BMWは、街中での移動から長距離ツーリングまで快適にこなすマキシスクーターを2012年モデルで投入した。スポーツマインドを刺激するスポーティテイストを重視した「C600スポーツ」とツーリング要素を重視して充実の快適装備が特徴の本モデル「C650GT」だ。
ネーミングからは異なる排気量モデルのようにも感じさせるが、実はフレームとエンジンは共用している。
車体は鋼管ブリッジとアルミダイキャストユニットを組合せるハイブリッド仕様。そのフレームにDOHC4バルブ水冷4ストローク並列2気筒エンジンを搭載する。デビューモデルの最高出力は7,500回転で60馬力というスペック。最大トルクは6,000回転66Nmという仕様だった。トランスミッションにはCVTを採用することでスムーズかつトルクフルな走行フィーリングを楽しめる。
足回りは、フロントに40mmの大径倒立フォークを装備するという豪華スペック。そこに15インチホイールと120mmタイヤをセット。ブレーキは270mmのダブルディスクに2ポットキャリパーを組合せる。リアセクションは片持ちスイングアームにカンチレバー式のモノショックを車体左側に水平マウント。プリロード調整も可能だ。ホイールサイズはフロントと同径の15インチでブレーキディスク径も270mmで同じ。ABSは標準装備でサイドスタンドと連動式のパーキングブレーキも備わっている。
装備面では兄弟モデルの「C600スポーツ」とは異なり大型シートに調整式のバックレスト、電動調整式スクリーンといった快適装備が採用されている。
スポーティな足回りのマキシスクーターということでライバルモデルとしては、2013年デビューのヤマハ「TMAX530」が比較対象になるだろう。221kgの車体に搭載するDOHC4バルブ空冷パラレルツイン530㏄エンジンは6,750回転で46馬力というスペック。格下排気量の空冷エンジンということでローパワーだが、重量は本モデルより40kg軽い。それでもパワーウェイトレシオ換算では、本モデルが有利となる。
メーカー希望小売価格では本機2012年モデルが110万円（以下いずれも税抜）であったのに対し、2013年モデルTMAX530は92万円であった。
なおデビュー以降の「C650GT」は、カラーチェンジや特別仕様モデルの展開を実施しながら2016年モデルで最初のマイナーチェンジを実施。以下のアップデートを受けた。

・オートマチック・スタビリティ・コントロール採用
・CVT&クラッチ仕様変更
・マフラーデザインリニューアル
・サスペンションセッティング変更

エンジンスペックこそ変更は無かったが駆動系や足回りのリセッティングで走行フィーリングは、より滑らかで快適になった。そして2017年の9月以降に日本国内向けに展開されたモデルに関してはETC車載機が標準装備化された。
その後もカラーチェンジや豪華仕様「ハイライン」グレードの展開を経て2020年式までラインアップされた。

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解説記事更新日：2023年01月21日

BMWが、アーバンモビリティカテゴリに初となるスクーター型コミューターを投入。それが、本モデル「C650GT」と「C600スポーツ」である。
車体の基本コンポーネントは共用しているが、本モデルはよりツーリング性能や快適性を重視したモデルとなる。
デビューモデルとなった2012年式は、「プラチナムブロンズメタリック」、「サファイアブラックメタリック」、「バーミリオンレッドメタリック」の3カラーが設定された。
パワートレインには新設計のDOHC4バルブ水冷4ストロークパラレルツインエンジンが採用された。ボア・ストロークが、79.0mm×66.0mmの排気量647ccエンジンで、最高出力は7,500回転で60馬力を発揮。最大トルクは6,000回転で66Nmに達する。
トランスミッションはCVTで滑らかな加速性能が特徴だ。重量は261kgとなる。
ちなみに兄弟モデルとなる「C600スポーツ」は、モデル名の数字が小さいことから排気量が格下クラスかと思いきや同じエンジンを搭載している。ただスポーティなフィーリングを重視した設計ということから出力特性は変更されている。さらに装備の違いから重量は15kgほど軽い246kgとなる。走行性能を追求するなら「C600スポーツ」が有利だろう。
対する本モデル「C650GT」は、バケットタイプの大型シートやヘルメットを2つ収納できる約60L容量のトランクスペースを備えるなど利便性と快適性が魅力的なマシン。さらにフロントスクリーンは電動調整式となる。

