「お転婆ムスメ」の意味を持つ「ビラーゴ」というサブネームを付されたヤマハの400ccクルーザー「XV400ビラーゴ」は1987年3月に発売された。
1983年に発売された「XV400スペシャル」のホースバックスタイルから方向転換し、「ロー＆ロング」に太めのリアタイヤを装着した本格的アメリカンクルーザースタイルを採用している。
特徴的なディテールは燃料タンクだ。発売当時の「ビラーゴ400」はガソリンタンクがシート下にレイアウトされており容量は8.6リッターだった。もちろんシートとハンドルの間にはタンクらしきパーツが鎮座しているが、実際には燃料タンク風のトップカバーだった。
プレスバックボーン型のフレームにパワートレインは空冷4ストロークV型2気筒の26M型エンジンを搭載。最高出力は8,500回転40馬力というスペック。シリンダバンク角は70度だ。トランスミッションは5速リターンで駆動方式はシャフトドライブ。この辺りの構造は「XV400スペシャル」を踏襲している。
「ビラーゴ400」がデビューした翌年の1988年1月には、ホンダ「スティード」がデビュー。52度の狭角V型2気筒エンジン搭載のアメリカンクルーザーとしてライバルモデルとなるが、パワーは30馬力と非力だった。しかしながら、アメリカンクルーザーを好むユーザーは最高出力といった走行性能よりもスタイリングやカスタム性を重視する傾向も見られたことから、人気争いでは「スティード」の独壇場となり1990年代のアメリカンブームの火付け役とまで語り継がれるモデルとなった。
それでも「ビラーゴ400」は、フラットハンドルとアップハンドルの2タイプ構成でラインアップを続け、1989年に実施した仕様変更では、ダミーのタンクが実際に使用できる燃料タンクに変更し給油口もタンク上部に設置された。その後は、1994年に実施したマイナーチェンジモデルが最終型となり1996年に「ドラッグスター400」が登場するまで販売された。

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解説記事更新日：2021年10月06日

1987年にヤマハから新登場したXV400 ビラーゴの初期モデル。
XV400スペシャルの後継モデルであり、国内生産のアメリカンにありがちであった従来のロードスポーツに毛が生えたようなジャメリカンスタイルから一新、ローアンドロングで本格的なアメリカンフォルムを手にした。
エンジンには空冷4ストロークOHC V型2気筒を採用。最高出力は40PS/8,500rpm、最大トルクは3.5kg-m/7,000rpmを発揮。
カラーバリエーションにはディープスカーレッド、カメリアグリーンの2色を設定。
プルバックハンドルタイプとフラットハンドルタイプの2タイプが設定された。
新車販売価格は51.9万円だった。
1988年モデルではカラーチェンジを受けてボディカラーにブルーイッシュブラックを採用。
極小ダミータンクやワイヤースポークホイールを採用し、それぞれのシリンダーから有機的な生え方をしたマフラーはスラッシュカットタイプとするなど本格的なアメリカンスタイルを各所に取り入れていた。
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解説記事更新日：2022年01月09日

カラーチェンジを受けて発売された1989年モデルのXV400 ビラーゴ。
引き続きプルバックハンドルタイプとフラットハンドルタイプの2台体制でラインアップ。
ボディカラーはブルーイッシュブラック2を設定。
新車販売価格は52.9万円だった。
ライバル車には同時期に販売されていたホンダのアメリカンモデルであるスティード400が挙げられる。1988年モデルの最高出力は30PS/7,500rpm、最大トルクは3.5kg-m/5,500rpm、乾燥重量は196kgとなっており、加速性能では最高出力が高く軽量なXV400 ビラーゴ(40PS/3.5kg-m/乾178kg)の方が優っていたと言えるだろう。
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解説記事更新日：2021年11月24日

カラーチェンジを受けて発売された1991年モデルのXV400 ビラーゴ。
カラーバリエーションにはブルーイッシュブラック2、ライトグレーイッシュブルーメタリック1の2色を設定。
ライバルには当時スズキから発売されていた400ccのアメリカンモデルであるサベージ400が挙げられる。1992年モデルの最高出力は24PS/7,000rpm、最大トルクは2.7kg-m/4,000rpm、装備重量は172kgとなっており、加速性能では約15kg重くなっていながらも最高出力と最大トルクで大幅に上回っているXV400 ビラーゴ(40PS/3.5kg-m/装188kg)が優勢だったと言えるだろう。
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解説記事更新日：2021年11月24日

カラーチェンジを受けて発売された1992年モデルのXV400。
カラーバリエーションにはレッド、ブラックの2色を設定。
小排気量モデルはXV125に始まりXV250、大排気量モデルはXV750、XV1100までからなるビラーゴシリーズだが、輸出向けにはXV535という兄弟車が存在する。ちなみに欧州ではXV535が見事にヒット。ビラーゴの方ではなく排気量をとって535と呼ばれ、遠い欧州においてスズキのアメリカンモデルの認知を広めた。
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解説記事更新日：2022年01月09日

マイナーモデルチェンジを受けて発売された1994年モデルのXV400 ビラーゴ。
新たにクロム加工を施したバックレストを採用、フロントブレーキには異径2ポッドキャリパーを搭載、ウィンカーレンズの形状が変更された。
カラーバリエーションにはディープバイオレッドメタリック1、ニューブラックブルーの2色を設定。
ちなみにビラーゴという車名は英語で意味はじゃじゃ馬娘、口やかましい女、おてんば娘という意味である。
XV400 ビラーゴはこの1994年モデルを最終型として生産を終了。1996年にはドラッグスター400が後継モデルとして登場している。
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解説記事更新日：2021年11月24日