カワサキ「Ninja250」、ホンダの「CBR250R」など熾烈なライバル争いが繰り広げられていた250ccクラスのフルカウルスポーツカテゴリにヤマハが投入したのが、2014年に発売された「YZF-R25」だった。
そのデビューから僅か5ヶ月後となる2015年4月にグローバルモデルとして海外展開されていた兄貴分モデル「YZF-R3」が国内にも展開された。
外観上の違いはモデル名を配したデカール程度にも見える。実際、共用する部分も少なくないのだが、メカニカル面ではハッキリとした違いもあり差別化が図られている。
車体は共通のトラス構造スチール鋼管製ダイヤモンド型フレームを採用。パワートレインには、DOHC4バルブの水冷4ストローク直列2気筒ユニットを搭載。ボア・ストロークが68.0mm×44.1mmのショートストローク320㏄エンジンだ。最高出力は10,750回転で42馬力を発揮。最大トルクは9,000回転30Nmというスペック。
ベースモデルとなる「YZF-R25」は、60.0mm×44.1mmの250ccエンジン。最高出力は12,000回転36馬力を発揮する。最大トルクは10,000回転23Nmという仕様。
本モデルが、より低回転側で大きな馬力とトルクを発揮する出力特性となっている。
トランスミッションは、6速リターン式で共通だが、ギア比は変更されている。
足回りは、フロントに41mm大径インナーチューブ仕様の正立フォークを装備。アルミ鋳造の10本スポーク17インチホイールを装着する。タイヤサイズも250ccモデルと同じだが、対応スピードレンジは「S」ではなく「H」レンジをセットする。ブレーキはシングルディスク。
リアはスイングアームにモノショックを組みあわせて17インチホイールとディスクブレーキという組み合わせ。ABSは標準装備となる。「YZF-R25」は、ABS非搭載タイプも設定されていたが、本モデルは搭載タイプのみで展開された。
デビュー以降の、「YZF-R3」はカラーチェンジ実施しながら2019年モデルで最初のマイナーチェンジを実施。フロントフォークが倒立化されるという大幅なアップデートとなった。ヘッドライトには2眼式LEDを新採用。スタイリング面でもイメージチェンジが行われた。
その後もカラーチェンジを繰り返しながら継続ラインアップされている。
車検が無く手軽に乗れる「YZF-R25」か、維持費はかかるがスペック面でゆとりのある「YZF-R3」か、どちらをチョイスするかはライダーの好みやニーズ次第だろう。

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解説記事更新日：2022年08月31日

「YZF-R25」をベースに320㏄のボアアップエンジンを搭載した「YZF-R3」。海外向けに展開されていたグローバルマシンだが、日本国内向け導入モデルは2015年4月にデビュー。
価格は58.5万円(税抜)で、250㏄モデルより3万円高となる。
ボディカラーは、「ディープパープリッシュブルーメタリックC」、「ビビッドレッドカクテル1」、「ブラックメタリックX」の3バリエーションが用意された。
シリンダーボアを60.0mmから68.0mmへ拡大した水冷4ストローク直列2気筒ユニットH402E型は、10,750回転で42馬力を発揮。重量は169kgとなる。
トランスミッションは6速リターン式だが、ギア比が250ccモデルよりもハイギヤード化されている。
足元は、フロントに41mmの正立フォークと17インチホイールを組合せ、ブレーキは298mmのシングルディスク仕様。リアはスイングアームにモノショックと17インチホイールをセットして220mmのディスクブレーキを装着。ABSは標準装備。
弟分モデルはABS非搭載タイプも展開されていたが、本モデルでは設定されず正式モデル名称は「YZF-R3 ABS」となる。
なお、タイヤサイズは同じながらも250㏄モデルはIRC製の180km/hまで対応する「S」レンジを装着するが、本モデルは210km/hまで対応可能なミシュラン製の「H」レンジタイヤを装着している。
外観上の違いは、カウルに配されるグラフィックやヒールガードの穴あき加工の有無などがある。
320ccモデルということで車検が必要となるが、メカニカル機構の差を考えれば3万円のみの価格差はリーズナブルと言えるだろう。

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解説記事更新日：2022年08月31日

2016年2月にカラーチェンジを行い発売された’16年モデルのYZF-R3。
カラーバリエーションには新たにマットグレーメタリック3、ホワイトメタリック6を新色として追加、既存色からはディープパープリッシュブルーメタリックCを継続採用した計3色を設定した。
新車販売価格は58.5万円だった。
インドネシアヤマハ製だったこともあり、各パーツの値段が手頃だったのも特徴だった本車。エントリーモデルとして傷がつきやすい部分の交換が安くすむというのはビギナーには非常に助かるところである。ただし非常に安価な中華製の外装が付いていると売る際に価値が落ちるのでご注意を。
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解説記事更新日：2021年05月31日

