BMW /2 /3 /5 /6 /7シリーズ|全29車種|上限買取額の高い順

BMW /2 /3 /5 /6 /7シリーズいくらで売れる?
2026年09月11日更新 BMW /2 /3 /5 /6 /7シリーズ|全29車種 の買取査定相場は、 41.3万円が平均で、上限は175万円です。
現在、最も高く売れる車種は上限金額でR69。 中古の取引台数が最も多い車種はR100RSです。
BMW /2 /3 /5 /6 /7シリーズ|全29車種|99台(直近12ヵ月間の業者間取引)の落札額から算出
  • No 1
    BMW R69【1955~60年】
    BMW R69【1955~60年】

    買取上限

    175 万円

    相場平均

    175 万円
    年間取引台数
    1
    1937年の「R6」から数えて600ccボクサー第4世代に位置する「R69...
  • No 2
    R nineT/5【2020年】
    R nineT/5【2020年】

    買取上限

    167 万円

    相場平均

    114~132 万円
    年間取引台数
    5
    BMW Motorrad R nineT /5は、2019年に発表されたヘリテイジモデ...
  • No 3
    R50/5【1969~73年】
    R50/5【1969~73年】

    買取上限

    92 万円

    相場平均

    70.1~78.8 万円
    年間取引台数
    2
    ■ 「打倒・日本車」の命運を託された全く新しいBMW /5(スラッシ...
  • No 4
    BMW R60【1956~60年】
    BMW R60【1956~60年】

    買取上限

    89.5 万円

    相場平均

    89.5 万円
    年間取引台数
    1
    ■ 1955年当時のフラッグシップツアラー BMWの戦後600ccクラスの...
  • No 5
    R100RS 【1976~94年式】
    R100RS 【1976~94年式】

    買取上限

    83 万円

    相場平均

    40.8~57 万円
    年間取引台数
    56
    R100RSは、1960年代末から始まった日本製バイクの世界支配(ホン...
  • No 6
    R75/5【1969~73年】
    R75/5【1969~73年】

    買取上限

    79.8 万円

    相場平均

    75~76.4 万円
    年間取引台数
    2
    1969年、BMWモーターサイクルの歴史は劇的なターニングポイント...
  • No 7
    R90/6【1974~76年式】
    R90/6【1974~76年式】

    買取上限

    76.5 万円

    相場平均

    71.9~73.2 万円
    年間取引台数
    2
    「1969年に刷新された/5シリーズのフラッグシップR75/5が、ホン...
  • No 8
    R100RT 【1978~96年式】
    R100RT 【1978~96年式】

    買取上限

    71.8 万円

    相場平均

    35.7~50.6 万円
    年間取引台数
    10
    BMWのR100RTは、1970年代後半から1990年代半ばにかけて生産され...
  • No 9
    R60/5 【1969~73年】
    R60/5 【1969~73年】

    買取上限

    70 万円

    相場平均

    70 万円
    年間取引台数
    1
    戦前モデル「R6」から続く600cc実用ツアラー路線の第5世代として...
  • No 10
    R100CS 【1980~84年式】
    R100CS 【1980~84年式】

    買取上限

    67.8 万円

    相場平均

    63.4~64.7 万円
    年間取引台数
    2
    ドイツのバイクメーカーであるBMWが製造した「R100CS」は、伝統...
  • No 11
    R80/7【1977~83年式】
    R80/7【1977~83年式】

    買取上限

    65.2 万円

    相場平均

    65.2 万円
    年間取引台数
    1
    1977年、BMWの伝統的な「スラッシュ・シリーズ」の最終世代とな...
  • No 12
    R100S 【1976~80年式】
    R100S 【1976~80年式】

    買取上限

    57.4 万円

    相場平均

    57.4 万円
    年間取引台数
    1
    1976年、BMWは/6シリーズから/7シリーズへと世代交代を果たし、...
  • No 13
    BMW R65 【1978~85年式】
    BMW R65 【1978~85年式】

    買取上限

    55.7 万円

    相場平均

    40.9~47.2 万円
    年間取引台数
    8
    1970年代後半、欧州や北米を中心とする二輪車市場は大排気量化と...
  • No 14
    BMW R100 【1980~84年式】
    BMW R100 【1980~84年式】

    買取上限

    54.5 万円

    相場平均

    46.7~49.4 万円
    年間取引台数
    4
    BMWはR100SやR100RTといったモーターサイクル用のエアロダイナミ...
  • No 15
    R60/7 【1976年~】
    R60/7 【1976年~】

