AMAスーパークロスや全日本選手権元クロスに参戦していたスズキのモトクロッサー「RM」シリーズのノウハウを市販モデルにフィードバックする形で開発されたマシンが、「TS200R」だ。デビューモデルは1989年4月に登場した。
異なる排気量で1968年から空冷2ストロークエンジンを搭載して展開されてきた「TS」シリーズだが、本モデルは新たに水冷エンジンを採用。
ピストンリードバルブの水冷2ストローク単気筒エンジンを搭載。195㏄のH102型で、最高出力は8,500回転35馬力というスペック。排気デバイスには新たにAETCを採用していた。トランスミッションには6速リターン式で、乾燥重量は112kgだった。
当時のライバルモデルとしては、ヤマハの「DT200R」が107kgの軽量ボディに33馬力エンジンを搭載していた。また、カワサキからは「KDX200SR」が数ヵ月早くデビューしていた。「DT200R」と同じく107kgの車体にエンジンは「TS200R」と同じ35馬力のハイパワー仕様だった。
ただ、「TS200R」にはライバルモデルと大きく差をつける仕様が足回りに採用されていた。それが、フロントに装備された41mm径の倒立フォークサスペンションだ。国内展開されていた公道仕様のオフロードマシンが倒立フォークを採用したのは本モデルが初である。
ホイールはフロント21インチ、リア18インチのフルサイズ。ブレーキは前後共に油圧式ディスク仕様だった。
デビュー以降は、サスペンションセッティング変更などマイナーチェンジとカラーチェンジを実施しながら1996年モデルまで展開された。

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解説記事更新日：2022年03月10日

1989年にスズキから新登場したTS200Rの初期モデル。
同年にCRM250Rが発売されたことで空冷2stオフ車のパワー競争が過激化していくことになるのだが、本機はエンジンには水冷2ストローク単気筒を搭載。
最高出力は35PS/8,500rpmを発揮するモデルであった。フレームにはセミダブルクレードル型を採用。また、足廻りではフロントに倒立フォーク、リアにはモノサスペンションを搭載しており、当時のライバル車であったDT200RやKDX200SR(共に正立式フォークを採用)に比べてワンランク上といった雰囲気を持っていた。
カラーバリエーションにはマーブルサイエンスイエロー、スモークブラック、スペシャルホワイト(30H)、スペシャルホワイト(19X)の4色を設定。
1970年代から続くTSシリーズの後継モデルにあたるが、エンジンが水冷化され車名語尾にRが追加。ペットネームである”ハスラー”もこのTS200Rには設定されていない。
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解説記事更新日：2021年11月29日

カラーチェンジを受けて発売された1990年モデルのTS200R。
カラーバリエーションにはマーブルサイエンスイエロー、ダイナミックブルーNo.4、スペシャルホワイトの3色を設定。
ライバル車には同時期にヤマハから販売されていた200ccのオフロードモデルであるDT200Rが挙げられる。1989年モデルの最高出力は33PS/8,500rpm装備重量は121kgで2台のパワーウェイトレシオを比較するとDT200Rは3.66kg/PS、対するDT200Rは3.62kg/PS(35PS/127kg)で数値上の加速性能では僅かながらTS200Rが上回っていた。また、足廻りでもDT200Rは正立式フォークなのに対してTS200Rは倒立フォークを採用している点など、DT200Rよりも競技用マシンに近かったと言えよう。
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解説記事更新日：2021年11月29日

カラーチェンジを受けて発売された1991年モデルのTS200R。
カラーバリエーションにはマーブルサイエンスイエロー、ダイナミックブルーNo.3の2色を設定。シートにはそれぞれのボディカラーによって異なるカラーリングのグラフィックが施された。
同時期に販売されていた200cc、オフロードモデルのライバル車としてはカワサキのKDX200Rが挙げられる。1990年モデルの最高出力は37PS/8,000rpm、装備重量は114kgで2台のパワーウェイトレシオを比較するとKDX200Rは3.08kg/PS、対するTS20pRは3.62kg/PS(35PS/127kg)で数値上の加速性能ではKDX200Rが優っていた。また、パワーバンドでは’KDX200Rが7,000-8,000rpm、TS200Rは7,500-8,500rpmで大差はなかったと言えるだろう。
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解説記事更新日：2021年11月24日

カラーチェンジを受けて発売された1993年モデルのTS200R。
カラーバリエーションにはマーブルサイエンスイエロー、ダイナミックブルーNo.3の2色を設定。
前年にはスズキのレーサーレプリカモデルとして知られるRGシリーズの200ccクラスを担うRG200Γが登場。エンジンにはこのTS200Rと同系の水冷2ストロークピストンリードバルブ単気筒エンジンが採用されており、200ccというニッチなクラスでスズキが新しいエンジンを作る予算がなかったのかもしれないが別の視点から見ればTS200Rに積まれたエンジンがレーサーレプリカモデルに採用されるほど攻撃的なものだったとも言えるだろう。
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解説記事更新日：2021年11月24日

マイナーモデルチェンジを受けて発売された1994年モデルのTS200R。
このモデルからヘッドライトが常時点灯式へ変更となった。
カラーバリエーションにはマーブルサイエンスイエロー、ダイナミックブルーNo.3の2色を設定。
同年にはカワサキのライバル車であったKDX200SRがフルモデルチェンジを受け大排気量化したKDX220SRが新登場。1994年モデルの最高出力は37PS/8,000rpm、装備重量は122kgで2台のパワーウェイトレシオを比較するとKDX220SRは3.29kg/PS、対してTS200Rは3.62kg/PS(35PS/装127kg)となり、数値上の加速性能では最高出力が2PS高く車重では5kg軽いKDX220SRが僅かに優っていた。
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解説記事更新日：2021年11月24日

カラーチェンジを受けて発売された1996年モデルのTS200R。
カラーバリエーションには先代から引き続きマーブルサイエンスイエロー、ダイナミックブルーNo.3の2色を設定。グラフィックのみ変更を受けた。
ライバル車にはホンダのDT200Rがフルモデルチェンジを受けて登場したDT200WRが挙げられる。1994年モデルの最高出力は35PS/9,000rpm、装備重量は123kgで2台のパワーウェイトレシオを比較するとKDX220SRは3.51kg/PS、対してTS200Rは3.62kg/PS(35PS/装127kg)となり、数値上の加速性能では、最高出力は同数値ながら車重が4kg軽いDT200WRが若干ではあるが上回っていた。
TS200Rはこの1996年モデルを最終型として生産を終了している。
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解説記事更新日：2021年11月24日