ボクサーツインエンジンを搭載するBMWモトラッドの「R」シリーズにおいて、ネイキッドスタイルのロードスターとして2001年から展開されてきた「R1150R」は、2007年モデルで世代交代を実施。次世代を担うマシンとして登場したのが本モデル「R1200R」である。
アルミキャスト製の3セクションフレームに搭載するエンジンは、ボア・ストロークが101mm×73mmのOHC4バルブ空油冷フラットツイン1,169ccユニットとなる。従来モデルの101mm×70.5mmからストロークアップで排気量を拡大したエンジンとなる。最高出力は、7,500回転109馬力、最大トルクが6,000回転115Nmというスペックでデビュー。
先代マシン「R1150R」の85馬力、98Nmという出力特性から大幅なパワーアップを実現した。トランスミッションは6速リターン式で、駆動方式はBMWの特徴とも言えるシャフトドライブで継続。
足回りは、フロントがテレレバー式サスペンションで17インチキャストホイールと320mmのダルブルディスクブレーキを組合せる。リアはパラレバー式サスペンションに17インチホイールと265mmのシングルディスクブレーキという構造。ABSは本国ではオプション扱い。国内向けは上級グレードの「ハイライン」にサーボ無しインテグラルABSが装備されていた。
スタイリング面では、縦型レイアウトの2連メーターとオンボードコンピューターを組み込んだ液晶パネルという独特なデザインのコクピットを採用する。
ライバルモデルとしては、リッタークラスでストリートファイタールックのネイキッドとして2003年から展開されているカワサキの「Z1000」が比較対象になるだろう。本モデルが登場した2007年にフルモデルチェンジを実施した車体には、953㏄のDOHC4バルブ水冷並列4気筒エンジンを搭載する。最高出力は10,000回転で125馬力を発揮。最大トルクは8,200回転98.7Nmというスペック。乾燥重量は205kgで本モデルより7kg重い。
ピークパワーでは「R1200R」より高出力だが、トルクは本モデルが「Z1000」よりも低回転側で大きなトルクを発揮する。実用域でのパワー感や扱いやすさという面では本モデルが有利。シート高は「R1200R」が770mmに対して「Z1000」は820mmある。
なおデビュー以降の本モデルはカラーチェンジを繰り返しながら2011年モデルで最初の仕様変更を実施。エンジンがDOHC化されて最高出力は110馬力まで向上。最大トルクは120Nmとなった。その後は、2013年にBMWの2輪事業創業から90周年を迎えることを記念するスペシャルエディションを展開。2015年式で最初のモデルチェンジで以下のアップデートを受けた。

・エンジン冷却方式変更
・倒立式テレスコピックフォーク採用
・湿式多版クラッチ採用
・ライドバイワイヤ機構採用
・ヘッドライト形状変更など

デザイン面での刷新も受けたが、新たにライドバイワイヤ機構を採用したことで走行モード選択機能が実装されるなど電子制御系統の充実化が図られた。そしてDOHC4バルブのボクサーツインエンジンは、従来の空油冷から空水冷へ変更。最高出力は125馬力、最大トルクも125Nmまで向上した。
以降は、2017年式でヨーロッパの排ガス規制EURO4に適合して2018年モデルまで展開された。
後継モデルは2018年のミラノショーでお披露目された「R1250R」となる。

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解説記事更新日：2023年03月31日

BMWモトラッドのRシリーズは、2004年に登場した「R1200GS」から1,169ccのボクサー2気筒エンジンを搭載する。以降、「R1200GS アドベンチャー」、「R1200RT」、「R1200S」と各モデルもニューエンジンに切り替えられていく中で、2007年には本モデル「R1200R」も登場した。従来マシン「R1150R」の後継モデルという位置づけで日本国内向けは、ベーシックグレードの「アクティブライン」が152万2,500円(税込)、上級グレードの「ハイライン」は、173万2,500円(税込)で発売。
カラーバリエーションは、「ナイトブラック」、「クリスタルグレーメタリック」、「グラニットグレーメタリック」の3タイプが用意された。
パワートレインに採用されたのは、従来にユニットのスクロールアップで排気量を84cc拡大した1,169ccの空油冷フラットツインエンジン。最高出力は7,500回転で109馬力を発揮。最大トルクは6,000回転115Nmというスペック。先代モデルの最高出力は85馬力、そして最大トルクは98Nmだったので大幅なパワーアップを実現。さらに車両重量は各部の設計変更で22kg軽い230kgとなった。
ちなみに同系エンジンを搭載するトラベルツアラー「R1200RT」は110馬力、スポーツマシンとして展開する「R1200S」が122馬力と、同じ「R」シリーズでもキャラクターに応じてスペックは異なっている。
足回りはフロントにBMWのテレレバーストラットを装備して、リアはシャフトドライブの片持ちスイングアームにパラレバーストラットという構造。ホイールは前後17インチ5本スポークデザインのキャストタイプを採用した。
なお本国仕様のシート高は800mmとなっているが、日本国内向けは本国のローシート仕様となる770mmで導入された。

