国産400ccシングルの名車と言えば、本モデル「SR400」が代表的存在であることは誰しも納得だろう。
発売は1978年で、当時は400ccクラスの単気筒エンジンを搭載したオンロードバイクはまだ存在していなかった。車両の基本コンポーネントはオフロードマシンの「XT500」をベースに開発。ショートストローク化し排気量を400ccへダウンした空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒を搭載。ナロータンクにフロント19インチのスポークホイールを履きブレーキはディスク仕様だった。
デビュー時のカラーリングは「ブラックゴールド」と「マコマルーン」の2カラーが展開されたが「ブラックゴールド」は特に人気があり、その後の約40年にわたって続くモデルライフの中で設定された限定モデルにも何度か採用されている。
その後は短いスパンでマイナーモデルチェンジを実施していくが、トピックを上げていくと
1979年のSPタイプでホイールがキャストタイプに変更された。しかし市場の反応はイマイチだったために再び1983年モデルからスポーク仕様が標準となり翌年の84年には初のサンバーストカラーとヤマハの音叉マークが採用された。このサンバーストカラーは、レトロな雰囲気の中にも高級感があり、その後の限定モデルにも設定されていく。
さらに1985年には、デビュー時から採用していたフロントディスクブレーキがドラム仕様に変更されてホイールサイズも1インチダウンの18インチとなる。ブレーキに関してはスペックダウンかとも思わせるが、ホイールサイズが前後同径になったことでハンドリングは向上した。ここからは約15年に渡ってドラムブレーキ世代が継続していく。その間にキャブレターの変更や限定モデルの発売などを経て2001年に保安基準の変更に伴いディスクブレーキが復活。当時の環境規制にも対応しながら長年生産を続けてきたが、2008年にとうとう排ガス規制の壁に阻まれて一旦生産中止となってしまう。それでも翌年末にはフューエルインジェクションを採用し規制に対応したモデルを発売して復活。しかしながら、またしても時を追うごとに厳しさを増す環境規制に対応することが難しく、2021年に「ファイナルエディション」を展開し生産終了がアナウンスされた。
販売期間を通じてフルモデルチェンジと言える大きな仕様変更は無かったSR400だが、フレームの型式は
初代2H6型【1978～84年式】
1JR型【1985～2000年式】
RH01J型【2001～08年式】
RH03J型【2010～17年式】
RH16J型【2019～21年式】
と5つに分かれており、高年式の型式の方が中古相場が高いのだが、ファイナルエディションがアナウンスされたタイミングからいずれの型式も相場が上昇し始めている。

モデルライフの中で、おなじく400ccシングル搭載で軽さが魅力的だったホンダ「CB400SS」や独特の重量感があるカワサキ「W400」などレトロデザインのマシンは存在してきたが、長年にわたってエンジンやミッションといった基本構造を変更せずキックスターターを採用していたモデルとしても「SR400」は唯一無二の歴史に残るマシンであろう。

買替や売る際の買取査定は、SR400の中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2021年10月28日

1978年3月、その後40年以上の長きにわたり生産されることとなるSR400が誕生しました。しかし3年前の1975年、自動二輪免許制度が改正され、大型二輪免許は一発試験のみとなっており、それを受けてSR500とSR400が同時に発売されています。
「Simple is the Best」の言葉どおり、可能な限りの無駄を廃した作りは、まさにバイクの原点とも言うべき存在です。軽量な車体、取り回しのしやすいハンドリング、虚飾のない素朴で美しいデザイン、単気筒エンジンという分かりやすいメカニズム、心地よい振動と排気音、そしてキックスタートのみの始動方式など、どれをとってもSRならではの魅力です。
SR400は、ヤマハを代表するバイクの1つと言っても過言ではありません。
1978年から84年製つまり初期型のSRには幾つかの特徴があり、なかでもフロント19インチホイールが大きな特徴です。
他には、スリムなデザインのタンク、グラブバーのないテールカウル、強制開閉VMキャブレター、前方寄りのステップなどがあげられます。
しかし、SRの魅力はそれにとどまりません。軽くて乗りやすいため、女性ライダーにも人気がありますし、シニアが乗ればシックに、ティーンが乗れば軽快に見えるビジュアルもウリです。カスタムパーツも豊富で、カフェレーサー風からスクランブラー風までも受け入れる懐の深さも、他にあまり例がありません。

