BMWモトラッドは2018年に「R」シリーズに搭載する水平対向エンジンをリニューアル。日本国内へは、2018年のインターモトでお披露目された「R1250GS」と「R1250RT」が、まずは導入された。そして同年のミラノショーでは、「R1250GS」の装備を充実させた上級グレードとなる本モデル「R1250GS アドベンチャー」が登場。2019年モデルとして同年1月に国内販売が開始された。
言うまでもないが、本モデルは2006年から継続ラインアップされてきたロングセラーマシン「R1200GS アドベンチャー」の後継モデルだ。
スチール製のトラス構造フレームに搭載するエンジンは、排気量を1,254ccまで拡大したDOHC4バルブの空水冷ボクサーツインユニットとなる。ボア・ストロークは、102.5mm×76mmで、新たにBMWモトラッド独自の可変バルブタイミング機構「シフトカム」を組み込んだ新たなパワートレインを採用。最高出力は、7,750回転で136馬力を発揮。最大トルクに関しては、6,250回転143Nmというスペックになる。先代モデルの125馬力・125Nm仕様から大きくパフォーマンスアップを実現している。新たに取り入れられた「シフトカム」は、5,000回転を境に吸気バルブタイミングが低回転側から高回転側へ切り替わり混合気の充填効果をアップさせるという仕組みだ。このニューシステムによって、低速時のコントロール性やスロットルを開けた際の瞬発力が大きく向上している。
足回りには専用セッティングが施された、テレレバーフォークフロントサスペンションとパラレバータイプのリヤサスペンションを装備。タイヤサイズはフロント19インチ・リヤ17インチという設計。ベースモデルとなる「R1250GS」と異なる専用装備としては以下の内容が含まれる。

・30L大容量燃料タンク
・エンジンガード
・パニアケースステー
・ハンドルガード
・専用セッティングサスペンションなど

専用アイテムは主にオフロードや長距離移動時の利便性や安全性を高めるものが中心となる。ライバルモデルとしては、ハーレーの「RA1250S パン アメリカ スペシャル」が候補に挙がる。258kgの車体に搭載する1,252ccの水冷Vツイン Revolution Max 1250は、6,750回転で152馬力を発生させる。最大トルクに関しては6,750回転128Nmという仕様。重量は「RA1250S」が20kg軽く、シート高も830mmで60mm低い。走行時と停車時で最適なシート高に調整するビークルロードコントロールも標準装備している。全く異なる特性のエンジンでスタイルや特徴も異なるが直接競合マシンとして台頭するモデルだ。
またドゥカティの「Multistrada 1260」も比較対象になる。2018年式で従来モデルの「Multistrada 1200」から世代交代となったマシン。232kgの車体に搭載する1,262ccの可変バルブタイミング機構付き「テスタストレッタDVT」は、水冷90度Vツインユニットで9,500回転158馬力というスペック。最大トルクは、7,500回転で129.5Nmを発生する。そして2021年にはV4エンジンで170馬力・125Nmの「Multistrada V4」へ進化。ハイスペック化が止まらない同じヨーロッパ発のライバルだ。
なおデビュー以降の「R1250GS アドベンチャー」は、カラーチェンジや仕様変更、限定モデルの展開などを実施しながらラインアップを継続している。

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解説記事更新日：2023年07月27日

BMWモトラッドのアドベンチャーツーリング旗艦モデルが、2019年式で次世代へと進化。2018年のミラノショーで公開された「R1250GS アドベンチャー」が2019年1月に日本に正規導入されたのだ。
モデル名に含まれる数字が大きくなっていることからお察しの通りエンジンは排気量が拡大された。今や先代モデルとなった「R1200GS アドベンチャー」は、1,169ccのボクサーツインを搭載していたが、本モデルはボア・ストロークが102.5mm×76mmの1,254ccまで大型化した。最高出力は従来の125馬力仕様から7,750回転136馬力までアップ。最大トルクも125Nmから6,250回転143Nmというスペックに向上している。
新たに採用されたニューエンジンには、低回転域と高回転域で吸気バルブのタイミングを変化させる「シフトカム」機構が組み込まれパフォーマンスアップを実現した。
マシン重量は278kgで従来モデルより18kg増。そしてひと足早く導入されていたベースモデルで同エンジンを搭載する「R1250GS」は、256kgで22kgも軽い。
ただ、本モデルはアドベンチャーモデルとしての装備が充実しており、エンジンガードや1.5倍容量となる30L燃料タンクなど実用性面で頼もしい仕様に仕上げられている。
デビューモデルとなった2019年式は、「アイスグレー」、スタイルエクスクルーシブの「カラマタメタリックマット」、スタイルHPの「HPモータースポーツ」というトータル3カラーバリエーションを展開。国内向け価格は267.5万円(税込)で発売となった。