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解説記事更新日：2023年03月31日

水平対向エンジンを搭載するBMWモトラッドのネイキッドモデルとして前年に発売された「R1200R」だが、デビュー2年目となる2008年式ではメカニカル面での大きな仕様変更を受けることなく継続ラインアップ。ただ国内向けに100台限定の特別カラーが設定された。今回用意されたのは4輪モデルでも展開されているBMWの代表的カラー「アルピンホワイト」だ。価格は160万6,500円(税込)となった。
主要諸元の変更は無く、1,169ccのOHC4バルブ空油冷水平対向2気筒エンジンを搭載。最高出力は7,500回転109馬力というスペック。最大トルクは6,000回転で115Nmを発揮する。
ライバルモデルとしては、イタリアヤマハがヨーロッパ向けのロードスポーツとして展開していた「BT1100 ブルドッグ」と比較できるだろう。ツインチューブバックボーンフレームに搭載するのは1,063ccのOHC2バルブ空冷Vツインエンジン。キャブレーター仕様で最高出力は5,500回転65馬力という控えめな仕様。最大トルクは4,500回転で88.3Nm。トランスミッションは5速リターン式となる。走行性能では「R1200R」が圧倒的に格上となるが、海外モデルの人とは違った2気筒ロードスポーツに乗りたいのであれば「BT1100 ブルドッグ」も候補の1台として検討できるだろう。
なお2008年式「R1200R」の通常カラーは、前年と同じく「ナイトブラック」、「クリスタルグレーメタリック」、「グラナイトグレーメタリック」、そしてオプションのピンストライプ入りの「ナイトブラック」というラインアップで展開された。

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ボクサーツインを搭載するBMWモトラッドのスポーツネイキッド「R1200R」は、デビュー3年目となる2009年式で以下のアップデートを受けた。

・クロームエキゾースト採用(ハイライン)
・オンボードコンピューター追加(ハイライン)
・価格変更

日本国内仕様は、ベーシックグレードの「アクティブライン」と豪華グレードの「ハイライン」という2タイプ構成で展開される。そして、今回の2009年式ではハイラインの標準装備内容に変更が加えられている。新たにオンボードコンピューターとクローム仕上げのエキゾーストパイプを採用して機能性とデザイン性の向上が図られた。価格は177万4,500円(税込)で、従来モデルから4.2万円の値上げとなる。
マシンスペックに変更は無く、空油冷式の1,169㏄水平対向エンジンは7,500回転で109馬力を発揮。最大トルクは6,000回転115Nmというスペック。BMWモトラッドの特徴であるシャフトドライブ駆動を採用しているが、乾燥重量は195kgに収まっている。ちなみに格下排気量のストリートファイターネイキッド、カワサキ「Z1000」は953㏄の4気筒エンジンだが、乾燥重量は205kgだった。
なお2009年式「R1200R」のカラーリングは、前年モデルから変更は無い。「ナイトブラック」、「グラニットグレーメタリックマット」、「クリスタルグレーメタリック」の3タイプに加えて、オプションのストライプ入り「ナイトブラック」という4バリエーションが用意されている。

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解説記事更新日：2023年03月31日

バリエーション豊富なラインアップで各モデルを展開するBMWモトラッドの「R」シリーズ。搭載するエンジンは1,169ccの水平対向2気筒だが、出力特性はマシンによって異なっていた。そして今回の2010年モデルでは、オフロードでの走行性能を重視したデュアルパーパス「R1200GS」やツーリングスポーツ「R1200RT」が、新たにDOHCエンジンを採用。しかしスタンダードなネイキッドスタイルの本モデル「R1200R」は、引き続きOHC4バルブ仕様で続投。カラーチェンジのみの実施となる。
カラーバリエーションは、従来の「ブラック」、「グレー」、「ホワイト」に加えて「ブルー」も用意されて4カラー展開。価格は北米向けが、12,795~14,895USドルとなった。
メカニカル機構に関しては大きな仕様変更は実施されておらず、7,500回転で109馬力を発揮するシングルカム仕様のフラットツインエンジンを搭載する。
ちなみにツーリングモデルでエンジンのDOHC化を受けた「R1200RT」は、110馬力。最大トルクは120Nmで、SOHC世代の115Nmからトルクアップしていた。
なお本モデルの足回りは、フロントにBMWオリジナルのテレレバーフォークを採用。リアはパラレバー式ストラットを片持ちスイングアームにセットする。ホイールは前後17インチのキャストアルミ仕様。
同クラスネイキッドとしては、国産モデルとなるが前年にカワサキが投入した「ZRX1200 DAEG」が比較対象になるだろう。
246kgの車体に搭載する1,164㏄のDOHC直列4気筒エンジンは、8,000回転で110馬力を発揮。最大トルクは6,000回転107Nmというスペック。エンジンパワーは本モデルと大きく差は無いが、重量が16kg重いということでスペック争いでは、「R1200R」が格上ということになる。

