先日(2025年1月)、弊社バイクパッションで2023年モデル・走行距離1,000km超のゴールドウイングツアーを買取したのだが、 その際の査定金額は340万円であった。 新車時のメーカー希望小売価格は315万円(金額はすべて税抜)であったから、お客様は新車比で25万円高く売れた計算だ。
これを弊社横浜店(単店舗ベースでは日本最大級の販売数を誇る)で再販すると、車両価格は「消費税+儲け」が加わり380万円弱の値札が付くことになる諸経費を加えた乗出しは400万円近くとなる。。とても売れそうにない。 どこに再販すれば利益が出るのだろうか? 実は2025年1月現在、新車価格よりも高く売れる現行モデルのオートバイが幾つか存在している。
時計の針を少し巻き戻す。。2021年には新車より大幅に高い値札を下げている現行モデルの中古車が溢れていた。
半導体不足にコロナ禍が加わり生産と物流が滞った影響で新車供給が細り、緊急事態宣言を受けて代替通勤手段としてバイク需要が増えたことで、中古バイクの相場が高騰したのは記憶に新しいところだ。 転売目的のオーダーも重なり納期が未定となった現行モデルで特に顕著な高騰が見られたが、新車供給の回復に伴って相場は常識的な範囲に収斂されていった。
翻って2025年現在、新車より高く売れる現行モデルにはコロナ禍とは異なった要因で相場が高騰している機種が多い (関連記事:1千万円超えのバイクが続出|高く売れる750ccレプリカとホモロゲ 5機種)
以下が新車比で高く売れるバイクのトップ10である。
参考買取率の高い現行バイクTOP 10 | ||||
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モデルイヤー | 新車価格 | 業者間での平均取引額 | 新車比 参考買取率 |
|
ゴールドウイングツアー | 2023年 | 315万円 | 360万円 | 45万円up |
R1300GSアドベンチャー | 2025年 | 303万円 | 347万円 | 44万円up |
Z900RS SE | 2025年 | 155万円 | 196万円 | 41万円up |
X-ADV | 2025年 | 130.8万円 | 169万円 | 38万円up |
TMAX560 TECH MAX | 2024年 | 145.5万円 | 150万円 | 4.5万円up |
テネレ700 | 2023年~ | 122万円 | 126万円 | 4万円up |
S1000RR | 2024年 | 240.5万円 | 240万円 | 100% |
R1300GS | 2024年 | 256万円 | 258.5万円 | 99% |
ハヤブサ | 2023年~ | 190万円 | 196万円 | 97% |
CB1300スーパーフォアSP | 2023年~ | 170万円 | 176万円 | 97% |
上記表については少々補足が必要であろう。
新車価格や対象機種の選別は上記注釈の通りなのだが、業者間の取引額とは何であろう?
業者間の取引額は、年間に約20万台のバイクが取引される(買取業者最大の転売先にして販売業者最大の仕入れ先となっている)業者間オークションでの落札額である。
従って上記表の参考平均買取率は「業者間の平均取引額÷新車価格」で算出しているが、「業者間の平均取引額=買取業者の転売額」であることから査定現場での買取率は (転売額から出品手数料や陸送費と儲けを差し引く 必要から)数%低くなる点にはご留意頂きたい。
さてTOP 5までは参考平均買取率が100%を超える結果となった。
業界では最新イヤーモデルの数字は66%が1つの指標となっており、コロナ禍が終息した2025年現在では100%超えは目を瞠る数字となっている。
それでは以下、第1位~5位の機種を対象にして、なぜ100%超えの買取率となっているのか掘り下げていこう。
▼中古相場(販売業者の仕入れ額=買取業者の転売額)
▼車両データ
第1位は、ゴールドウイングツアーの現行2023年モデル。 1975年発売のGL1000からHONDAのフラッグシップで有り続けるゴールドウイング。2018年のフルモデルチェンジで6世代目SC79型GL1800へと進化を果たし、 現行2023年モデルではリアトランクとDCTを標準装備した それまでの最上位グレード「ゴールドウイングツアー」に国内モデルは一本化された。
国内向けの生産販売計画は400台。希望小売価格は税抜315万円が設定されたが、 平均参考買取率は118%で、新車価格比で平均45万円アップとなっている。
2025年2月時点で業者間オークションの取引データを1年間遡ると、2023年モデルGOLD WING TOURは72台の取引が記録されており最高額は401万円、最低は276万円で、360万円(全て税抜価格)が平均となっている。
取引された72台のうち走行距離1km以下の未使用車は4台に留まり、数十~数千kmの走行を刻んでいる中古車が大多数を占めていることから、転売目的で購入した層が需給を歪めて相場を吊り上げているわけではなく、 実需によって新車価格以上の相場が形成されている。
では誰が国内の新車価格以上で購入しているのか?