2017年3月にカラーチェンジを行い発売された’17年モデルのYZF-R3。
カラーバリエーションには新色としてマットブラック2、ホワイトメタリック6を追加。既存色からはディープパープリッシュブルーメタリックCを継続採用した計3色を設定。また、マットブラック2にはレッドの、ホワイトメタリック6にはブラックとイエローのグラフィックをそれぞれ設定。ディープパープリッシュブルーメタリックCは継続ながらグラフィックが新しいものに変更されたことから公式には新色として発表されていた。
新車販売価格は先代モデルから据え置きの58.5万円だった。
同年9月にはMotoGPマシン「YZR-M1」のカラーリングを再現したリミテッドモデル、YZF-R3 ABS Movistar Yamaha MotoGP Editionを限定300台で発売している。
兄弟車であるR25はアジアモデル、本R3は欧州モデルと呼ばれており、それは欧州ではR3のみの販売となっているため。欧州ではボア径のみを変更したバイク(R25とR3は排気量とグラフィック以外の相違点が極めて少ない)の販売が禁止されていたことが理由だった。ちなみに、R3が欧州モデルと呼ばれているのは2013年からヨーロッパではバイクの免許をとってから最初の2年間は最高出力47PS以下のバイクしか乗れなくなり、ビギナー層のニーズに合わせて開発されたモデルだったから。また、R25とR3を併売しているのは世界で日本のみとなっている。
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解説記事更新日：2021年05月31日

2018年1月にカラーチェンジを行い発売された’18年モデルのYZF-R3。
カラーバリエーションにはディープパープリッシュブルーメタリックC、ブラックメタリックX、 ホワイトメタリック6の3色を継続して採用しながらカラーリングやグラフィックを変更。
ディープパープリッシュブルーメタリックCは先代モデルのブルー×シルバーのツートンをブルー×ブラックに。ブラックメタリックXはグラフィックをシンプルなストライプに変更。ホワイトメタリック6はグラフィックの変更に加えイエローのホイールを装着した。
新車販売価格は先代モデルから1万円高の59.5万円だった。
多くの車両が平成28年の国内排ガス規制の対応を行った中、YZF-R3は2017年モデルでグローバルモデルとして欧州の排ガス規制ユーロ5をクリアしていたため、悠々のカラーチェンジのみとなった。
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解説記事更新日：2021年05月31日

2019年6月にフルモデルチェンジを受けて発売された’19年モデルのYZF-R3。
新たに倒立フロントフォーク、液晶メーター、LEDヘッドライトとテールライトやラジアルタイヤを採用。また、ハンドルマウント周りの変更に加えフロントマスクの雰囲気も一新した。
カラーバリエーションにはディープパープリッシュブルーメタリックC、マットブラック2、マットディープレッドメタリック3の三色を設定。
ディープパープリッシュブルーメタリックCは継続色だったが、カラーリングの変更があったため新色として発表された。
新車販売価格は62.5万円で先代モデルから3万円の値上がりとなった。
ハンドルポジションは従来のブリッジ上からブリッジ下に変更、若干ではあるがライディングポジションも前傾になりより一層スポーティな雰囲気を身に纏った。
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解説記事更新日：2021年05月31日

前年モデルで足回りの強化を含むビッグマイナーチェンジを実施した「YZF-R3」の2020年モデルはカラーチェンジを実施。
2019年モデル同様に3バリエーション展開で「ディープパープリッシュブルーメタリックC」、「マットブラック2」、「マットシルバー1」が設定された。
ブルーとブラックに関しては「YZF」シリーズのフラッグシップモデル「YZF-R1」を踏襲したデザインを採用。シルバーは躍動感のあるグラフィックを採用してフロントフェイスデザインとも相まってアグレッシブなオーラを放っている。さらに前年から採用された倒立フォークのアウターチューブは、「マットシルバー1」のみゴールドカラーとなっている。モノトーンが基調の車体の中でフロントカウルからチラッと覗くゴールドがアクセントとなっていて高い質感とスポーティさを強調している。なお、ブラックとブルーはデザインベースとなっている「YZF-R1」と同じブラックを採用している。
国産400㏄クラスフルカウルスポーツカテゴリにおいて、ライバルモデルのカワサキ「Ninja400」やホンダ「CBR400R」よりも排気量が小さいこともありパワー面では不利な「YZF-R3」だが、足回りのスペックでは唯一の倒立フォークを装備しており運動性能の高さでは一歩優位に立っている。
2020年モデル「YZF-R3」の価格は、62.5万円(税抜)で前年から据え置かれている。