    買取上限

    50.5 万円

    相場平均

    50.5 万円
    年間取引台数
    1
    1937年のR6から続いた600ccボクサーの最終章 戦後復興を力強...
  • No 16
    BMW R26 【1956~60年】
    BMW R26 【1956~60年】

    買取上限

    45.4 万円

    相場平均

    45.4 万円
    年間取引台数
    1
    戦後BMWを支えた250ccシリーズ。「大衆車」であったR25(/2と/3...
  • No 17
    R65LS【1981~84年】
    R65LS【1981~84年】

    買取上限

    41.2 万円

    相場平均

    41.2 万円
    年間取引台数
    1
    1970年代末、それまで保守的な空冷水平対向2気筒エンジンを搭載...
  • No 18
    BMW R25/3 【1953~56年】
    BMW R25/3 【1953~56年】

    買取上限

    N/A 万円

    相場平均

    N/A 万円
    年間取引台数
    0
    敗戦により250cc上限規制が課された中で会社の存亡をかけて誕生...
  • No 19
    BMW R27 【1960~66年式】
    BMW R27 【1960~66年式】

    買取上限

    N/A 万円

    相場平均

    N/A 万円
    年間取引台数
    0
    BMWの戦後復興のアイコンとなったR25。48年のR24に端を発するこ...
  • No 20
    BMW R45【1978~85年】
    BMW R45【1978~85年】

    買取上限

    N/A 万円

    相場平均

    N/A 万円
    年間取引台数
    0
    BMWの近代エントリーモデルとして、1978年にラインナップに加わ...
  • BMW R50【1955~60年】

    買取上限

    N/A 万円

    相場平均

    N/A 万円
    年間取引台数
    0
    ■ 戦前の金字塔R51から連なる、500ccフラッグシップの系統 BMW...
  • BMW R90S 【1973~76年式】

    買取上限

    N/A 万円

    相場平均

    N/A 万円
    年間取引台数
    0
    戦前の「R51」から脈々と続くBMWの「ピュアスポーツ・フラッグシ...
  • R100/7 【1976~80年式】

    買取上限

    N/A 万円

    相場平均

    N/A 万円
    年間取引台数
    0
    1950年に発表されたR51/2から始まるBMWの"/(スラッシュ)"シリ...
  • R100T 【1978~80年式】

    買取上限

    N/A 万円

    相場平均

    N/A 万円
    年間取引台数
    0
    1976年の/7世代で新設された最上位排気量のR100シリーズは、1978...
  • R51/3【1951~55年】

    買取上限

    N/A 万円

    相場平均

    N/A 万円
    年間取引台数
    0
    1951年から1954年にかけて生産されたBMW R51/3は、第二次世界大...
  • R60/2 【1956~69年】

    買取上限

    N/A 万円

    相場平均

    N/A 万円
    年間取引台数
    0
    戦前モデル「R6」から続く600cc実用ツアラーの第4世代として1960...
  • R60/6【1973~76年】

    買取上限

    N/A 万円

    相場平均

    N/A 万円
    年間取引台数
    0
    戦前1937年のR6に端を発する600cc実用ツアラーの第6世代に位置す...
  • R69S【1960~69年】

    買取上限

    N/A 万円

    相場平均

    N/A 万円
    年間取引台数
    0
    1937年の「R6」から数えて、600ccボクサー第5世代に位置する「R6...
  • R75/6【1974~76年】

    買取上限

    N/A 万円

    相場平均

    N/A 万円
    年間取引台数
    0
    /5シリーズへ刷新された1969年のラインナップにおいて、戦前(19...
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BMW /2 /3 /5 /6 /7 スラッシュ・シリーズの歴史と進化

BMWモトラッドの歴史において、車名に付与される「/(スラッシュ)」の称号。これは本来、個別のモデルに対する「バージョン2」「バージョン3」を示す単なる改良識別子に過ぎなかった。
そのため、1950年の「R51/2(プランジャー)」の後に、全く新しいモデルのバージョン2である「R50/2(アールズ)」が1960年に登場するなど、記号と年代が前後するのはごく当たり前のことであった。しかし1969年、近代化の幕開けとなる「/5シリーズ」の登場を機に、スラッシュ記号は全排気量を貫く「プラットフォームの世代(シリーズ)」を示す称号へとその意味合いを劇的に変えていく。その後は「/6」でディスクブレーキを獲得し、「/7」でフルカウル(RS/RT)という近代ツアラーの完成形へと到達する。
本稿では、便宜上のバージョン記号であった時代(/2、/3)から、完全な世代プラットフォームへと移行した時代(/5〜/7)まで、各シリーズの変遷と現在の買取プレミアム価値を解き明かしていく。

