70年代の空冷2スト400ccクラス最強のスペックを誇り、マッハシリーズの次男として人気を馳せたカワサキ・350SS。その正統後継モデルにあたるのが、1974年登場の400SSです。
350SSのエンジンをベースに、400ccまでボアアップし大径のVM26キャブを採用。扱いやすさを重視し、最高出力こそ3PSダウンの42PSとなりましたが、その分最大トルクを強化し、鋭いピックアップと汎用性の高い出力特性に。さらにエンジンをラバーマウント化したことにより、振動性を抑えコーナリング時の安定性を高め熟成化が際立ったマシンです。直進安定性を高めるため、スイングアームの延長などに伴い車体重量は159kgにまで増加したものの、4ストロークのZシリーズに通じる近代的な走行性能を有するまでになりました。低回転域でもトルクが太く、それでいて高回転まできっちり回る元気なエンジンは、今日現在の4ストマシンしか知らない世代にも分かるバイク本来の魅力である操る楽しさと、よい意味での"旧さ"を感じさせる独自の世界観に満ち溢れています。旧車だけに、個体による当たり外れはあるものの、2ストトリプル特有の痛快なエキゾーストはマッハ乗りだけに許された愉悦感をこの上なくくすぐってくれます。
現在の中古バイク市場では、その他2ストマシン同様に高値安定傾向。2020年はコロナ禍の影響を受け、流通台数が激減したこともあって平均相場が下がったように見えますが、当時のライバルであったスズキ・GT380らに引けを取らず、程度のよい個体は高額で取引されております。弊社では、その他マッハシリーズも含め絶版2スト車を知り尽くした経験豊富な査定スタッフが担当し、オーナー様の大事にしてこられた400SSの真価を誠実に査定。ケーツーテック製チャンバーやホット&クール製外装など、カスタムパーツに関してもプラスアルファの上乗せでご期待に全力でお応えさせていただいております。

解説記事更新日：2020年10月23日

1973年にカワサキから発売された400SS マッハⅡ S3。
350SSを先代モデルに持ち、1973年10月の東京モーターショーで発表、エンジンには350SSからボア径を4mm拡大、排気量を400ccへアップした。排気量が上がってパワーアップも期待されたものの最高出力は350SSの44PSから2PS低下した42PSに、ホイールベースを延長、エンジンはラバーマウントとなり、走行中の安定性を向上。その結果それまでの350SSファンからは安定性重視のデチューンモデルと呼ばれることになった。また、350SSでは専用の外装パーツをしていたが400SSからは500SSど同様のパーツを搭載するようになり、よりマッハシリーズであることを強調した外観となった。
カラーバリエーションにはキャンディーマルーンとキャンディースカイブルーの2色を設定。銃弾のようなグラフィックから弾丸マッハと呼ばれた。
73年モデル 400SS マッハⅡ S3のご売却をお考えなら買取査定はその価値に精通しているパッションに！

解説記事更新日：2021年07月10日

1974年の400SSマッハⅡには変更ありません。73年に350マッハⅡ(S2)のボアを拡大して400ccとしていますが、出力は2馬力ダウン。エンジンのラバーマウントやホイールベースの延長などで350SSと比べるとかなり穏やかになりました。
バイクも車も、モデルチェンジを重ねるごとにマイルドになることが多く、その意味で400SSは、500SS、750SS、350SSが持っていた
【未完成さすら感じさせる荒削りな乗り物】
という乗車感覚はほとんど感じられません。ここにはもう、「ウィドウメーカー（未亡人作り）」と海外で呼ばれたマッハⅢの荒々しさは影をひそめています。
また排気量が拡大された理由は、75年から免許制度が改正され、400ccが中型免許として排気量の区切りとなるからです。同時に500，750とデザインの共通化が行われています。
現在では、製造から50年近くを経過していますので、旧車、特に2ストエンジンを良好なコンディションで維持していくのはなかなか困難です。
しかし、そんな困難さを全て忘れさせてしまうほどの魔力が、このバイクにはあります。
春や秋のよく晴れた日、キック一発！
「ギャイーン」
と賑やかな排気音と白煙を3本マフラーから吐き出せば、もう他のことは一切忘れてしまいます。
たとえフレームが弱くてもブレーキが効かなくても、燃費が悪くても、こんなバイクはもう決して製造されない。そう思うと、全てのあばたもえくぼに見えてしまいます。どんな欠点があっても、マッハの魅力は他のバイクでは決して得られません。
そんな事情もあって、400SSの中古車相場は高騰しています。
400SSマッハⅡの買取をご希望でしたら、査定は旧車の価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2021年08月10日

カラーチェンジを受けて発売された1975年モデルの400SS マッハⅡ。
カラーバリエーションにはキャンディーマルーンとキャンディーグリーンの2色を設定。グラフィックは750SS、500SS、250SSと’75年モデルでは共通のボードラインを採用。サーフボードに似た形であることからボードラインと呼ばれるが、同時に日本刀に似ていることもあり、刀ラインとも呼ばれた。
400SSとしてはこの’75年モデルを最終型として生産を終了。世界的な2ストローク車への環境性の問題視が原因となっており、以降後継モデルとしては 4ストローク化したKH400が発売されている。
75年モデル 400SS マッハⅡ S3のご売却をお考えなら買取査定はその価値に精通しているパッションに！

解説記事更新日：2021年07月10日