GPZ400Rは、400ccクラスでカワサキ初の水冷エンジンを搭載したバイクです。1985年に発売されました。なお「Z」が大文字なのは水冷、小文字なのは空冷を意味します。気筒あたり4バルブDOHCをアルミクロスフレームに載せ、59馬力を発生しました。
前年83年には、あのGPZ900R Ninjaも発売されています。市販車で初めて最高速250km/hを軽々と超え、世界的ベストセラーになったNinjaの余波を受け、中型クラスにカワサキが投入した渾身の一作がGPZ400Rでした。
しかしカワサキは、他社のレプリカとはひと味違うテイストを与えます。
GPZ600Rベースの大柄な車体、左右2本出しマフラーやセンタースタンドを搭載、ツアラー的要素もありますが、水冷DOHC16バルブエンジンは自主規制上限の59ps、最大トルクは3.6kg-mを発生し、峠では負けても街乗りやクルージングでの快適さはワンランク上、オールマイティな強さを発揮したのです。
CdA値0.29以下という優れた空力特性も少年たちの心をつかみました。「我は我が道を往く」というコンセプトは市場に受け入れられ、大激戦の時代、2年連続で400ccクラス年間ベストセラーモデルに輝いたのです。
改めてGPZ400Rを見てみると、1985年モデルはシート下がシルバーに塗られ、ボディ全体が「X」の文字で貫かれているかのようです。フロントにはアンチノーズダイブ機構があり、前後16インチホイールの低い姿勢、赤い段付きシート、【GPZ1000RX】に似たカウルとヘッドライトなど、そこにはGPz400Fの面影はありません。エンジンといいボディといい、全体からカワサキの新たな方向性が感じ取れるのです。
カタログコピーにはこうあります。
「ダイナミックな走りを追求したフルカバードエアロフォルムに”R“のパフォーマンスを秘めて・・・」
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解説記事更新日：2021年05月04日

1985年に発売されたGPZ400RのD1は、GPZ400Rの初期型です。エンジンはカワサキ初の400ccクラス水冷エンジン、DOHC、1気筒あたり4バルブをアルミクロスフレームに載せ、59馬力（当時の自主規制馬力の上限）を発生しました。
カワサキが前年84年に発売した【GPZ900R Ninja】は、それまでの空冷Zから脱却し、市販車で初めて最高速250km/hを軽々と超えて大ベストセラーとなっていました。その勢いで中型クラスに投入した渾身の一作がGPZ400Rだったというわけです。
当時の二輪免許制度において、GPZ600Rベースの大柄な車体は魅力がありました。加えて
左右2本出しマフラーやセンタースタンドを装備、ツアラー的要素も取り入れています。
カワサキ400cc初のフルカウル、CdA値0.29以下という優れた空力特性、アルミ製角形断面フレーム、6速ミッションなどもライダーたちの心をつかみました。
このモデルでカワサキが示したのは、単なるレプリカではない、街乗りやクルージングでの快適まで含めたオールマイティな強さです。その結果、85，86年と2年連続で400ccクラス年間ベストセラーモデルに輝きました。
D1型はカウルの一部がシルバーに塗られ、ボディ全体が「X」の文字で貫かれています。前後16インチホイールは旋回性が良すぎる傾向がありますが、低いポジションにまたがり、カウル越しに前方を眺めれば、気分はすっかり80年代です。
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解説記事更新日：2021年07月31日

1986年式のGPZ400R D2はマイナーチェンジを受けています。
・プラグホール付近に水が溜まりやすく雨天時に失火しやすかった点を改良
・アッパーカウルのサイドに「Ninja」ロゴが追加
・D2限定《ブラック&ガンメタ&赤ライン》《エボニー×パールコスミックグレー》の限定モデル発売、このタイプのみホイールは赤。
・D2限定《ライムグリーン&ホワイト》のカラーリングを限定300台で発売
エンジンスペック、ボディ構成などに変更はありません。
1986年当時といえば、ライバルはGSX-R400、FZ400、CBR400Rなどのレプリカマシン、それらに比較してGPZ400Rはツアラー的要素が濃いのが特徴です。一つのことに尖りすぎたバイクもいいものですが、広く長く受け入れられるバイクとは、市街地から峠道、高速道路までオールラウンドな状況で快適に走れるバイクだというわけです。
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解説記事更新日：2021年07月31日

1987年式のGPZ400R D3はマイナーチェンジを受けています。
・カラーリングは《エボニー》、《キャンディパーシモンレッド×メタリックグレーストーン》の2種類
・テール部分に「GPZ」、カウルに「Ninja」のロゴ
・エボニーカラーはマフラーとフレームも黒
・各部パーツの軽量化、バルブスプリングの強化、コネクティングロッドの特殊表面処理などを実施
・D2まででトラブルの多かったイグナイターユニットを改良タイプに変更
1987年には後継モデル【GPX400R】が発売され、【GPZ400R】は終売かと思われました。しかしながら市場での人気は圧倒的にGPZに軍配があがり、2車は平行販売されました。理由はGPXのスタイリングがおとなしかった点のようですが、あるいは車名に「Z」がつくかどうかがカワサキファンに強かったのかもしれません。また87年はレプリカブームも下火となっており、そうした時代背景もあって、GPZ400Rはレプリカマシンより人気があったのかもしれません。
トータルバランスに優れた400cc＝GPZ400Rの売却をお考えでしたら買取査定は旧車の価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2021年07月31日

1989年式のGPZ400R D4は、最も多くのマイナーチェンジを受けたモデルです。
・後継車のGPX400Rとエンジンや足回り等を共通化
・キャブレターセッティングの変更、マフラーの大型化
・圧縮比をアップ（11.0→11.4）
・カムシャフト、シリンダーヘッド、ピストン、オイルリング、シリンダー、クランクシャフトの変更（GPX400Rと共通化）
・フロントブレーキディスク大型化、キャリパーをシングルからデュアルピストンに変更
・フロントフォークのエア注入バルブ廃止
・アンチノーズダイブ機構（AVDS）を電気式に変更
・リヤブレーキディスク小径化
・点火制御にデジタルイグナイタを採用、オルタネーターの変更など
・グラブバーを標準装備（D3までオプション扱い）
・スピードメーター速度警報装置の廃止
・ウインカースイッチにプッシュキャンセル式を採用
・乾燥重量が181kgに増加
89年にはカワサキからゼファー400も発売され、バイクの魅力がスペックだけで語られる時代は終わろうとしていました。全てを取り去った原点としてのバイク、感性に訴えるバイクが見直された時でもあります。そんな時代にあって、GPZ400Rはレプリカ一辺倒ではないバイクの魅力を教えてくれたと言えます。
販売台数はD1からD3が最も多く、D4のタマ数は少ないです。いわば最も完成されたGPZ400Rであって、GPZ400Rを中古で買うなら、D4が最もお勧めと言えます。あるいはD4型をお持ちの方は、高額査定が期待できます。
GPZ400R D4の売却をお考えでしたら買取査定は旧車の価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2021年07月31日