シリーズ名 登場年代 サスペンション(前/後) 代表的な技術革新・特徴
/2(プランジャー期) 1950年〜 テレスコ / プランジャー 戦後復興の第一歩、R5系の再構築
/3(プランジャー期) 1951年〜 テレスコ / プランジャー 点火系・発電系の近代化、直動式タペット
/2(アールズ期) 1960年〜 アールズ / スイングアーム サイドカー牽引特化、究極の高剛性化
/5 シリーズ 1969年〜 テレスコ / スイングアーム ピュアスポーツへの回帰、セルモーター・12V装備
/6 シリーズ 1973年〜 テレスコ / スイングアーム ディスクブレーキ採用、5速化、900cc化
/7 シリーズ 1976年〜 テレスコ / スイングアーム Type247モジュールの熟成とラインナップ拡張(1000cc化等)

/2(スラッシュ2)シリーズ

  • R60/2 【1956~69年】|アビス ブラック / ホワイトピンストライプ
    登場年 250cc(単気筒) 500cc(標準ツイン) 600cc(牽引 / スポーツ)
    1950年 - R51/2(プランジャー) -
    1951年 R25/2(プランジャー) - -
    1952年 - - R67/2(プランジャー)
    1955年〜 R26(アールズ ※56年〜) R50(アールズ) R60, R69(アールズ)
    1960年〜 R27(アールズ) R50/2(アールズ) R60/2, R69S(アールズ)
  • /2(スラッシュ2)シリーズとは?
    そもそもは前述の通り、「/2」とは特定の世代ではなく、個別モデルの「バージョン2」を意味する識別子である。ちなみに、BMW史上初めて機種名に「/(スラッシュ)」の記号が冠された記念すべき最初のモデルが、この1950年の「R51/2」であった。そのため、戦後復興の足がかりとして登場した1950年の「プランジャーの/2」と、その10年後に新設計のアールズフォーク機のバージョン2として登場した1960年の「アールズの/2」という、時代も構造も全く異なるモデル群が混在している。しかし、後のR100RSが「/7世代」に括られるのと全く同じロジックで、初期(バージョン2の符牒として/2を必要としない)のR50等(1955年〜)も含めたアールズフォーク期のモデル全般を、総称として「/2世代」と定義する解釈が世界中のビンテージ界隈で定着している。そのため単に『スラッシュ2』と呼ぶ場合、圧倒的に後者のアールズフォーク世代(1955年〜1969年)を指す。

    市場環境と登場背景
    1950年の/2(R51/2等)は、敗戦による排気量規制が解除された直後に、戦前の名機R5の図面をベースに大急ぎで再構築された「復興の狼煙」であった。一方、1960年の/2(R50/2等)は、アウトバーンでの高速巡航やサイドカー牽引の絶対的な安定性が求められた経済成長期の要請に応えるための、究極のヘビーデューティー・ツアラーとして誕生した。

    当時のラインナップと車体の基本構成
    前期のプランジャー/2は、テレスコピックフォークとリア・プランジャーサスを組み合わせた過渡期の構成。後期の1960年/2は、極太の鋼管フレームにフロント・アールズフォーク、リア・スイングアームを組み合わせた強固なサイドカー牽引特化シャシーを誇った。

    アップデート内容
    【前期プランジャー/2のアップデート】1950年のR51/2では、戦前の名機R51の基本構造を受け継ぎつつも、フロントフォークに油圧ダンパー(2ウェイ)が組み込まれてハンドリングが向上。さらに特徴的な2分割式のアルミ製バルブカバーが採用されるなど、戦後の厳しい資材難の中で可能な限りの近代化が図られた。
    【後期アールズ/2のアップデート】1960年のR50/2等では、先代(1955年登場の初代R50等)の持病であったクランクシャフトやクランクケースの強度不足が抜本的に見直され、エンジンの耐久性が飛躍的に向上した。また、より強力なジェネレーター(発電機)への換装など、電装系の近代化も図られている。