～朝もやの中、ガレージからSRを引っ張り出す。こいつの始動はキックだけだが、チョークを引いてキック、思い切り踏み下ろすとスタタタンと一発でエンジンがかかる。こいつは、自分好みに仕立て上げた世界に一台のSRだ。暖気が終わったら、あごひもを締めてさあ走りだそう。今日はどんな一日が待っているのだろう・・・。
売る際の買取査定はSRの価値に精通しているパッションに！

解説記事更新日：2021年01月26日

1980年モデルのSR400は、キャストホイールが装着されています。同時に車名も「SR400SP」に変更されました。「SP」とは、当時のヤマハがキャストホイール車に共通してつけていた名前です。
当時はやっと認可の下りたキャストホイールを装着するのが流行りで、SRも例にもれず7本スポークのホイールを装着しました。またこの年式から、リアのタンデムグラブバーがついています。
しかしSRのクラシカルな雰囲気にフロント19インチのキャストホイールはいかにも不似合いで、車重も4kg増加。しかしながら皮肉というか幸運というべきか、そのためにホイールをスポークに変更したり、スクランブラー風にしたりと、SRをカスタムベースとして見る流れができたのも事実。
キャストホイール化が生んだ意外な顛末というわけです。
そんな理由から、キャストホイールのSRはあまり現存していません。あったとしても査定額にはあまり影響せず、他の年式とあまり差はありません。
もしもあなたがSR400の売却をお考えでしたら、買取査定はSR400の価値に精通しているパイクパッションに！

解説記事更新日：2021年01月28日

1982年、SR400はマイナーチェンジを受け、不評だったキャストホイールをスポークホイールに戻し、キャラメルタイヤが装着されました。
他の変更点は、ハンドルがアップになったこと、シートカウルがなくなったことです。
先代のキャストホイールによって、SRとはどうあるべきか、ユーザーはSRに何を求めているかが浮き彫りとなったわけです。販売台数も大きく伸びました。
やはり、クラシカルな雰囲気のSRにはスポークホイールがベストマッチだったというわけです。これは今でも変わらないでしょう。
現在、1982年式のSR400の中古車査定額は、他の年式とあまり差はありません。
売却をお考えでしたら、買取査定はSR400の価値に精通しているパイクパッションに！

解説記事更新日：2021年01月28日

1983年、SR400はマイナーチェンジを受けてカラーリングその他が変更されました。
カラーリングは《インディゴブルー+ホワイト》、《スーパーレッド+ブラック》です。
他の変更点は、
・フロントフォークのセミエア化
・シールチェーン採用
・ハロゲンヘッドライト
・ラバーマウントウィンカー
・オイルライン/フローの見直し
・ピストンとヘッドバルブの変更
と、かなり多岐にわたります。
1983年と言えば、日本では空前のレーサーレプリカブームに突入した頃で、空冷単気筒、27馬力というスペックは、あまり注目されなかったことは事実です。今振り返れば、そんな世相でもSRを製造し続けたヤマハには脱帽しなければなりません。
現在、1983年式のSR400の中古車査定額は、他の年式とあまり差はありません。
売却をお考えでしたら、買取査定はSR400の価値に精通しているパイクパッションに！

解説記事更新日：2021年01月28日

1984年、1000台限定のSR4007周年記念限定車が発売されました。タンク、サイドカバー、シートカウルに手塗りのサンバースト塗装がされており、高級感を演出しています。サンバーストとは、「燃える太陽」とも言うべき意味で、その通り、中央が渋い赤、周囲が黒く塗装されたタンクは、漆黒の宇宙空間で燃える太陽のようです。YAMAHAロゴには音叉マークエンブレムもあしらわれています。
特別感を演出したSRの希少車で、シックなライダースーツに身を包んだ中高年が、落ち葉の舞い散る街路を走り去る姿が絵になりそうです。
1984年式のSR400LTDの中古車査定額は、他の年式より高額買い取りが可能です。
売却をお考えでしたら、買取査定はSR400LTDの価値に精通しているパイクパッションに！

解説記事更新日：2021年01月28日

1985年の主な変更点は以下の通り。
・フォークブーツを装着しフロントブレーキをツーリーディングドラムに変更。
・フロントホイールをアルミ中空リムの18インチ、メッツラータイヤを標準装備。
・エンジン耐久性の向上。
・燃料タンクの2Lアップ。

解説記事更新日：2021年10月03日

1988年モデルの変更点は以下の通り。
・負圧式キャブレター、大容量エアクリーナーボックス、小ピッチチェーンの採用
・エンジン、マフラーの内面的な改良によるパワーフィーリングと静粛性の向上

解説記事更新日：2021年10月03日