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解説記事更新日：2023年07月27日

キング・オブ・アドベンチャーというキャッチフレーズが相応しいBMWモトラッドの「R1250GS アドベンチャー」は、前年にエンジンを含む各部の大幅な刷新を受けたが、今回の2020年式では大きな仕様変更を受けることなく継続ラインアップとなる。
新たに搭載された「シフトカム」を採用する1,254ccのボクサーツインエンジンは、7,750回転で136馬力を発揮。最大トルクは6,250回転で143Nmに達する。重量は278kgと重いが、30Lの大容量タンクやエンジンガード、パニアケースステーといったアイテムが標準装備となる。
ちなみに「GS」シリーズには、弟分モデル的な存在で853ccのパラレルツインエンジンを搭載する「F850GS アドベンチャー」もラインアップされている。重量は256kgで、最高出力は8,250回転95馬力というスペック。最大トルクは6,250回転で92Nmという仕様。ただ、ホイールベースは1,590mmで本モデルの1,525mmよりロングな車体となる。「R1250GS アドベンチャー」は、重厚な装備のため大柄にも見えるが、マシンに跨ってしまえば取り回し性能は「F850GS」より扱いやすいだろう。
なお2020年式の本モデルは、前年と同じカラーバリエーションで展開。北米向けの「アイスグレー」が20,690ドル、エクスクルーシブスタイルの「カラマタ・メタリック・マット」は21,190ドル、そしてトリコロールタイプのHPスタイル「ライトホワイト×レーシング・ブルー・メタリック×レーシング・レッド」が21,265ドルに設定されていた。

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解説記事更新日：2023年07月27日

オンロードからオフロードまで優れた走破性と安定性で世界中のライダーから熱い支持を得ているツーリングエンデューロ「R1250GS アドベンチャー」だが、デビュー3年目となる2021年式で最初のマイナーチェンジを実施。以下のアップデートが施された。

・ラインディングモード仕様変更
・ダイナミックエンジンブレーキコントロール採用
・「GS」40周年記念モデル設定
・カラーチェンジ

時の流れとともにアップデートを繰り返し進化してきた「GS」シリーズだが、そのヒストリーは1980年の「R80G/S」まで遡ることになる。2021年モデルには、その初代「GS」誕生から40年が経過したということで、40周年記念モデルが用意された。往年の「R100GS」をモチーフにしたブラックとイエローのツートーンカラーを採用して特別なモデルであることがひと目で識別できる。
また電子スロットルの空水冷ボクサーツインを制御するライディングモードには、「エコ」が新たに追加されて環境性能を重視した走行が可能となっている。スペックに関しては前年通りで、7,750回転136馬力・6,250回転143Nmという仕様で継続となる。
今回の2021年式では安全装備のアップデートも実施されており急なシフトダウン時にリアタイヤのスリップを回避する「ダイナミックエンジンブレーキコントロール」を搭載した。
カラーバリエーションは、「アイスグレー」が継続で、ニューカラーの「スタイル・トリプル・ブラック」、トリコロール仕様でフラットシートを装着する「スタイル・ラリー」の3バリエーションを展開。価格はグレードごとに異なっており、スタンダードが231.9万円(税込)、プレミアムラインとプレミアムスタンダードは278.6万円(税込)に設定された。なお40周年記念仕様はプラス2.3万円となる。

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解説記事更新日：2023年07月27日

前年に最初のマイナーチェンジを受けて、電子制御系統がさらに熟成されたアドベンチャーツーリングのフラッグシップ「R1250GS アドベンチャー」だが、2022年式では大きな仕様変更を受けることなくラインアップを継続。
カラーバリエーションは、マシンの各部をブラックアウトして精悍なイメージに仕上げた「スタイル・トリプル・ブラック」、2019年のデビュー時から設定されている「アイス・グレー」、そしてトリコロールカラーにフラットシートを採用する「スタイル・ラリー」の3パターンを展開。特別限定モデルとして発売されていたイエローとブラックの「Edition 40Year GS」はラインアップから外れている。
メカニカルな部分の変更もなく、1,254ccの空水冷ボクサーツインエンジンは、7,750回転で136馬力を発揮する。最大トルクは6,250回転143Nmという仕様。ライディングモードを「エンデューロ」に設定してアグレッシブな走行を楽しむこともできれば、2021年式から用意された「エコ」モードを選択して省燃費走行を実現することも可能で、マルチなマシンだ。
ライバルモデルとしては、スズキが2020年モデルから展開している「Vストローム 1050 XT」が比較対象になるだろう。パワーユニットには、1,036ccの水冷90度Vツインエンジンを採用する。最高出力は8,500回転で106馬力、最大トルクは6,000回転99Nmというスペック。格下排気量となるのでスペックも見劣りするが、重量は本モデルより31kg軽い247kgに収まっている。全長は2,265mmで「R1250GS アドベンチャー」より5mmショートだが、ホイールベースは30mmロングの1,555mmある。サイズやスペックなどライダーの主な利用シーンによってチョイスの判断は分かれることだろう。
なお2022年式「R1250GS アドベンチャー」は、北米向けが20,345~25,632USドルの価格帯で販売された。