    プレミアム価値
    コレクターの本場となる欧米では、2026年現在、プランジャー期の幻(かつ戦前の世界最高峰R51の2代目)であるR51/2は30,000〜40,000 USD(約450万〜600万円相当)、アールズ期の良質なマッチングナンバー車(R50/2等)は15,000〜25,000 USD(約225万〜375万円相当)の確固たるプレミアム相場を形成している。(※国内の最新買取相場は上段の各機種のリストからご確認いただきたい)

/3(スラッシュ3)シリーズ

  • R51/3【1951~55年】|ブラック(ホワイトのダブルピンストライプ)1951年
    登場年 250cc(単気筒) 500cc(水平対向) 600cc(水平対向)
    1951年 - R51/3 -
    1953年 R25/3 - -
    1955年 - - R67/3
  • /3(スラッシュ3)シリーズとは?
    1950年に応急処置的に復活させた「プランジャー/2」をベースに、エンジン内部の機構を徹底的に近代化・洗練させた戦後復興期の真の立役者。アールズフォークへ移行する直前の、最も完成されたプランジャー・モデル群である。

    市場環境と登場背景
    戦後ドイツの旺盛な移動・運搬需要に応えるため、サイドカー牽引を前提とした低速トルクと、長距離をトラブル無く走り抜ける絶対的な信頼性が求められた。特に250cc単気筒のR25/3は「国民の足」として大ヒットし、BMW史上類を見ない約47,000台という驚異的な販売台数を記録した。

    当時のラインナップと車体の基本構成
    フレームは前身の/2(プランジャー期)から引き継いだテレスコピック・フォークとプランジャー・リアサスペンションの構成。排気量展開も先代から引き継ぎ、250cc単気筒(R25/3)と500cc/600ccのフラットツイン(R51/3、R67等)のみであった。戦前の多彩なラインナップ(200cc〜750cc等)と比べると、敗戦による連合国の生産制限や深刻な資材難の後遺症を色濃く残した、BMW史上最も絞り込まれたラインナップ構成が継続されていた過渡期でもある。

    アップデート内容
    【ツイン(R51/3、R67等)のアップデート】最大の進化はエンジン内部の完全新設計である。戦前からの構造であった2本のカムシャフトを1本(シングルカム)に統合し、マグネトー点火の駆動をチェーンからギアへと変更。これにより機関の信頼性と静粛性が劇的に向上し、のっぺりとした近代的なフロントカバーデザインへと変貌した。
    【シングル(R25/3)のアップデート】一方、単気筒モデルのR25/3(1953年〜)では、従来19インチだったホイールを18インチへと小径化してハンドリングを近代化。さらにフル・ハブブレーキの採用やタンク容量の拡大など、実用車としての足回りと使い勝手が大幅に強化されている。

    プレミアム価値
    コレクターの本場となる欧米では、2026年現在、プランジャー時代の完成形であるR51/3が20,000〜30,000 USD(約300万〜450万円相当)、大衆車であったR25/3でさえも10,000〜15,000 USD(約150万〜225万円相当)という高い評価を獲得し続けている。(※国内の最新買取相場は上段の各機種のリストからご確認いただきたい)

/5(スラッシュ5)シリーズ

  • R75/5【1969~73年】|アビスブラック 1969年
    登場年 500cc(水平対向) 600cc(水平対向) 750cc(水平対向)
    1969年 R50/5 R60/5 R75/5
  • /5(スラッシュ5)シリーズとは?
    1969年、ベルリン・スパンダウ工場への移管と共に誕生した「新世代BMW」の幕開け。アールズフォークの重呪縛から解き放たれ、ピュアスポーツ路線へと劇的な回帰を果たした歴史的モジュール・モデルである。

    市場環境と登場背景
    ホンダCB750Fourなど、革新的で安価な日本製4気筒スポーツバイクが世界を席巻。サイドカー牽引の優位性(四輪車の代替)が終焉を迎え、オートバイが「趣味の乗り物」へと完全にシフトしたことで、BMWも生き残りを賭けて圧倒的な軽量化と高出力化を迫られた。

    当時のラインナップと車体の基本構成
    500cc(R50/5)、600cc(R60/5)、750cc(R75/5)の3排気量を展開。これらは全て同じフレームとクランクケースを共有する「全排気量共通モジュール(Type247)」として新開発され、生産効率と部品の互換性が飛躍的に高められた。足回りは単車としての軽快なスポーツ性能を取り戻すため、重いアールズフォークからテレスコピック・フォークへと回帰。フレームからはサイドカー用の接続マウントが完全に撤去されている。