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解説記事更新日：2023年01月22日

2013年にBMWから新発売されたマキシスクーター、C650GT。
エンジンには水冷4ストロークDOHC並列2気筒を採用、最高出力は60PS/7,500rpm、最大トルクは63N・m/6,000rpmを発揮した。
フレームにはスチールプロファイル製ブリッジパイプ型を採用、足回りではフロントに倒立式フォークを、ホイールにはマキシスクーター専用に新設計された5本スポークタイプ、タイヤにはメッツラー製のFeelFreeを採用し、リアはショートタイプのマフラーとシングルスイングアームの組み合わせでホイールデザインを強調するなどBMW初のスクーターとして力が込められているのが分かる。
カラーバリエーションにはプラチナブロンドメタリック、バーミリオンレッドメタリック、サファイアブラックメタリックの3色を設定。
BMWはシャープな外観でスポーツ志向を強めた兄弟車のC600Sportを同時に発売。表記名での排気量は異なっているが、実際には両車共に647ccであり、同社が2台の棲み分けを強調していたことが窺える。
因みに新車のメーカー希望小売価格はC600Sportが112万円、C650GTが115.5万円(ともに税抜)に設定されていた。
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解説記事更新日：2022年01月09日

カラーチェンジを受けて発売された2014年モデルのC650GT。
カラーバリエーションにはハバナメタリック、クォーツブルーメタリックの2色を設定。
新車販売価格は115.5万円(税込)だった。
また、同年のモデルとしてはラゲッジラックとパッセンジャー用バックレストを備えたトップケースを搭載したスペシャルエディションも登場している。こちらの新車販売価格は121万円(税込)
BMWは無公害(ゼロ・エミッション)を目指す企業概念を持ち、その中で当時検討されていたのが今や増える一方となっているEVバイクだった。
バイクを電力のみで動かし航続距離を保とうとすると大きなバッテリーが必要であり、スポーツモデルには向かない、またモーター音はバイクの鼓動感とは遠いためにアメリカンなどの大柄なモデルにも適さない。するとワイドなボディも受け入れやすく静謐性を求められスクータータイプがEVモデルとしては最適であり、BMWがそれまで未介入であったマキシスクータ（ビッグスクーター）ーというジャンルに投入したこのC650GTは2017年に同社が発売したEVスクーターであるCエボリューションに向けた布石だったと言えるだろう。
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解説記事更新日：2022年01月17日

カラーチェンジを受けて発売された2015年モデルのC650GT。
ボディカラーにはサファイアブラックメタリック、エボニーメタリック×モノリスメタリックマットの2色を設定。
また、キーが外溝式（外側にギザギザがあるタイプ）から、内溝式(打つ側に凹凸があるタイプ)のキーに変更、それに伴いキーシリンダーのデザインも変更されている。
海外メーカーであり、排気量的にもシートが高くなってくるのは避けられないがそこにスクーター特有のワイドで丸みのあるボディも相まって日本人には795mmという数字以上の高さを感じることが多いとのこと。
BMWは2017にはEVモデルのスクーターであるCエボリューションを発売しており、今後長い目で見ると二輪のEV化は必至であり、EV化が進んでいるスクーターはその波が早いかもしれない。とは言ってもCエボリューションならびにC650シリーズは2020年モデルを以ってカタログ落ちとなっているのだが、現時点ではリセールバリューはガソリン車のC650X/SPORTの方が高いのである。
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解説記事更新日：2022年01月17日