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解説記事更新日：2022年01月26日

「毎日乗れる、スーパーバイク」というコンセプトのもとに弟分モデルの「YZF-R25」とともに展開されているグローバルマシン「YZF-R3」の2021年モデルはカラーチェンジを実施した。
デビューモデルから設定されている「ディープパープリッシュブルーメタリックC」は引き続き採用。加えてニューカラーの「シアンメタリック6」を追加。ホイールとボディのグラフィックにはビビットカラーのバーミリオンを採用してスポーティーなオーラを放っている。
さらに新色の「マットダークグレーメタリック8」も展開。2020年モデルにもマットブラックがラインアップされていたが、さらに濃色になっており高い質感とスポーティーさの絶妙なバランスを実現している。合計で3カラーバリエーションのラインアップとなり、価格は62.5万円(税抜)で据え置かれた。
なお、本モデルは2015年のデビュー時からABSを標準装備としているが、下位排気量の「YZF-R25」はタイプ別設定となっていた。2021年モデルは両モデルとも同時に発売されたが、このタイミングで「YZF-R25」もABS非搭載モデルは廃止となり標準装備モデルに一本化された。

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解説記事更新日：2022年01月09日

扱いやすさと優れた走行性能の両立を図ったフルカウルグローバルスポーツ、ヤマハの「YZF-R3」が2015年2月に国内へも導入された。
既に2014年12月から販売されている「YZF-R25」をベースにボアップしたエンジンを搭載することで、日常ユースにおける扱いやすさを維持しつつ、走行性能を高めたマシンというポジションになる。
フレームは共用でトラス構造のダイヤモンド型を採用。パワートレインにはDOHC4バルブの水冷直列2気筒エンジンを搭載。ボア・ストロークは68.0mm×44.1mmの320ccユニット。最高出力は10,750回転で42馬力を発揮する。トランスミッションは6速リターン式だが、ギヤ比は250ccモデルと異なっている。
なお、排気量が320㏄ということもあり国内制度では車検が必要となる。それで、250ccモデルよりはスペックが格上だが維持費は高くなるというデメリットはある。
足回りは、フロントに41mmの大径テレスコピックフォークを装備して前後17インチホイールを装着。ブレーキはフロント・リア共にシングルディスクブレーキでABSは標準装備となる。
ライバルモデルとしては、400ccクラスとなるがカワサキの「Ninja400 ABS Special Edition」が比較対象になるだろう。211kgの車両に44馬力エンジンを搭載。フロントブレーキはダブルディスク仕様となる。スペック面では当然のことながら「Ninja400」が格上だが、車両価格は74万880円(税込)で本モデルより約10万円高い。スペック重視か価格を優先するかでチョイスは変わってくるだろう。
デビューモデルとなったRH07J型はカラーチェンジを実施しながら2017年モデルまで展開されて、2018年モデルで当時の排ガス規制に適合する形でRH13J型へ型式変更するまで販売された。

買替や売る際の買取査定は、RH07J型 YZF-R3の中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2022年08月31日

RH13J型「YZF-R3」は、2018年1月に発売された。2018年モデルは、あくまでも2015年4月から発売されているRH07J型のカラーチェンジモデルとして展開されたが、実際のところは型式が変更された。これは、平成28年の排ガス規制に対応するための仕様変更が実施されたためである。
スペック面では、環境性能の最適化によって最大トルクが従来モデルの9,000回転で30Nmであったところが、29Nmへダウンしている。しかしながら燃費性能はWMTCモードで従来の24.4km/Lから27.6km/Lと約10%も向上した。
カラーラインアップは、「ホワイトメタリック6」、「ディープパープリッシュブルーメタリックC」と「ブラックメタリックX」の3パターンで登場。価格は595,000円(税別)と、2017年モデルからは10,000円(税別)の値上が実施されている。
翌年には大幅なマイナーチェンジを実施し、いよいよ真の2代目「YZF-R3」が登場した形となった。パッとひと目見ただけで気付く部分が多いほどの進化を遂げていた。
フロントのサスペンションは、従来の41mm正立フォークから37mm倒立フォークへ変更、ハンドルのマウント位置はトップブリッジ上部から下部に移動され、グリップ位置は22mm低くなっている。ただ、もともとハンドルポジションはアップライト気味でシート高は780mmと低めに設定されていたモデルなため、ハンドル位置が下がったものの、それほどキツイ前傾姿勢にはならないのでゆったりとツーリングを楽しめるライディングポジションだ。
外観デザインはカウルを一新したことやヘッドライトとテールライトをLED化したこともあり、よりスタイリッシュで洗練された仕上がりになっている。
2019年6月のマイナーチェンジ以降は、同年のMotoGPにおけるメインスポンサー変更に合わせて「モンスターエナジー」カラーの特別仕様を展開。その後は、毎年カラーチェンジを実施しながら販売されている。

売る際の買取査定は、RH13J型 YZF-R3の中古価値に精通しているパッションに！

解説記事更新日：2021年09月26日