    アップデート内容
    BMW初となるセルモーター(電動スターター)の標準装備、12V電装化、定負圧式(CV)キャブレターの採用(R75/5)など、メカニズムが一気に近代化。車重も先代から30kg近く軽量化され、軽快で俊敏なハンドリングを手に入れた。特徴的なヘッドライト一体型のメーターパネル(通称:トースター・メーター)もこの世代のアイコンである。

    プレミアム価値
    コレクターの本場となる欧米では、2026年現在、クラシックとモダンの完璧な融合として再評価が進んでおり、最上級のR75/5(トースタータンク等のオリジナル車)は15,000〜20,000 USD(約225万〜300万円相当)のプレミアム相場を形成している。(※国内の最新買取相場は上段の各機種のリストからご確認いただきたい)

/6(スラッシュ6)シリーズ

  • BMW R90S 【1973~76年式】|シルバー・スモーク 1973年
    登場年 600cc 750cc 900cc(ツアラー) 900cc(スポーツ)
    1973年 R60/6 R75/6 R90/6 R90S
  • /6(スラッシュ6)シリーズとは?
    /5で確立したモジュール設計をベースに、排気量の拡大と足回りの強化を図った熟成のシリーズ。そして何より、BMW史上最高のピュアスポーツにして初代スーパーバイクである「R90S」を生み出した黄金世代である。

    市場環境と登場背景
    カワサキZ1などのリッタークラス・モンスターマシンが猛威を振るう中、BMWも対抗手段として排気量を900ccまで拡大。アウトバーンを200km/hで安全に巡航できる「ハイウェイ・エクスプレス」としての絶対的な地位を確立するため、制動力の強化が急務となった。しかし同時に、本来500ccクラスからスタートした共通モジュール(Type247)を900ccにまで拡大したことで、フレーム剛性の限界や、逆に小排気量モデルにとってはオーバースペックな重量増など「共通プラットフォームの限界」が露呈し始める過渡期でもあった。

    当時のラインナップと車体の基本構成
    500ccモデルを廃止し、新たに900ccを最上位に追加(R90/6、R90S)。フレーム構成は/5を踏襲しつつも、スイングアームが延長(ロングホイールベース化)され、直進安定性が飛躍的に向上した。

    アップデート内容
    最大のトピックは「フロント・ディスクブレーキ」の採用と「5速マニュアルトランスミッション」の導入である。特にフラッグシップのR90Sは、量産車初となるビキニカウル、デロルト製キャブレター、専用のグラデーション塗装(デイトナオレンジ/シルバースモーク)を纏い、AMAスーパーバイク選手権の初代チャンピオンに輝く歴史的偉業を成し遂げた。これは戦前のR51から約40年遠ざかっていたメジャータイトルの奪還であった。

    プレミアム価値
    コレクターの本場となる欧米では、2026年現在、初代スーパーバイクである「R90S」が別格のコレクターズアイテムとして25,000〜35,000 USD(約375万〜525万円相当)という圧倒的な高値で取引されている。またスタンダードな/6モデルも10,000〜15,000 USD(約150万〜225万円相当)で安定している。(※国内の最新買取相場は上段の各機種のリストからご確認いただきたい)

/7(スラッシュ7)シリーズ & スモールブロックの分化

  • R100RS 【1976~94年式】|クラシックブラック
    登場年 450 / 650cc(スモール) 600 / 750 / 800cc(ビッグ) 1000cc(ネイキッド) 1000cc(カウル付)
    1976年 - R60/7, R75/7 R100/7 R100S / R100RS
    1977年 - R80/7 - -
    1978年 R45, R65 - R100T R100RT
    1980年 - - R100 R100CS
    1981年 R65LS - - -
  • /7シリーズと共通プラットフォームの終焉
    ついに1000ccの大台に到達し、BMWが「プレミアム・ツアラー」というジャンルを確立した記念碑的シリーズ。しかし、R100シリーズ(1000cc)投入に伴う/7世代の大排気量化は、多様化する市場ニーズへの対応という点で後手に回る副作用をもたらした。結果/5から続いた「全排気量共通モジュール(Type247)」はこの/7を以って完全な終焉を迎えることとなった。