マイナーモデルチェンジを受けて発売された2016年モデルのC650GT。
新たにエンジンの出力を制御するASC（オートマチック・スタビリティ・コントロール）を採用、加えて無段変速機のCVTは変速比の可変幅に改良を受け、足回りではサスペンションに新たなファインチューニングが施された。さらにマフラーを新設計とし排気音の音質を変更、スクーターでありながらバイクらしい鼓動感が生み出されたが、同時にスクーターに静謐性を求めるユーザーからは批判の声も上がった。シート高はこれまでの780mm→805mmへ25mmアップ。
また、細かい点ではセンタースタンドの改良、リアではテールライトとフェアリングのデザインを変更、振動を低減するリアビュー・ミラーも新採用している。
カラーバリエーションにはフローズンブロンズメタリック、ライトホワイト、ブラックストームメタリックの3色を設定。
新車販売価格は116.5万円(税込)だった。
同年には兄弟車であるC600 Sportもモデルチェンジを受けてC650 Sportと車名も改めて新登場した。
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解説記事更新日：2022年03月27日

マイナーモデルチェンジを受けて発売された2017年モデルのC650GT。
ユーロ4排ガス規制に対応、最高出力や燃費に変更は無かったが、新たに二輪車としては史上初採用となったサイドビューアシスト（SVA）を標準搭載した。
カラーバリエーションにはブラック、ホワイト、ブラウンの3色を設定。
新車販売価格は125.9万円(税込)だった。
当時サイドビューアシストは四輪車の中でも一部の高級車で搭載されたもので車体に設置されたセンサーで四方の近づく車両を感知し、近すぎると判断した場合はインジケーターが点灯するという機構で、C650GTは左右そのミラーステーにインジケーターが組み込まれた。また、後方センサーはテールランプ下、樹脂製ハウジング左右の丸い穴となっている。
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解説記事更新日：2022年01月30日

カラーチェンジを受けて発売されたC650GT。
カラーバリエーションにはライトホワイト、オーシャンブルーメタリックマット、ブラックストームメタリックの3色を設定。
新車販売価格は124.4万円(税込)だった。
国産モデルのライバル車にはヤマハのTMAX530DXが挙げられる。排気量の差から最高出力は46PS/6,750rpm（647cc換算で56馬力）とC650GTの60PS/7,500rpmと比べると少し控えめではあるが、クルーズコントロールシステムや電動のスクリーンなど上位モデルとしてC650GTと同格の装備を搭載していた。公称の燃費(WMTC値)ではTMAXが20.6km/Lなのに対しC650GTは21.7km/Lと排気量とパワーに加えて燃費性でも、C650GTが優っていた。ちなみにTMAX530DXの新車販売価格は125万円でほぼ同額だった。
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解説記事更新日：2022年01月30日

カラーチェンジを受けて発売された2019年モデルのBMW650GT。
カラーバリエーションにはスパークリングストームメタリック、オーシャンブルーメタリックマット、ブラックストームメタリックの3色を設定。
新車販売価格は125.9万円(税込)だった。
メルセデスと並ぶ高級自動車メーカーとして世界的に知名度に高いBMW。そんなメーカーが生み出す二輪車のエンジンは四輪車の経験をもとにした独自のテクノロジーに定評がある。しかしそんなBMWのスクーターファミリーであるCシリーズ第一陣(C650GT、C600スポーツ)のエンジンが実は全て台湾のバイクメーカーであるキムコ製であるということはあまり知られていない。
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解説記事更新日：2022年01月30日

カラーチェンジを受けて発売された2020年モデルのC650GT。
カラーバリエーションにはブラックストームメタリック、フローズンブロンズメタリック、ライトホワイト3色を設定。
新車販売価格はUS＄10,995だった。
同年にはこれまでライバル車であったTMAX530DXがフルモデルチェンジを受けてTMAX560TECHMAXが登場。先代同様にグリップヒーター、シートヒーター、クルーズコントロール、電動調整式スクリーン、アジャスタブルリアサスペンションなど豪華装備を搭載し、スタンダードモデルであるTMAX560としっかり棲み分けがとられた。装備重量は218kgとなっており、C650GTの装備重量267kgに比べて軽量な点ではTMAX優位だが、最高出力ではC650GTが60PS/7,500rpmとTMAXの47.6PS/7,500rpm、大幅に上回っていた。
2台のパワーウエイトレシオを比較するとTMAX560TECHMAXが4.57kg/PS、対するC650GTは4.45kg/PSとなっており、数値上の加速性能ではヘヴィーなボディながらパワフルなC650GTが優っていた。
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解説記事更新日：2022年03月27日