その多くは業者間オークションにおいて落札の4割を占める海外勢である。
ご存知の通り円安が進行していることで日本の物価は海外勢にとって魅力的となっている。
具体的には、北米の現行GOLD WING TOURの税抜メーカー希望小売価格は28,700$であり155円換算で約450万円(売上税込み480万円)である。 仮に業者間オークションを通じ360万円で仕入れた車両を北米で再販すると車両価格は幾らになるかを計算すると「海上輸送費+輸入関税+陸路輸送費+手続き諸経費」が加算される。 海上輸送は40フィートコンテナに詰め込めば大型バイクで単価10万円弱であろう。輸入関税は2.5%の9万円。陸路輸送費も大型便を確保してれば数万円。手続き諸経費も単価で算出すれば1万円程度であろう。 加算すると360万円+10万円+9万円+3万円+1万円=383万円である。儲けを載せても車両価格390~400万円である(尚360万円の仕入れには日本の消費税が加算されるが、輸出を証明する書類を提出することで 国内の消費税は還付されることから国内の消費税は計算から除外している)。
北米での2023年モデルの中古平均価格25,000$(約390万円)であるから、日本で仕入れた個体を北米で再販しても何とか利益が得られる計算だ。
しかしながら業者間オークションでは上限は400万円まで、370万円以上で落札されている個体がが28台も記録されている。28台は直近1年の23年モデルゴールドウイングの取引台数72台において3割弱を占めるのだが、 370万円以上での仕入れになると、北米や欧州などHONDAの正規販売がある国で再販して利益を確保するのは難しい。
では最終消費値は何処なのか?
その答えは海外バイヤーの中でもとりわけ中東のバイヤーが主流であり、 ドバイを経由して、最終的には禁輸措置が講じられているロシアやイランなどで消費されているケースが多い。 (最終消費値については複数の貿易業者から直接聞いた話である)。
以上が、現行ゴールドウイングの相場高騰の背景となっている。現地のブルジョア層にとって二輪最大メーカーのフラッグシップ「最新ゴールドウイング」は需要の高いモデルなのであろう。
2023年モデルでは3タイプのカラーリングが設定されているが、最も相場が高いのが僅差ながらパールグレアホワイトである。
業者間の平均落札額(買取業者の平均転売額)は360万円であるが、実際の買取査定額も360万円付近になるかは注意が必要だ。
その理由だが、取引された72台のうち最良のコンディションを誇った走行0kmの未使用車の落札額が345万円であった事実が示すように、345万円以上で落札された62台については コンディションと落札額の有意な相関性は無く、 毎週2回開催されるオークション開催日の需給によって値段が変動しているためだ。 どれだけコンディションが良くても340万円以上の買取査定額を提示することは買取業者にとっては赤字リスクを背負う覚悟を伴うため、なかなか賭けに出られないのが実情だ。
事実弊社バイクパッションでも走行1千kmの2023年モデルを340万円で買取しているが、340万円が相場的に限界と判断してのことだった。
▼中古相場(販売業者の仕入れ額=買取業者の転売額)
▼車両データ
第2位は元祖アドベンチャー機BMW GSシリーズの現行モデルR1300GSアドベンチャー。
実際に弊社バイクパッションでも使用感のある中古車を税抜メーカー希望小売価格326万円と同水準の320万円で買取している。
Triumphのタイガーシリーズ、ホンダのアフリカツイン、ヤマハのテネレ、Kawasakiのヴェルシス、SUZUKIのV-Strormの他、DUCATIのセールスの屋台骨に成長したムルティストラーダシリーズ、 ハーレーも2021年のパンアメリカ/スペシャルで参入するなど、世界的に成長著しいアドベンチャー機市場において「いつかはGS」の言葉が示すように最高峰のステータス機となっているのが本機である。
平均参考買取率は114%とゴールドウイングツアーと同率ながら、新車価格比の平均アップ額が44万円となり僅差で第2位となっている。
2025年モデルの日米間の希望小売価格の差は円換算で約60万円。 輸入バイクの関税がかからない国内要因に円安要因も加わって、世界を俯瞰してもの割安感が際立っている日本市場のメーカー希望小売価格。 ゴールドウイングツアーと同様に、海外のバイヤーが業者間オークションで積極的に入札していることが中古相場高騰の背景となっている。
320~330万円の仕入れであれば北米や欧州での再販でも何とか利益は取れそうだが、上限の360万円仕入れはBMWが正規販売している国での再販価格としては採算が合わないことから。 本機もGOLD WING同様に最終消費値はロシアや中東が主流となっている。
彼の地で富裕層に需要の高い最新モデルだけに付くプレミアム相場となっている。
本機はカラーリングのグレードによってメーカー希望小売価格に大きな開きがある反面、先代R1250GSやベースグレードR1300GSの傾向を踏まえると買取相場はカラーリングによる差異が少ない。 そのためベースカラーの買取率が特に高い特徴を有している