    市場環境と登場背景
    日本製バイクが更なる大排気量化・多気筒化へと進む中、BMWは「水平対向2気筒のままいかに快適に長距離を高速移動するか」という独自の哲学へと答えを求めた。風洞実験を駆使したフェアリング開発は、二輪業界に革命をもたらすことになる。

    当時のラインナップと車体の基本構成 〜スモールブロックの登場〜
    先代から引き継いだ600cc/750ccクラスに加え、新たに800cc(R80/7)と1000ccクラスを追加。特に1000ccのR100シリーズは、ネイキッド(/7、T)、ビキニカウル(S)、スポーツフルカウル(RS)、ツーリングフルカウル(RT)と、フェアリングの有無でキャラクターを細分化する現代の手法を確立した。 一方でフラッグシップの巨大化・高額化により、若年層やエントリー層(西ドイツにおける27馬力規制等の免許・保険区分)を取り逃がす危機に直面。そこでBMWは1978年、巨大な/7モジュール(Type247)から完全に独立した専用の小型軽量プラットフォーム「スモールブロック(Type248)」を新規開発し、R45およびR65として投入した。これにより、/7世代のラインナップは「巨大なType247(大型ツアラー)」と「軽量なType248(中型スポーツ)」へと明確に分化することになった。なお、1981年には巨匠ハンス・ムートがデザインを手掛けた前衛的なスポーツモデル「R65LS」も追加されている。

    アップデート内容
    /7シリーズ(Type247)は、排気量の1000cc化に伴うフレーム補強や重厚なキャストホイールの採用など、重量級ツアラーとしての剛性と高速巡航性能を追求。対するスモールブロック(Type248)は、ショートストローク化された新設計エンジンにより、従来の「ドコドコ感」よりも軽快に高回転まで吹け上がるスポーティな特性を獲得。エンジン幅も狭く車格も一回り小さいため、足着き性や取り回しが劇的に向上している。

    【終幕】R100シリーズにおける「/7」から「モノレバー」への世代交代
    /7世代で新登場となったR100シリーズのフラッグシップ群(RSやRT等)は、「先代を持たない全く新しいコンセプトのモデル」であったが故に、アップデート区切りの符牒である「/(スラッシュ)」を機種名に冠していない。しかし車体構成としては間違いなく「/7シリーズ(Type247ツインショック)」に属している。
    その後1984年、BMWはロードモデルのリアサスペンションを伝統のツインショック(2本サス)から片持ち式の「モノレバー(1本サス)」へと刷新した。この機構は元々1980年の「R80G/S」で初採用されたものであり、その成功を受けてオンロード機へと拡張されたものである。これにより、全く同じ「R100RS」や「R100RT」という車種名であっても、1984年以前のツインショック機は「/7シリーズ」、1984年以降のモノレバー機は「ポスト・スラッシュ世代」として明確に分類・区別されることとなる。この機構刷新をもって、1950年のR51/2から長きにわたってBMWの屋台骨を支え続けた「/シリーズ」の歴史、並びに/5以降で誕生した共通プラットフォームの歴史は、ここに名実ともに幕を下ろしたのである。

    プレミアム価値
    コレクターの本場となる欧米では、2026年現在、「R100RS」の初期型(スポークホイール仕様等)が15,000〜25,000 USD(約225万〜375万円相当)で取引されるなど熱狂的な人気を保っている。一方、取り回しの良さから再評価が進むスモールブロック機(特に日本国内では中型免許で乗れる唯一のBMWボクサーであるR45等)も8,000〜10,000 USD(約120万〜150万円相当)の相場を形成し始めている。(※国内の最新買取相場は上段の各機種のリストからご確認いただきたい)

【エピローグ】現代に蘇った「/(スラッシュ)」の称号

1984年のモノレバー化をもって一度は途絶えた「/シリーズ」の系譜であるが、近代BMWの原点となった/5シリーズの誕生からちょうど50年後の2019年、ベルリン・スパンダウ工場での二輪生産50周年を記念する特別仕様車として「R nineT /5」が限定発売された。
現代のヘリテージモデルにルパンブルーの塗装やクロームパーツ、ティアドロップ型タンクのニーパッドなど、かつての/5の意匠を散りばめたこのモデルは、BMW史上において途絶えて久しかった「/」の称号を車名に冠した唯一の公式オマージュ機である。戦後の過酷な時代から立ち上がり、ブランドの屋台骨を支え続けた「スラッシュ」の誇り高きDNAは、決して過去の遺物ではなく、現代のBMWモトラッドの中にも確実に息づいているのである。

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