1985年、並列2気筒エンジン搭載でデビューした1KTこと初代TZR250から3代目にあたるのが、90℃角Vツインエンジン採用で1991年にリリースされたTZR250R（３XT）。
先代にあたるサンマこと3MA型TZR250がピーキーな性格であったのに対し、2,500回転前後からしっかりとしたトルクを発揮し、市街地走行とレース走行を両立させた守備範囲の広いオールラウンダー的なレプリカマシンです。驚くべきなのはレーサー・TZ250と同時開発されたクランクケースなど、多くのパーツが共通である点にあり、まさにヤマハが本気で2ストレプリカの頂点を狙いにいった情熱の塊と言っても過言ではありません。初代1KTから受け継がれたハンドリングと車体の軽さが最大の武器で、かつては鈴鹿4時間耐久レースで常勝軍団となっていた”ハチハチ”を含むホンダ・NSR250らを一蹴。パワーとハンドリングで見事に6回もの優勝を重ね、96年にスズキ・RGV250γが立ちはだかるまでの間、まさにTZ250に迫る破竹の快進撃を続けました。高回転型の2ストレプリカながら、低い回転数からグイグイ攻める走りができ、なおかつスムーズに回るエンジン特性で街乗りも文句なし。下から上まで実に扱いやすく、なおかつ速いというリアルレーサーレプリカと呼べるマシンです。
現在の中古バイク市場においては、すでに絶版入りして久しい状況ながら人気に拍車がかかり、平均取引相場は右肩上がり。完調車であれば50万円以上の取引価格が常態化しており、特にカウリングなどの外装類が綺麗な個体はおしなべて高値が期待できる傾向。さらに乾式クラッチとクロスミッションを採用したSP仕様はより期待値が高く、マニアが血眼で探すほどの人気ぶりで高値必須と言えるでしょう。弊社バイクパッションでは、80年代後半からのレーサーレプリカブームを実体験として知る熟練の査定スタッフが担当。豊富な知識と経験に基づき、SP忠男製ジャッカルチャンバーといった当時モノのパーツなども正当にプラス材料として評価。もちろん、スイングアーム剛性などが見直された92年モデルや、乾式クラッチ装備のTZR250RSといった派生モデルも大歓迎いたしますので、本当に高く売りたいとご検討中のオーナー様は、ぜひとも弊社までご相談いただければ幸いです。

解説記事更新日：2020年12月17日

フルモデルチェンジを受けて発売された1991年モデルのTZR250R。
エンジンを従来の水冷2ストローク2気筒から水冷2ストロークV型2気筒に変更。新たに偶力バランサーを採用、最高出力、最大トルクに変更は無かった。
フレームは従来のデルタボックスフレームをコンパクト化し、ボディのサイズは長さは2,040mm→ 1,960mm、幅は655mm→ 680mm、高さは1100mm→1,075mmとなっている。
カラーバリエーションにはシルキーホワイト、ダークグレーの2色を設定。
新車販売価格は62.9万円だった。
車体のコンパクト化に加えてボディのフォルムは先代モデルから比べて流線型で滑らかになっており、排気系では左右のチャンバーがそれぞれ異なるサイズであったためマフラーそのものが左右で非対称の長さになっている点などレーシーな雰囲気を持ちながらも個性的でありユーザーからの評価が高かった。
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解説記事更新日：2021年11月29日

マイナーモデルチェンジを受けて発売された1992年モデルのTZR250R。
スイングアーム底板の剛性向上、サスペンションの設定変更を受けた。また、ハザードランプを新採用した。カラーバリエーションにはシルキーホワイト/ビビッドレッドカクテル、シルキーホワイト/ダークグレー1の2色を設定。
同年にはTZR250Rをベースに乾式クラッチと前後に調整可能なサスペンションを装備したバリエーションモデルのTZR250RSが登場している。
ライバル車にはホンダの250ccレーサーレプリカモデルであるNSR250Rが挙げられる。1992年モデルの最高出力は45PS/9,500rpm、乾燥重量は132kgとなっており、2台のパワーウェイトレシオを比較するとNSR250Rは2.93kg/PS、対するTZR250Rは2.8kg/PS(45PS/乾125kg)で、最高出力は同数ながら数値上の加速性能では軽量なTZR250Rが優っていた。
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解説記事更新日：2021年11月20日

マイナーモデルチェンジを受けて発売された1993年モデルのTZR250R。
新たな馬力規制によって最高出力が45PS/9,000rpm→40PS/8,000rpmへ、最大トルクは3.8kg-m/8,000rpmから3.6kg-m/7,500rpmへと低下した。
カラーバリエーションにはブルーイッシュホワイトカクテル1を設定。
ライバル車には共に250ccレーサーレプリカモデルとして時代をかけ抜いたスズキのRGV250Γが挙げられる。1993年モデルの最高出力は40PS/9,500rpm、乾燥重量は139kgで2台のパワーウェイトレシオを比較するとRGV250Γは3.47kg/PSでTZR250Rは3.15kg/PS、そしてパワーバンドはRGV250Γが8,000-9,500rpmなのに対してTZR250Rは7,000-8,000rpmとやや低回転型であり加速性能ではTZR250Rが優っていた。
TZR250Rはこの1993年モデルを最終型として生産を終了が、バリエーションモデルであるTZR250SP/SPRは’94、’95年と引き続き販売された。
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解説記事更新日：2021年11月20日