近年は、BMWに限らず海外メーカーが為替調整で特に日本向けの価格を年々上げており、高額査定が望めるのは国内の希望小売価格が相対的に割安な今が絶好の売り時となっている。
▼中古相場(販売業者の仕入れ額=買取業者の転売額)
▼車両データ
第3位は、大型バイクの国内販売数 首位の座を登場2018年モデルから維持しているZ900RSの上位グレード「Z900RS SE」
人気の理由は、プレミアムの付く旧車の代名詞となっている空冷4発Zシリーズの1号機にしてKawasaki初の世界最速機 Z1を現在の技術でオマージュしたルックスとストーリー性にあるが、 中古相場が高騰している最大の理由は新車の入手が困難となっている点が大きい。
需給が逼迫し現行の新車価格を上回る中古車が珍しくなかったコロナバブルのピーク2021年には、その筆頭格に挙げられたZ900RS。
新車供給の回復に伴って2022年以降は軒並み正常な中古価格水準に収斂されていった現行機だが、Z900RS SEは例外であった。 登場2022年モデルは抽選倍率が3桁を超える等、買いたくても買えない最も入手の難しい新車となり、新車比で1.5倍の値札を付ける中古車が当たり前のように陳列されていた。
2025年1月現在ではディーラーに数カ月単位で定期的に入荷するようになり、Z1カラーから一線を画した2025年のブラックカラーが登場したこともあり、抽選倍率は10倍程にまで落ち着いてる。 しかしながら依然として入手が困難であることに変わりはなく、現在も新車価格を超える中古車が常態化していることが相場高騰の理由だ。
上段の通り、業者間オークションの平均落札額は196万円となっており、走行距離数十km未満で未使用に近いコンディションであれば税抜新車価格よりも10万円は高く売れる相場となっている。
第1位のゴールドウイングと異なり最終消費地が日本である事から、国内での消費者に近い販路を持っている買取業者を選ぶことで更なる買取額アップに繋がりやすい。 もちろん、単店舗ベースで日本最大級の販売数を誇るバイクパッション横浜店では販売店仕入れ価格として更なる高額買取が可能でる点も付け加えさせて頂く。
▼中古相場(販売業者の仕入れ額=買取業者の転売額)
▼車両データ
第4位は2025年モデルX-ADV
古くはBW'S50/100 の様に足回りを変更してオフロード走行性能を併せ持ったスクターは存在していたが、アドベンチャーバイクが世界的に活況を呈す時勢に高排気量のアドベンチャータイプのスクーターとして2017年に売り出されたことで、 日本はおろかスクーター文化の強い欧州を中心に大ヒット機種となった本機。
2025年国内モデルのメーカー希望小売価格は税抜130.8~133.8万円に設定されたが、業者間オークションでは上限190万円の169万円平均で取引されている。 一部ディーラーには店頭在庫があり定価販売されていることから、新車比で数十万円高く業者間オークションで落札されたX-ADVの最終販売地が日本で無いことは自明であろう。
買取率1位のGOLDWINGや2位のR1300GSアドベンチャーに比べ軽量でコンパクトである事から、40フォートコンテナに2段積みも可能であり輸送コストもコンパクトになる点は海外のバイヤーにとって魅力的だろう。 X-ADVも150~170万円台の仕入れであれば欧州各国での関税によっては再販で採算に乗るであろう。しかし190万円仕入れとなると最終消費値はやはりロシアやイラクやイラクなどの中東が濃厚であろう。
登場2017年モデルはRC95型であった本機。2021年モデルのフルモデルチェンジでRH10型、25年モデルでRH21型となっているのだが、新車価格より相場が高いのはRH10型以降である。 2世代前となったRC95型は相場が随分と低くなるのだが、型落ちに伴う値崩れが極めて小幅であるのは現行モデルとしては異例でありX-ADVの特異点とだと言える。その意味で焦って売る必要はない様に思えるが、前提が円安下での 相場高騰である事を鑑みると、高額査定には早めの売却が正解となりそうだ。
▼中古相場(販売業者の仕入れ額=買取業者の転売額)
▼車両データ
第5位はT-MAX560 TECH MAX 2024年モデル。
スクーター文化の色濃い欧州とアジア圏を中心に最高峰スクーターとして展開されているが、特にアジア圏ではその花形性は高い。
業者間では161万円平均で取引されており平均参考買取率は103%、新車比で5万円アップとなっている。
2025年2月には新たな電子制御機構が採用された2025年モデルの発売(税抜149.5万円)も控えており、中古2024年モデルを161万円平均で購入しているのは海外のバイヤーである。
ただし145万円以上で落札されている個体は走行1kmの未使用車で占められており、査定現場での(出品手数料や輸送コストなどを差し引いた)実質的な買取上限額は140万円プラスとなりそうだ。
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