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解説記事更新日：2023年07月31日

ツーリング・エンデューロのフラッグシップ的存在となるのが、「R1250GS アドベンチャー」だ。BMWモトラッドの「GS」シリーズは、コンパクトサイズの単気筒モデル「G310GS」からミドルクラスの「F」シリーズ、ヘリテイジモデルの「R nineT アーバンG/S」など異なる排気量クラスから様々なマシンがラインアップされているが、その中でも「R1250GS アドベンチャー」は、悪路走行から長距離高速ツーリングまで快適なライディングを可能にする装備を標準採用する本格的マシンである。2023年式では以下のアップデート受けて、さらに完成度が高められた。

・デイタイムランディングライト採用
・空気圧センサー採用
・カラーチェンジ

トレードマークとも言えるフロントの異形LEDヘッドライトには新たにDRL(デイタイム・ランディング・ライト)を採用し安全性が向上。さらに空気圧センサーが取り付けられたことで、メーター機能を備えたインフォーメーションディスプレイでより細かなマシン状況を確認できるようになった。
エンジンスペックは従来通りで主要諸元も変更は無い。1,254ccのDOHC4バルブ空水冷ボクサーツインエンジンは、7,750回転で136馬力を発揮する。最大トルクは6,250回転143Nmという仕様。ライディング・モードProが実装されており走行モードは最大で7つを設定可能。エコ・モードを選択すればタンク内のガソリン残量に応じて航続距離を延ばすライディングが可能となる。燃料タンク容量はベースモデルの「R1250GS」の1.5倍となる30Lという頼もしい仕様。さらにエンジンガードやハンドルガードが装備され収納スペース拡張のためのパニアケース取付けステーも装着されている。
なお2023年式の「R1250GS アドベンチャー」は、トリコロールタイプの「ライト・ホワイト×レーシング・ブルーメタリック×レーシング・レッド」、「アイス・グレー」、「ブラックストーム・メタリック×アガット・グレー」、そしてGSトロフィータイプの「グラビティ・ブルー・メタリック・マット」の4カラーで展開。価格は250.1万円(税込)から用意された。

買替や売る際の買取査定は、2023年式 R1250GS アドベンチャーの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2023年06月24日

30Lの大容量燃料タンクや無骨なエンジンガードを標準装備するアドベンチャーマシンの最高峰「R1250GS アドベンチャー」だが、2024年ラインアップには次世代モデルの「R1300GS」が登場した。世代交代が行われつつあるBMWモトラッドの「GS」シリーズだが、本モデルは2024年式もラインアップを継続。以下の内容でアップデートが行われた。

・日本限定アルティメットエディション展開
・カラーチェンジ

メカニカルな部分の変更は無く、主要諸元は前年通りで展開された。
スチールパイプ製フレームにシフトカム機構を内蔵する1,254ccの空水冷ボクサーツインを搭載する伝統的な車体構造。最高出力は7,750回転136馬力で、最大トルクは6,250回転で143Nmを発生する。
足回りは、フロントにBMWオリジナルのテレレバーを装備して、リヤはアルミ製片持ちスイングアームにパラレバー式サスペンションを組み合わせる。
シート高はローダウン仕様を選択すれば、820～840mmとなるので、足つき性の心配も解消するだろう。ちなみにスタンダードサスペンションの場合は、890～910mmとなっていた。
2024年式で日本向けに導入されたカラーリングと価格は以下の通り。

・継続「アイスグレー」　308.9万円(税込)
・継続「ブラックストリームメタリック」 トリプルブラック　316.2万円(税込)
・新色「レーシングブルーメタリック」 スタイルラリー　318.7万円(税込)
・継続「グラビティ・ブルー・メタリック・マット」 GSトロフィー　320.6万円(税込)
・限定「アルティメットエディション」　382万円(税込)

日本限定で2024年3月に発売された「アルティメットエディション」は、「ブラックストリームメタリック×ブラック×アガットグレイ」の専用カラーを採用して、ブラック仕上げのアルミ製パニアケース&トップケース、スモークシールド、限定エンブレムといった特別なパーツが装着されていた。

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解説記事更新日：2024年04月07日