アドベンチャーツーリングの頂上モデルと言っても過言ではないBMWモトラッドの「R」シリーズ「GS」は、2024年ラインアップで世代交代を実施。従来の「R1250GS」に変わって次世代マシンとなる本モデル「R1300GS」へと移行された。日本国内向けは2023年11月から予約受注を開始した。

車体は新設計のスチール製シェルタイプフレームにアルミダイキャスト仕様のシートレールを組合せるという構造。そこにマウントされるエンジンは、ボア・ストロークが106.5mm×73mmのDOHC4バルブ空水冷ボクサーツインユニットとなる。従来モデルのエンジンからボアアップ&ショートストローク化された心臓部の排気量は1,300㏄まで拡大された。デビューモデルとなった2024年式は、最高出力が「GS」史上最もハイスペックの7,750回転145馬力仕様。最大トルクは、6,500回転で149Nmを発生する。「R1250GS」の136馬力・143Nmから大きくパワーアップしている。
ライディングモードは、「エコ」・「ロード」・「レイン」・「エンデューロ」・「エンデューロプロ」の5モードが用意された。
新型エンジンは、クランクシャフトの下にギヤボックスをレイアウトする設計で、カムシャフト周りも改良することで排気量アップしながらもサイズはコンパクト化に成功した。さらに軽量リチウムイオンバッテリーを新たに採用するなど、各部の見直しによりマシン重量は従来比で12kgも軽くなっている。

足回りは、BMWモトラッドオリジナルで優れた路面追従性と快適な乗り心地を両立するEVOテレレバー&EVOパラレバーを採用する。走行シーンに応じて電子制御されるDSA(ダイナミックサスペンション)仕様だ。
実用装備面では、グリップヒーターが全グレードで標準装備となって、キーレスライドも採用された。
デビュー時の国内向けグレード構成としては、標準タイプの他に「GS スポーツ」と「GS ツーリング」という異なるパッケージが用意されていた。

ライバルモデルとしては、格下排気量となるが2022年からドゥカティが展開する「デザート X」が台頭する。
エンジンは937ccのL型ツイン「テスタストレッタ11°」ユニットで、9,250回転110馬力というスペック。最大トルクは6,500回転で92Nmを発生する。マシン重量は223kgで本モデルより14kg軽い。ホイールベースは「R1300GS」が1,518mmに対して、「デザートX」は1,608mmある。シート高も本モデルが25mm低い850mmだ。一見すると大柄な「GS」だが、見た目よりも扱いやすいサイズとマシン設計だ。

なおデビューモデルとなった2024年モデルは、Option719を含むトータル3カラーバリエーションを展開。価格は284.3万円～336.8万円(税込)に設定されていた。

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解説記事更新日：2024年04月24日