年5月に最初の型式変更を伴うマイナーチェンジが行われ以下のアップデートを受けた。

・排ガス規制適合
・出力特性変更
・アンダーガードデザイン変更
・カラーチェンジ

今回実施された仕様変更の主な目的は、時を追うごとに基準が厳しくなっている環境規制に対応することだった。新たに平成32年排ガス規制に適合することで、型式は従来のDM09J型からDM13J型へ変更されている。
環境規制を高めながらも出力スペックは向上している。搭載するエンジンM424E型は688㏄の水冷パラレルツインユニット。最高出力は9,000回転で73馬力を発揮。最大トルクは6,500回転69Nmというスペック。従来モデルの72馬力・67Nmから僅かだが向上している。ただ燃費性能に関しては、WMTCモード値で2020年式のDM09J型はリッターあたり24kmという数値だったが、2022年式DM13J型は23.8kmへダウンした。
さらに2022年式ではカラーチェンジが実施されて車体サイドに大胆な「Ténéré」ロゴが配されてアグレッシブなイメージが強調されている。
機能装備面では、エンジン下部に標準装備されるアルミ製のアンダーガードが形状変更となった。
ライバルモデルとしては2023年モデルでホンダが展開した「XL750 トランザルプ」が比較対象になるだろう。本モデルより3kg重い208kgのマシンが心臓部に搭載するのは754ccのSOHC4バルブ水冷パラレルツインエンジン。最高出力は9,500回転91馬力というスペック。最大トルクは7,250回転で75Nmを発揮する。スロットルは電子制御で5タイプの走行モード選択機能を搭載している。ハイスペックというだけでなく、最新モデルということで電子デバイス機構も充実している競合マシンということだ。
なお、マイナーチェンジでマシンの完成度が高められたDM13J型の「テネレ700」だが、カラーチェンジを実施しながらラインアップを継続している。

買替や売る際の買取査定は、DM13J型 テネレ700の中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2023年03月19日

スパルタンなミドルレンジアドベンチャーとして2020年から国内でも展開されているヤマハの「テネレ700」だが、2025年式ではスタイリングからマシン制御プログラムまで多岐にわたるアップデートを受けてモデルチェンジが行われた。型式は従来のDM13J型からDM17J型へと移行。適用された主な変更点は以下の通り。

・電子制御スロットル(YCC-T)採用
・サスペンション仕様変更
・シート形状変更
・メーター変更
・ヘッドライト形状変更
・フットレスト形状変更
・カラーチェンジなど

大きな変更点は、これまで採用されていなかった電子制御システムが強化されたことだ。688㏄のDOHC4バルブパラレルツイン「CP2」エンジンは、スロットル制御が電子化された。このアップデートに伴いライディングモードも実装されている。街中ユースにマッチする「エクスプローラー」とオフロードで鋭いレスポンスを発揮する「スポーツ」の2モードから設定可能。さらにオン・オフ可能なトラクションコントロールも新たに採用された。ABSに関しては従来通りで、「前後オン」・「前後オフ」・「リアのみオフ」の3モードから切り替えできる。駆動系ではクイックシフターはアクセサリー設定で新たに用意された。
なおエンジンスペックは最高出力が9,000回転73馬力で、最大トルクは6,500回転69Nmと、従来モデルから変わっていなかった。

足回りは、フロントの43㎜倒立フォークがセッティング変更とともにプリロードアジャスターが採用されて調整可能となっている。リアもストローク量をアップさせたリザーバータンク付きモノショックを新たに採用し路面追従性が向上。

実用装備面では、メーターが新たに6.3インチのTFTカラー液晶を採用してコクピットに設置。ヤマハオリジナルのスマホアプリ「Y-Connect」を使えば着信やメール受信の通い、ナビゲーション表示も可能だった。さらにヘッドライトは角型LEDヘッドライトに変更されてポジションも従来より若干高くなり夜間の視認性が向上し、フロントマスクのアグレッシブさが増している。

数々のアップデートで次世代モデルへと移行した2025年式の「テネレ 700」は、「ブルーソリッド A」、「ディープパープリッシュブルーメタリックC」、「マットイエローイッシュグレーメタリック 2」の3カラーを展開。同年3月に145.2万円(税込)で発売された。

買替や売る際の買取査定は、2025～現行 DM17J型 テネレ700の中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2025年03月16日