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解説記事更新日：2023年03月31日

BMW伝統のボクサー2気筒エンジンを搭載する「R」シリーズは、前年モデルでエンジンヘッドカムレイアウトがシングルカムからDOHCへアップグレードされた。本モデル「R1200R」は対象とならなかったが、今回の2011年モデルでアップデート受けて適用となっている。その他にも以下の内容で仕様変更を実施。

・DOHCエンジン採用
・足回り仕様変更
・ホイールデザイン変更
・クラシックグレード追加
・カラーチェンジ

リニューアルされたパワートレインは2008年モデルで登場した「HP2 スポーツ」に搭載されたユニットをベースにした1,169ccのDOHC4バルブエンジンとなる。最高出力は7,750回転で110馬力を発揮する。従来の7,500回転109馬力から高回転&高出力化へ進化。最大トルクは6,000回転115Nmから120Nmまで向上している。
そして足回りは、テレレバー式フロントフォークのインナーチューブ径が35mmから41mmへ大径化することで剛性アップを実現。17インチのアルミキャストホイールを装着するが、デザイン変更によってスタイリッシュさが増している。また新たなタイプ設定として、上級グレードの「ハイライン」にスチールレースホイールを装着する「クラシック」タイプが展開された。
カラーバリエーションは、「スモークグレーメタリック」、「レッドアップルメタリック」、「ライトグレーメタリック」の3バリエーションを設定。価格はベーシックグレードの「アクティブライン」が149.9万円(税込)、ABSやグリップヒーターなど豪華装備の「ハイライン」は177.5万円(税込)となった。

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解説記事更新日：2023年03月31日

エンジンのDOHC化や足回りの強化を受けて完成度がさらに高められたBMWのロードスター「R1200R」は、今回の2012年モデルでは大きな仕様変更受けることなく継続ラインアップとなる。
カラーバリエーションは、「スモークグレーメタリック」、「ライトグレーメタリック」、「レッドアップルメタリック」の3パターンで続投。価格はカナダ向けが15,100カナダドルとなっていた。
エンジンは、DOHC4バルブの空油冷フラットツインユニットを搭載。1,169ccのパワートレインは7,500回転で110馬力を発揮する。最大トルクは6,000回転119Nmという仕様。
駆動方式にはシャフトドライブを採用して、シンプルなネイキッドスタイルの中にもひと目でBMWと分かるディテールとなっている。
同クラスネイキッドのライバルモデルとしては、スズキの「バンディット1250」が比較対象になるだろう。250kgの車体に搭載するエンジンは、1,254ccの水冷並列4気筒ユニット。最高出力は7,500回転100馬力、最大トルクは3,500回転107Nmというスペック。出力面では格下となるが、低回転域でピークトルクに達するので街中ユースでもトルクフルで扱いやすいマシンとなる。シート高は815mmと795mmの2段階調整が可能というユニークな仕様。ABSは、「R1200R」がオプション扱いだったのに対して、「バンディット1250」は標準装備。
スペックや装備など、どのポイントを重視するかでライダーの選択は異なるだろう。

買替や売る際の買取査定は、2012年式 R1200Rの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2023年03月31日

シンプルなネイキッドスタイルでBMWモトラッド伝統のフラットツインを楽しめるマシンが「R1200R」だ。2013年モデルでは、以下のアップデート受けてマシンの熟成が図られている。

・90周年記念モデル展開
・カラーチェンジ

メカニカルな部分に大きな仕様変更は受けておらず主要諸元は変わらない。エンジンはDOHC4バルブの空油冷水平対向ユニットだ。排気量1,169ccのパワートレインは、7,750回転で110馬力を発揮、最大トルクは8,000回転120Nmという仕様。トランスミッションは6速で、シャフトドライブ駆動となる。
同クラスの大型ネイキッドとしては、国内メーカー代表とも言えるホンダの「CB1300 スーパーフォア」が比較対象になるだろう。ダブルクレードルフレームに搭載するのはDOHC4バルブの水冷並列4気筒エンジン。最高出力は7,000回転101馬力で、最大トルクは5,500回転114Nmという仕様。重量は本モデルより28kg重い256kgとなる。スペックでは格下となるが、パワーもトルクも「R1200R」より低回転域でピークに達するので国内での日常使いなら「CB1300 スーパーフォア」が扱いやすいかもしれない。
なお国内2013年モデルの「R1200R」は、90周年記念仕様の「サファイアブラックメタリック」が、163.5万円(税込)、通常カラーの「モンテゴブルーメタリック」と「マグネシウムベージュメタリック」が157.5万円(税込)で展開された。

買替や売る際の買取査定は、2013年式 R1200Rの中古価値に精通しているバイクパッションに！

解説記事更新日：2023年04月09日